在留カードQ&A:日本滞在で困らないための身分証明書ガイド

日本に中長期滞在する外国人にとって、在留カードは最も重要な身分証明書です。しかし、「在留カードって何?」「何のために必要なの?」といった疑問を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、在留カードの基本情報から、取得方法、記載事項、携帯義務、そして紛失時の対応まで、日本滞在に必須の在留カードについて徹底的に解説します。この記事を読めば、在留カードに関するあなたの疑問がすべて解消され、安心して日本での生活を送るための第一歩となるでしょう。

1. 在留カードとは?外国人にとっての「身分証明書」

在留カードとは、日本に中長期滞在する外国人に交付される身分証明書です。具体的には、以下のいずれかに該当する方に交付されます。

  • 日本に上陸許可を受けた方(観光など短期滞在者を除く)
  • 在留資格の変更許可を受けた方
  • 在留期間の更新許可を受けた方

かつて外国人登録証明書という制度がありましたが、2012年7月9日からは在留カード制度に切り替わりました。これにより、より詳細な情報がICチップに記録され、偽造防止や情報の正確性が向上しています。

在留カードは、日本での生活において以下のような様々な場面で提示を求められます。

  • 賃貸契約
  • 銀行口座開設
  • 携帯電話契約
  • アルバイトの面接
  • 医療機関の受診

まさに、日本におけるあなたの「身分」を証明する、極めて重要なカードなのです。

2. 在留カードでわかること:記載事項とICチップ情報

在留カードには、あなたの基本的な個人情報と在留資格に関する情報が記載されています。

表面の主な記載事項

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域
  • 住所
  • 在留資格
  • 在留期間(満了日)
  • 就労制限の有無
  • 許可の種類(例:特定活動など)
  • 交付年月日
  • カード番号

裏面の主な記載事項

  • 在留期間更新等の許可状況
  • 就労資格証明書の交付を受けている場合、その旨
  • その他、必要な情報

これらの情報は、目視で確認できるだけでなく、ICチップにも記録されています。ICチップには、表面に記載されている情報に加え、顔写真などの情報も記録されており、出入国在留管理庁のシステムと連携して迅速かつ正確な情報確認が可能となっています。

3. 在留カードはどこでもらえる?取得方法を解説

在留カードの取得方法は、主に以下の2つのケースがあります。

(1) 空港等での上陸許可時

新規で日本に入国し、中長期滞在の在留資格が付与される場合、原則として日本の主要な空港(成田国際空港、羽田空港、中部国際空港、関西国際空港など)で入国審査時に在留カードが交付されます。この際、顔写真の提出は不要です。

(2) 地方出入国在留管理局での手続き時

以下のようなケースでは、住所地を管轄する地方出入国在留管理局で手続きを行い、在留カードが交付されます。

  • 在留資格の変更許可を受けた場合
  • 在留期間の更新許可を受けた場合
  • 在留カードの紛失・盗難・滅失等による再交付
  • 在留カードの汚損・破損による再交付

これらの手続きには、申請書や写真(縦4cm×横3cm)など、必要書類を揃えて申請する必要があります。詳細な必要書類や手続きの流れについては、出入国在留管理庁のウェブサイトをご確認ください。(外部リンク)

4. 在留カードは常に携帯!携帯義務と罰則

在留カードは、日本に在留する外国人にとっての「身分証明書」であるため、常に携帯する義務があります。警察官や入国審査官などから提示を求められた場合、速やかに提示しなければなりません。

もし、在留カードを携帯していなかったり、提示を拒否したりした場合は、20万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、在留カードの提示を求められた際に、偽造された在留カードを提示したり、他人名義の在留カードを提示したりすることは、さらに重い罰則の対象となりますので、絶対にやめましょう。

5. 住所変更も忘れずに!届け出義務について

在留カードに記載されている住所は、あなたの現在の居住地と一致している必要があります。日本国内で引っ越しをした場合、新しい住所に住み始めてから14日以内に、新しい住所地の市区町村役場に転入届を提出し、同時に在留カードの裏面に新しい住所を記載してもらう必要があります。

この住所変更の手続きを怠ると、20万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、在留資格の更新など、今後の手続きにも影響が出る場合があるため、忘れずに手続きを行いましょう。

6. 紛失・盗難・汚損・破損時の対応

万が一、在留カードを紛失したり、盗難に遭ったり、あるいは汚損・破損してしまった場合は、速やかに再交付の手続きを行う必要があります。

  • 紛失・盗難の場合: まずは最寄りの警察署に届け出て、遺失届出証明書や盗難届出証明書を発行してもらいます。その後、14日以内に地方出入国在留管理局で再交付申請を行います。
  • 汚損・破損の場合: 地方出入国在留管理局で再交付申請を行います。

いずれのケースも、申請には写真(縦4cm×横3cm)などの書類が必要になります。再交付の手続きを怠ると、不法残留とみなされる可能性もありますので、迅速に対応することが重要です。

7. 在留カードとマイナンバーカードの違い

在留カードとよく混同されがちなのが、マイナンバーカードです。どちらも日本の身分証明書として利用できますが、役割や対象者が異なります。

項目在留カードマイナンバーカード
対象者日本に中長期滞在する外国人日本に住民票を持つすべての人(日本人、外国人含む)
発行機関出入国在留管理庁市区町村
主な役割日本での身分証明、在留資格の証明個人番号(マイナンバー)の証明、身分証明、行政手続きのオンライン化
取得義務(特定の場合を除く)任意

在留カードは、外国人が日本に滞在するための必須の身分証明書であるのに対し、マイナンバーカードは、行政手続きの効率化や本人確認の利便性向上のために導入されたカードです。外国人であっても、住民票があればマイナンバーカードを申請することができます。

まとめ:在留カードは日本滞在の「パスポート」

在留カードは、日本に滞在する外国人にとって、まさしく「パスポート」のような存在です。あなたの身分を証明し、日本での生活を円滑に進める上で不可欠なものです。

この記事で解説した内容をしっかりと理解し、在留カードを適切に管理することで、日本での生活がより安全で快適なものになるでしょう。在留カードに関するご不明な点があれば、出入国在留管理庁(外部リンク)または最寄りの地方出入国在留管理局に相談することをお勧めします。


関連記事:

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法