【記入例付き】技術・人文知識・国際業務ビザの雇用理由書の書き方|採用担当者必見!

はじめに

外国人を「技術・人文知識・国際業務ビザ」で採用する際、**雇用理由書(雇用経緯書)**の提出は非常に重要です。
不十分な記載や形式ミスにより、在留資格の不許可となるケースも少なくありません。この記事では、採用担当者・経営者の方に向けて、雇用理由書の書き方と記入例を分かりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 雇用理由書の基本構成と記載項目
  • 審査官に伝わる文章の書き方
  • 記入例付きのテンプレート紹介
  • 不許可を防ぐ注意点と成功事例

技術・人文知識・国際業務ビザとは?

「技術・人文知識・国際業務ビザ」とは、主に以下のようなホワイトカラー職種に該当する外国人が対象の就労ビザです。

  • システムエンジニア・プログラマー(技術)
  • 通訳・翻訳・語学教師(国際業務)
  • 経理・人事・企画・マーケティング(人文知識)

詳しくは関連記事をご覧ください:
▶︎ 技術・人文知識・国際業務ビザの全体概要|対象職種・申請条件・取得方法


雇用理由書とは?なぜ重要なのか

雇用理由書とは、**「なぜこの外国人を採用する必要があるのか」**を説明する文書です。入管は以下のポイントをチェックしています:

チェックポイント内容
学歴・職歴と業務内容の関連性本人の経歴が職務に合致しているか
日本人と同等以上の待遇外国人差別がないか
雇用の継続性安定的な事業運営が可能か
本人の専門性の活用他の応募者では代替困難な理由

雇用理由書の構成と書き方

雇用理由書は、次のような構成で記載すると分かりやすく、審査官にも好印象を与えます。

① 採用の背景と業務内容

  • 募集した背景(事業拡大、海外取引の増加など)
  • 配属予定部署・職種・業務の詳細

② 応募者の経歴・スキルとの適合性

  • 学歴(専攻)と業務内容の関連性
  • 語学力、専門資格、業務経験の紹介

③ 他の人材では代替できない理由

  • 多言語対応、専門知識、文化理解などの強み
  • 採用プロセスにおける競争性(応募者数・比較等)

④ 処遇と就労条件

  • 雇用形態、給与、勤務時間など
  • 日本人と同等以上の待遇を明記

⑤ 会社としての支援体制

  • 生活支援、研修制度、日本語教育の提供など

【記入例】雇用理由書(技術・人文知識・国際業務)

textコピーする編集する雇用理由書

1. 採用の背景および業務内容  
当社はEC事業を展開しており、近年、海外からの問い合わせが増加しています。そのため、英語・中国語による対応が可能なカスタマーサポート人材を募集しました。配属予定の業務は、海外顧客からの問い合わせ対応、商品説明、取引先との調整などです。

2. 応募者の経歴とスキル  
申請人は中国の大学で日本語と経済学を専攻し、卒業後、日本の専門学校でビジネス日本語を学びました。また、アルバイトで接客経験があり、日本語能力試験N1を保持しています。

3. 他の人材では代替できない理由  
申請人は日本語・中国語・英語の3言語が堪能で、特に中国市場における文化的理解とビジネスマナーに精通しています。募集には日本人も含め10名の応募がありましたが、上記の多言語対応力と適合性により選考しました。

4. 処遇と就労条件  
雇用形態:正社員  
月給:250,000円(日本人新卒社員と同等)  
勤務時間:9:00〜18:00(週休二日制)

5. 支援体制  
日本語研修の受講機会、社内メンター制度、生活面のサポート(住居探しや銀行口座開設支援)を提供し、円滑な定着を支援します。

以上

雇用理由書の提出先と提出方法

  • 提出先:地方出入国在留管理局(管轄の入管)
  • 提出方法:技術・人文知識・国際業務ビザ申請書類と一緒に添付
  • 形式:WordまたはPDF形式、A4用紙、1〜2ページが目安

よくあるNG事例と対策

NG例対策
「本人が優秀だから」とだけ記載客観的なスキル・実績を具体的に書く
書き方が曖昧・主観的データや事実で裏付ける(応募者数・言語能力など)
雇用条件が曖昧明確な給与額・勤務形態を記載する

まとめ|雇用理由書はビザ取得のカギ

雇用理由書は、入管に「この外国人を本当に必要としている」という説得力を与える重要な書類です。
採用背景や応募者の強み、処遇などを明確に記載し、審査官に伝わるロジックを意識することで、ビザ許可率を大きく向上させることが可能です。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法