【実務経験で申請】技術・人文知識・国際業務ビザの注意点と成功のコツ
日本で働きたい外国人にとって、在留資格「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国ビザ)」は代表的な就労ビザです。
このビザは通常、大学や専門学校の学歴が要件ですが、一定年数の実務経験があれば、学歴がなくても申請可能です。
ただし、実務経験で申請する場合は、審査基準が非常に厳しくなるため、事前の準備が極めて重要です。この記事では、実務経験による申請で気をつけるべきポイントを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。
目次
実務経験で申請できる技術・人文知識・国際業務ビザとは?
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、専門知識や語学力などを活かして、下記のような業務に就く外国人が対象です。
- 技術系職種:エンジニア、IT開発、設計など
- 人文知識系職種:会計、法務、経営、マーケティングなど
- 国際業務系職種:通訳、翻訳、海外営業、語学教師など
実務経験が認められる条件
学歴がない場合でも、業務に直接関係する分野で10年以上の実務経験があればビザの取得は可能です(一部職種では3年以上で可)。
🔗【外部リンク】出入国在留管理庁|在留資格「技術・人文知識・国際業務」
実務経験で申請する際の5つの注意点
1. 経験内容が職務内容と一致しているか?
申請する仕事内容と過去の経験が具体的に一致していることが重要です。たとえば、貿易事務のポジションに就く予定であれば、過去に「貿易実務」や「輸出入手配」に従事していた証明が必要です。
✔ 審査官の視点:
業務内容が「単純労働」に該当しないかを厳しくチェックされます。
2. 実務経験年数を裏付ける証明書が必要
「10年以上の経験」を証明するには、以下のような客観的な資料を準備しましょう。
- 在職証明書(勤務先の社印付き)
- 雇用契約書や給与明細
- 納税証明書や社会保険証明書
- 勤務先の会社案内や登記簿謄本(企業の業種を明確に)
🔗【関連記事】就労ビザの必要書類まとめ|職務内容の証明方法
3. 就職先の業務内容が「専門的」であること
実務経験だけでなく、採用予定の職務が高度で専門的な業務かどうかも審査のポイントです。
× 不許可の例:
- 英語が話せるという理由で接客や通訳補助に就かせる
- 経理職としながらも実際の業務がデータ入力のみ
〇 許可の可能性が高い例:
- 経理業務で、財務諸表作成・会計ソフトの使用・法人税計算などを担当
- 海外営業職で、英文契約書の作成・交渉・取引先対応などに携わる
4. 証明書類の翻訳は正確に
証明書類が外国語で作成されている場合は、正確な日本語訳を添付しましょう。翻訳には、翻訳者の氏名・連絡先・翻訳日付の記載が必要です。
注意点: 誤訳・意訳があると、審査で不利になります。専門の翻訳業者か行政書士に依頼するのが安全です。
5. 在留歴や過去の違反歴も審査対象
過去に在留資格の違反・不法就労・オーバーステイなどの履歴があると、ビザ許可は非常に厳しくなります。もし心当たりがある場合は、申請時に「経緯説明書」や「反省文」を提出しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 専門学校を卒業していますが、実務経験で申請すべきですか?
専修学校の専門課程を修了し、かつ申請する職種と関連している場合は、学歴での申請が可能です。ただし、関連性が不十分な場合は、実務経験を併せて証明する必要があります。
Q. アルバイトで得た経験も年数に含まれますか?
いいえ、実務経験としてカウントできるのは、フルタイム勤務に相当する正規の雇用形態に限られます。アルバイトやインターンシップは原則対象外です。
まとめ|実務経験による申請は「証明の質」がカギ
「技術・人文知識・国際業務」ビザを実務経験で申請する場合、審査では一貫性・証明力・職務の専門性が厳しくチェックされます。裏付けとなる書類を丁寧に整え、職務内容との関連性を明確に説明しましょう。
不許可を避けたい方は、行政書士など専門家への相談を強くおすすめします。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |