技術・人文知識・国際業務ビザ申請の会社概要書の作成ポイント【記入例・テンプレート付】

**技術・人文知識・国際業務ビザ(就労ビザ)**を申請する際、外国人を受け入れる企業側が提出する書類の一つに「会社概要書」があります。この書類は、会社の信頼性や外国人を雇用できる体制が整っていることを入管に示す重要な資料です。

本記事では、会社概要書の作成ポイントを詳しく解説し、書き方のコツ・注意点・記載例を紹介します。初めての方でも安心して対応できるよう、実務に基づいた専門的なアドバイスをお届けします。


会社概要書とは?

会社概要書とは、外国人を雇用する際に提出する書類であり、企業の事業内容・規模・経営状況などを示す資料です。出入国在留管理庁(入管)が、外国人労働者が正当な職務内容・雇用体制のもとで働くことを確認するための材料となります。

▶ 参考リンク:
出入国在留管理庁|在留資格「技術・人文知識・国際業務」


会社概要書の提出が必要な理由

  • 企業の信頼性と雇用の実態確認のため
  • 申請人の活動内容が会社の業務内容と一致するか確認するため
  • 過去の就労ビザ申請履歴・不正雇用の有無を確認するため

提出しないと、「申請内容の信ぴょう性が不十分」と判断され、不許可になる可能性が高まります。


会社概要書に記載すべき基本項目

会社概要書には、以下の項目を分かりやすくまとめる必要があります:

項目内容
会社名・所在地正式名称・本社所在地・電話番号等
設立年月日法人登記上の設立日
代表者名・役職代表取締役の氏名・役職など
資本金登記簿記載の金額を記載
従業員数正社員・契約社員・パート等を区別して記載
主な事業内容具体的な業務内容、顧客層、取引先など
外国人社員の受入実績過去に雇用した外国人の有無と職種・人数など
会社の沿革主要な事業展開や成長の経緯
決算内容の概要売上高・利益・経営状況の概要

会社概要書の作成ポイント・注意点

1. 専門性のある表現を使う

事業内容が抽象的ではなく、技術系・国際業務に関連する専門性を明確に記載しましょう。

NG例:「IT業務全般を行っています」
OK例:「Webアプリケーションの受託開発および外国企業向けソフトウェアローカライズを行っています」


2. 外国人社員の職務と事業内容の一致を示す

申請者が従事する業務が、「技術・人文知識・国際業務」に該当することを裏付ける説明が必要です。事業のどの部分に関わるのか明記しましょう。


3. 信頼性・継続性をアピール

会社の**財務的安定性(黒字経営・資本金)**や、過去の外国人雇用実績を強調すると、申請が通りやすくなります。


4. 記載情報と登記簿・決算書の整合性

内容に虚偽や誤記があると、不許可や調査対象となります。登記簿謄本や直近の決算書と必ず整合を取ってください。


会社概要書の記載例・テンプレート

以下は簡易的な会社概要書の記載例です。申請内容に応じてアレンジしましょう。

会社名:株式会社○○
所在地:東京都新宿区西新宿○-○-○
設立:2015年4月1日
代表者:代表取締役 山田太郎
資本金:1,000万円
従業員数:20名(うち外国人3名)
事業内容:
・Webシステム開発(PHP, JavaScript, AWS)
・海外企業向けのシステムローカライズ
・日英翻訳サービス(主に技術文書)
外国人受入実績:過去5年間に3名(いずれも技術・人文知識分野)
沿革:
2015年 会社設立
2017年 大手商社と取引開始
2020年 ベトナム人IT技術者を初採用
2023年 グローバル事業部を設立

よくある質問と回答

Q. 零細企業や設立間もない会社でも申請できますか?

A. はい、可能です。 ただし、十分な事業計画・経営の安定性を示す資料が必要です。売上実績が乏しい場合は、発注書・契約書・今後の成長計画などで補強しましょう。


Q. 事業内容が多岐にわたる場合はどうすれば?

A. 申請者が従事する業務に直結する内容を中心に記載しましょう。無関係な事業は簡潔に触れる程度で構いません。


まとめ・専門家への相談

会社概要書は、技術・人文知識・国際業務ビザの申請成功率を左右する重要書類です。内容が不十分だと、申請者の活動の正当性が疑われ、審査にマイナスの影響を与える可能性があります。

初めて作成する場合や不安な方は、ビザ申請に詳しい行政書士など専門家への相談をおすすめします。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法