技術・人文知識・国際業務ビザの職務内容の書き方|審査に通るためのポイントと記入例

外国人が日本で働くために必要な「技術・人文知識・国際業務ビザ(以下、技人国ビザ)」では、職務内容の記載が審査の合否を大きく左右します。曖昧な表現や職種と関係のない業務内容を記載すると、不許可になる可能性も。

本記事では、入管が求める基準に合致した「職務内容」の書き方について、具体的な記入例や注意点を交えて詳しく解説します。


技術・人文知識・国際業務ビザとは?

技人国ビザは、日本で**「文系または理系の専門知識を活かした業務」や「国際業務」**に従事する外国人に発給される就労ビザの一つです。

対象業務の例

  • 技術分野(理系):システムエンジニア、プログラマー、機械設計など
  • 人文知識分野(文系):経理、企画、法務、マーケティングなど
  • 国際業務分野:通訳・翻訳、語学教師、貿易業務など

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なぜ職務内容の記載が重要なのか?

ビザ審査において、職務内容がビザの対象業務に該当しているかを判断することは非常に重要です。たとえば、「営業」「接客」「単純作業」などは、原則として技人国ビザでは認められていません。

不許可の例

  • 「翻訳・通訳・資料作成・受付・電話応対など」
    受付・電話応対は単純業務にあたり、NG。
  • 「開発補助・データ入力・テスト業務」
    補助的業務や単純作業とみなされる恐れあり。

職務内容の正しい書き方|構成と具体例

書き方の基本構成

  1. 職種名
  2. 業務の概要
  3. 具体的な業務内容(主業務8割以上)
  4. 専門性を裏付ける知識・スキルの言及
  5. 日本語・外国語の使用環境(国際業務の場合)

記入例:システムエンジニアの場合

職種名:システムエンジニア
業務概要:クライアントの要望に基づき、業務システムの設計・開発・運用保守を担当する。
具体的業務内容

  • 顧客要件に基づく業務システムの要件定義
  • Java、Python等を用いたシステム開発
  • データベース設計・運用(MySQL、PostgreSQL等)
  • 運用マニュアルの作成および保守作業
  • チーム内ミーティングおよび進捗管理

記入例:貿易事務(国際業務)の場合

職種名:貿易事務
業務概要:海外取引先との貿易に関する書類作成、出荷管理、通関手続きのサポートを行う。
具体的業務内容

  • インボイス・パッキングリストなどの貿易書類の作成(英語)
  • 船会社・フォワーダーとの出荷調整
  • 海外取引先とのメール・電話対応(英語)
  • 通関書類の確認および乙仲との連携
  • ERPシステム(SAP等)での在庫管理・受注入力

書き方の注意点

NG例

  • 「幅広い業務を担当」→ 具体性がなく不許可リスク高
  • 「営業サポート、電話応対、顧客対応など」→ 単純労働と誤認される恐れ
  • 「日本語能力に不安があるが、外国人枠として採用」→ 理由にならない

OK例

  • 「国際取引における英文契約書の翻訳および交渉支援」→ 専門性明示
  • 「機械設計CAD(SolidWorks)を使用した設計業務」→ 技術系で明確

審査に強い職務内容を書くためのポイント

  1. 「誰が見ても具体的に想像できる」記載を心がける
  2. 学歴・職歴と業務内容の一貫性を持たせる
  3. 会社概要書や雇用理由書と内容を一致させる
  4. 単純労働と誤解されないように表現する

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まとめ|職務内容は「審査官に伝わる表現」で!

技術・人文知識・国際業務ビザの審査において、職務内容の記載は最重要項目の一つです。自社で行っている業務を客観的かつ論理的に記載することで、審査官に「この業務は適正だ」と伝えることができます。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法