特定技能1号の試験内容とは?合格するための完全ガイド

1,はじめに:特定技能1号とは?

「特定技能1号」は、2019年4月に創設された在留資格で、日本で深刻化する人手不足に対応するために設けられた制度です。特定の分野において一定の技能と日本語能力を持つ外国人が、日本国内で就労することを目的としています。

この記事では、特定技能1号の試験内容、合格対策、そして試験日程などの最新情報を詳しく解説します。


2,特定技能の対象となる業種(分野)

2025年時点では、特定技能の対象分野は16分野に拡大されています。

以下に、現在の特定技能の対象となる16分野と、それぞれの主な業務内容を挙げます。

  1. 介護
    • 身体介護(入浴、食事、排泄等の介助)、生活援助(清掃、洗濯、調理等)など
  2. ビルクリーニング
    • 建築物内部の清掃作業全般
  3. 工業製品製造業(旧:素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)
    • 鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、溶接、塗装、仕上げ、電気機器組立て、電子機器組立て、プリント配線板製造、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、工業包装、工業板金、機械保全、プラスチック成形、紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、陶磁器製品製造、紡織製品製造、縫製、RPF製造、印刷・製本など
  4. 建設
    • 型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、内装仕上げ、とび、石工、電気工事、鉄骨施工、タイル施工、配管、熱絶縁、計装、築炉など
  5. 造船・舶用工業
    • 溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立てなど
  6. 自動車整備
    • 自動車の日常点検、定期点検、分解整備など
  7. 航空
    • 空港グランドハンドリング(航空機誘導、手荷物・貨物取扱等)、航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)
  8. 宿泊
    • フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど
  9. 農業
    • 耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)、畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)
  10. 漁業
    • 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索・採捕、漁獲物の処理・保蔵等)、養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収穫・処理等)
  11. 飲食料品製造業
    • 飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生管理
  12. 外食業
    • 飲食物の調理、接客、店舗管理など
  13. 自動車運送業(2024年3月追加)
    • バス運転者、タクシー運転者、トラック運転者
  14. 鉄道(2024年3月追加)
    • 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員(運転士、車掌、駅係員)
  15. 林業(2024年3月追加)
    • 育林(地拵え、植栽、下刈り、間伐等)、素材生産(伐採、搬出等)、林業用種苗の育成(育苗)
  16. 木材産業(2024年3月追加)
    • 製材、木材加工

なお、将来的には2027年頃の運用開始を目指し、新たに「倉庫管理」「廃棄物処理」「リネン供給」の3分野が追加され、合計で19分野になる方針が示されています。


3,特定技能1号 試験内容の概要

① 技能試験(分野別技能評価試験)

各分野で必要とされる実務的なスキルを評価する試験です。試験内容は業種ごとに異なりますが、主に以下の形式で行われます:

  • 筆記試験(多肢選択式)
  • 実技試験(シミュレーション・作業試験)

たとえば、介護分野ではベッドメイキングや車椅子の介助方法など、外食業分野では調理器具の扱いや衛生管理に関する問題が出題されます。

② 日本語試験

以下2つのいずれかに合格すれば日本語能力要件を満たします:

  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上

JLPTは年2回開催、JFT-Basicは年間を通じて複数回実施されています。


4,試験対策のポイント

①出題範囲を確認する

各分野の試験には公式ガイドラインが存在します。例えば、特定技能介護試験の学習用資料は厚生労働省の公式サイトからダウンロード可能です。

👉【外部リンク】厚生労働省|特定技能評価試験

② 模擬試験を活用する

過去問題や模擬問題を使って、本番と同じ形式の問題に慣れておくことが重要です。「特定技能 模擬試験 無料」などで検索すると、オンライン上で多くの練習問題が見つかります。

③日本語の基礎力を高める

JFT-BasicやJLPT対策として、語彙、文法、読解、聴解の4技能をバランスよく学習しましょう。特にひらがな・カタカナの読み書き日常会話の理解は必須です。


5,受験方法と申込み手順

  • オンライン申し込みが主流です(各試験機関の公式サイトから)。
  • 日本国内外で受験可能。
  • 試験料は3,000円〜9,000円程度(分野により異なる)。
  • 受験言語は一部英語対応あり(分野による)。

6,合格後の流れ

特定技能1号試験に合格した後は、在留資格の申請が必要です。以下のステップで進みます:

  1. 試験合格証明書の取得
  2. 就労先企業の決定
  3. 在留資格「特定技能1号」の申請(出入国在留管理庁へ)

7,よくある質問(FAQ)

Q1. 試験に年齢制限はありますか?

A. 原則として年齢制限はありませんが、就労可能な年齢である必要があります。

Q2. 不合格の場合、再受験できますか?

A. はい。何度でも受験可能です。試験日程を確認して再挑戦しましょう。

Q3. 試験はどこで受けられますか?

A. 日本国内だけでなく、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどの海外会場でも実施されています。


8,まとめ:特定技能1号の試験合格はしっかりした準備がカギ!

特定技能1号は日本で働きたい外国人にとって大きなチャンスです。試験内容をしっかり理解し、計画的に学習を進めれば、合格は十分に可能です。この記事を参考に、ぜひ合格を目指してください!


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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