専門学校卒業者が技術・人文知識・国際業務ビザを取得するための注意点
目次
専門学校卒業でも技人国ビザは取得可能?
日本の**専門学校(専修学校専門課程)**を卒業した外国人留学生は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国ビザ)を取得することが可能です。しかし、すべての専門学校卒業者が対象となるわけではありません。
本記事では、専門学校卒業者が技人国ビザを申請する際に注意すべきポイントを、法的要件を踏まえてわかりやすく解説します。
技人国ビザとは?
技人国ビザは、「技術」「人文科学」「国際業務」の3分野に該当する職種に就く外国人に付与される就労可能な在留資格です。
詳しくは:在留資格「技術・人文知識・国際業務」(出入国在留管理庁)
1.専門学校卒業者が対象となる要件
文部科学大臣認定の「専門士」の称号が必要
在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請するためには、専門学校の「専門士」課程を修了している必要があります。
以下の要件を満たすことが前提です。
要件 | 内容 |
---|---|
修了課程 | 文部科学大臣が認定する2年以上の課程(専門士付与) |
総授業時間 | 1,700時間以上(※授業出席率も重視) |
専門性 | 就職先の業務内容と学んだ内容が関連していること |
注意:高等課程(高卒相当)や専門士でないコースは対象外です。
2.就職先の業務と専攻内容の関連性がカギ
技人国ビザは「学んだ内容と業務が関連していること」が前提です。
【例】申請が認められるケース:
- 専門学校で情報処理を学び、IT企業でプログラマーとして就職
- 専門学校で会計・ビジネスを学び、商社の経理部門に配属
【例】認められにくいケース:
- 調理系専門学校卒業 → 通訳職に内定(関連性が不十分)
- 美容専門学校卒業 → 貿易事務(職務内容に関連なし)
3.就職先企業にも審査がある
安定・継続性のある企業が前提
入管は、企業側にも以下のような基準を審査します。
- 雇用契約の内容(給与、労働条件)
- 経営の安定性
- 外国人雇用の実績やサポート体制
特に中小企業やベンチャー企業では、会社側の書類不備や説明不足で不許可になるケースもあるため注意が必要です。
関連記事:就労ビザの企業側要件とは?採用前に知っておくべきポイントを徹底解説
4.在学中の出席率・成績もチェックされる
専門学校在学中の出席率や成績は、在留審査で非常に重要です。
特に、出席率が80%未満の場合、「真面目に学んでいない」と判断される恐れがあります。
【対策ポイント】
- 出席率:最低でも90%を目指す
- 成績:GPA2.5以上が望ましい
- 欠席理由がある場合は医師の診断書などを提出
5.アルバイトの違法就労があると不許可に
技人国ビザの審査では、過去の在留状況も厳しく審査されます。
以下に該当する場合は、不許可リスクが高まります:
- 許可外活動時間(週28時間)を超えてアルバイト
- 資格外活動許可なしでの就労
- 風俗営業・パチンコ店など違法業種での勤務
6.申請書類の不備や説明不足もNG
専門学校卒業生の申請では、「なぜこの仕事に就くのか」「どのように勉強が役立つのか」といった**理由書(説明資料)**が求められることがあります。
【添付が推奨される資料】
- 学歴と職務の関連性を説明した書類
- 専門学校の成績証明書・卒業証明書
- 内定通知書
- 雇用契約書
- 企業パンフレットや事業内容説明書
▶ 関連記事:技術・人文知識・国際業務ビザの申請に必要な書類一覧と取得のポイント
7.行政書士などの専門家に相談を
専門学校卒業後すぐに申請する場合、学歴と職種の関連性の説明が不十分なことで不許可になることも少なくありません。
専門家に依頼するメリット:
- 書類の不備リスクを減らせる
- 入管への適切な説明資料を作成できる
- 不許可後の対応・再申請の支援も可能
まとめ|専門学校卒でも技人国ビザ取得は可能。準備がカギ!
専門学校卒業者であっても、以下を満たしていれば技術・人文知識・国際業務ビザを取得することは十分可能です。
- 専門士の称号あり(認定課程修了)
- 専攻内容と就職先の業務が関連している
- 出席率・成績が良好
- 法令違反のない留学生活
- 雇用先企業が適切にサポート
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |