資格外活動許可なしで働くとどうなる?在留資格違反のリスク徹底解説
日本で外国人が就労する場合、原則として「在留資格」に基づいた活動しか許されていません。特に学生ビザ(留学ビザ)や文化活動ビザで働く場合、「資格外活動許可」を取得していない状態で働くことは、在留資格違反にあたり重大なリスクを伴います。本記事では、資格外活動許可なしで働く場合の法的リスク、実務上の注意点、処分事例、さらに安全に働く方法まで詳しく解説します。
目次
1. 資格外活動許可とは
「資格外活動許可」とは、現在保有している在留資格では認められていない活動(就労など)を、法務省に申請して許可を受ける制度です。
- 学生ビザでのアルバイト
- 文化活動ビザでの報酬を伴う活動
など、原則として就労が認められていない活動を行う際に必要です。
許可を受けずに働くことは、法律上 「資格外活動」 とされ、在留資格違反の対象になります。
2. 許可なしで働くとどうなるか
資格外活動許可を取得せずに働いた場合、以下のリスクがあります。
- 在留資格違反となる
- 留学ビザ・文化活動ビザなどでは、無許可での就労は違反です。
- 違反が確認されると、在留資格の取消・退去強制の対象になる場合があります。
- 在留資格更新・変更に影響
- 更新申請時に過去の違反歴がチェックされ、更新不可や短期更新のリスクが生じます。
- 永住申請や配偶者ビザ取得への影響
- 永住申請では、「過去の在留資格違反がないこと」が重要です。
- 違反歴がある場合、申請の審査が厳しくなります。
3. 在留資格違反のリスク詳細
在留資格違反の例
| 在留資格 | 違反行為の例 | リスク |
|---|---|---|
| 留学ビザ | コンビニでアルバイト | 在留資格取消・退去強制 |
| 文化活動ビザ | 文化活動の報酬を得る | 在留資格取消・更新拒否 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 許可外の業務に従事 | 業務停止命令・罰金 |
違反が発覚するパターン
- 税務署への所得申告
- 雇用先からの通報
- 入国管理局の定期チェック
注:資格外活動許可を得ずに働くことは、たとえ短期間のアルバイトでも立派な違反行為です。
4. 行政処分・刑事罰の可能性
資格外活動で働いた場合、以下のような処分があり得ます。
行政処分
- 在留資格取消
- 退去強制(強制送還)
- 在留資格更新拒否
刑事罰
- 不法就労助長罪の適用(雇用者に刑事責任が生じる場合もあります)
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(出典:出入国管理及び難民認定法 第73条)
※資格外活動許可がないまま働く外国人本人は、直接的な刑事罰の対象にはなりにくいですが、在留資格取消や強制退去が現実的リスクです。
5. 影響を受ける在留資格更新・永住申請
資格外活動違反は、次のように将来の手続きに影響します。
- 在留資格更新時
- 違反歴があると更新不可、または短期更新の対象に。
- 更新時に過去の就労状況を正直に申告する必要があります。
- 永住申請時
- 「良好な在留歴」が要件のひとつ。
- 違反歴は審査でマイナス評価になります。
- 配偶者ビザ・特定技能ビザ取得時
- 違反歴は信頼性に影響し、許可が下りにくくなります。
6. 資格外活動許可の申請方法
資格外活動許可は、以下の手順で申請できます。
- 必要書類の準備
- 在留カード
- パスポート
- 資格外活動予定の内容・勤務先情報
- 学生ビザの場合は在学証明書
- 入国管理局への提出
- 提出先:管轄の地方出入国在留管理局
- 手数料:無料
- 許可取得後の就労開始
- 許可書に記載された範囲内で働くことが可能
- 例:週28時間以内(学生ビザの場合)
7. 安全に働くためのポイント
- 必ず資格外活動許可を取得する
- 勤務時間・業務内容を守る
- 複数のアルバイト先を持つ場合も許可範囲を確認する
- 税務申告も正しく行う
8. Q&A:よくある疑問
Q1:短時間ならバレないのでは?
- 短時間でも在留資格違反です。税務署や雇用先からの通報、入管調査で発覚する可能性があります。
Q2:資格外活動許可は学生だけですか?
- 留学生以外にも、文化活動ビザなど就労不可の在留資格保持者が対象です。
Q3:違反が見つかってしまった場合は?
- 正直に申告し、今後の再発防止を示すことが重要です。行政処分の軽減につながる場合があります。
Q4:アルバイトでなく報酬を伴うボランティアも違反ですか?
- 報酬が発生する場合は資格外活動にあたり、許可が必要です。
9. まとめ
- 資格外活動許可なしでの就労は在留資格違反
- 違反すると在留資格取消・更新拒否・強制退去のリスク
- 将来の永住申請や配偶者ビザ取得にも影響
- 必ず資格外活動許可を取得し、許可範囲内で働くことが重要
安全に働くためには、事前申請と法令遵守が必須です。将来の在留資格や永住申請を見据え、資格外活動のルールを正しく理解しましょう。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

