外国人留学生のインターンシップに資格外活動許可は必要?包括許可・個別許可の違いも解説

日本で留学中の外国人学生にとって、インターンシップはキャリア形成や就職活動に不可欠な経験です。しかし、在留資格「留学」で日本に滞在している場合、インターンシップに参加する際には「資格外活動許可」が必要かどうか、そしてその種類(包括許可・個別許可)によって手続きや条件が変わります。本記事では、留学生が安全にインターンシップに参加するためのルールや申請手順、注意点を詳しく解説します。


資格外活動許可とは何か

資格外活動許可とは、在留資格の範囲外の活動(就労など)を行う場合に、入国管理局から取得する必要がある許可です。

  • 対象者:在留資格「留学」の外国人学生
  • 目的:学業以外の活動(アルバイト・インターンシップなど)を合法的に行うこと
  • 法的根拠:出入国管理及び難民認定法(入管法)

資格外活動許可なしで活動を行うと、不法就労と見なされ、在留資格更新や将来の就労ビザ取得に影響する場合があります。

参考リンク: 出入国在留管理庁「資格外活動」


外国人留学生のインターン参加に関する基本ルール

留学生が日本でインターンシップに参加する際の基本ルールは以下の通りです。

  1. 在留資格「留学」での制限
    • 学業が中心であり、原則として就労は制限されています。
    • 報酬の有無にかかわらず、学業に支障を及ぼさない範囲での活動が前提です。
  2. 学校のカリキュラムに含まれるインターン
    • 大学や専門学校が主催する単位認定インターン(授業の一環として行う実習)は、資格外活動許可が不要の場合があります。
  3. 報酬の有無
    • 無報酬の場合:学校の指導下であれば資格外活動許可は不要
    • 有報酬の場合:原則として資格外活動許可が必要

包括許可と個別許可の違い

資格外活動許可には 包括許可(一般許可)個別許可 の2種類があり、インターン参加での手続きや条件に影響します。

許可の種類内容インターンへの適用
包括許可在留カードに資格外活動が可能と明記される許可。留学生の多くが対象学期中の有給アルバイトや短期インターンも週28時間以内であれば申請不要で参加可能
個別許可申請ごとに活動内容・期間を指定して取得する許可長時間の有報酬インターンや特殊な業務など、学業に影響する活動の場合に必要

違いのポイント

  1. 包括許可
    • 多くの留学生は在留カードに「資格外活動許可済み」と記載されます。
    • 週28時間以内の有給インターンなら、個別申請なしで活動可能です。
    • 申請手続きが簡単で、学校や企業側の確認も容易です。
  2. 個別許可
    • 学業に支障を及ぼす長時間・特殊業務のインターンなどの場合に必要です。
    • 活動内容や期間を申請書に明記し、入管の許可を得る必要があります。
    • 許可が下りるまで活動開始できません。

資格外活動許可が必要なケースと不要なケース

資格外活動許可の要不要は、活動内容・報酬の有無・学校の関与によって変わります。

ケース許可の必要性備考
大学カリキュラムに含まれる無給インターン不要教育活動の一環として認められる
大学カリキュラムに含まれる有給インターン必要報酬があるため、資格外活動許可が必要
学校とは関係ない企業インターン(有給)必要在留資格外の就労として扱われる
学校とは関係ない企業インターン(無給)原則不要学業に支障がない範囲であれば許可不要の場合あり

資格外活動許可の申請方法

  1. 必要書類の準備
    • 資格外活動許可申請書(出入国在留管理庁HPで入手可能)
    • パスポート
    • 在留カード
    • 学校の在学証明書
    • 企業や団体からの活動内容証明書
  2. 申請窓口
    • 在留地の入国管理局
    • 郵送での申請が可能な場合もあります(地域による)
  3. 審査期間
    • 通常1〜2週間程度
    • 繁忙期はさらに時間がかかる場合があります
  4. 許可の条件
    • 学期中:週28時間以内
    • 長期休暇中:1日8時間以内

インターンシップでの労働時間・報酬に関する注意点

  1. 労働時間制限
    • 学期中:週28時間以内
    • 長期休暇中:1日8時間以内
    • 違反すると不法就労として取り扱われる可能性があります
  2. 報酬の扱い
    • 有報酬のインターンは必ず許可申請が必要
    • 無報酬でも交通費や謝礼は、学校や入管の指導に従うこと
  3. 就労内容
    • 学業に関連する業務が望ましい
    • 学業と無関係の長時間労働は避ける

よくあるQ&A

Q1. 学校カリキュラム外の無給インターンでも資格外活動許可は必要ですか?
A1. 学業に支障がない範囲であれば原則不要ですが、学校や入管に確認することを推奨します。

Q2. 許可が下りる前にインターンを始めても良いですか?
A2. 許可なしで活動することは違法になる可能性があります。必ず許可取得後に開始してください。

Q3. 長期インターンで週30時間働く場合はどうすればよいですか?
A3. 個別許可の申請が必要です。包括許可では学期中の週28時間を超える活動は認められません。

Q4. 有報酬か無報酬かの判断が曖昧な場合は?
A4. 交通費や少額謝礼でも有報酬とみなされる場合があります。必ず学校と入管に相談してください。


まとめ

外国人留学生が日本でインターンシップに参加する際は、以下をポイントに判断してください。

  • 学校カリキュラム内か外か → 学校指導下なら無報酬で資格外活動許可不要の場合あり
  • 報酬の有無 → 有報酬は原則許可必須
  • 包括許可と個別許可 → 週28時間以内の一般活動は包括許可でOK、長時間・特殊業務は個別許可
  • 労働時間制限 → 学期中は週28時間以内、休暇中は1日8時間以内

留学生が安心して合法的にインターンシップを経験するには、事前に学校と入管に確認し、適切に資格外活動許可を取得することが不可欠です。


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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
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