留学ビザから就労ビザへの変更手続き完全ガイド

はじめに

日本で学ぶ留学生にとって、卒業後に日本での就職を目指す際に必要となるのが 「留学ビザ(在留資格:留学)」から「就労ビザ」への変更手続き です。
しかし、在留資格変更の申請には厳格な要件や必要書類があり、十分な準備をせずに申請すると 不許可になるリスク もあります。

この記事では、行政書士として知見から、

  • 変更できる就労ビザの種類
  • 許可要件と審査ポイント
  • 必要書類と申請手続きの流れ
  • 不許可になりやすい事例と回避策

を徹底的に解説します。


1. 留学ビザから変更可能な就労ビザの種類

留学ビザから変更できる主な就労ビザは以下の通りです。

  • 技術・人文知識・国際業務ビザ
    最も一般的で、大学・専門学校を卒業した留学生が取得する就労ビザ。IT、経理、営業、通訳など幅広い職種が対象。
  • 高度専門職ビザ
    学歴・職歴・年収などのポイント制により優遇されるビザ。将来的に永住申請もしやすい。
  • 経営管理ビザ
    日本で会社を設立して経営者として活動する場合に必要。
  • 特定技能ビザ
    外食業や介護、宿泊など特定産業分野で働く場合に活用可能。
  • 特定活動46号ビザ
    N1保有かつ日本の大卒向けビザ。

2. 就労ビザ変更の基本要件

留学ビザから就労ビザへの変更では、以下の条件を満たす必要があります。

  • 学歴要件
    原則として、日本の大学・大学院・専門学校を卒業していること。
    (一部、高度な実務経験で学歴要件を代替できる場合あり)
  • 職務内容の適合性
    学んだ専門分野と就職先の業務内容に関連性があること。
  • 雇用契約の安定性
    フルタイム雇用であり、契約内容(給与・勤務時間等)が日本人と同等であること。
  • 素行・生活要件
    過去に不法就労や資格外活動違反がないこと。

3. 在留資格変更の審査で重視されるポイント

入管は申請書類を通じて、以下の観点を重点的に審査します。

  • 学歴と業務内容の関連性
  • 会社の経営状況・継続性
  • 給与水準が生活できるだけ十分であるか
  • 在学中の素行(アルバイト違反や学業成績など)

特に、「専攻と職務内容のミスマッチ」 は不許可の大きな原因となります。


4. 必要書類一覧と準備の注意点

主な必要書類は以下の通りです。

  • 在留資格変更許可申請書(入管局で入手可能)
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 雇用契約書または内定通知書
  • 卒業証明書・成績証明書
  • 会社の登記事項証明書
  • 会社案内・決算書類(場合により)
  • 在留カード・パスポート

参考リンク: 出入国在留管理庁 |在留資格変更許可申請


5. 申請手続きの流れ(ステップごと解説)

  1. 内定獲得(就職活動中の資格外活動許可が必要)
  2. 必要書類の準備(学校・会社から取り寄せ)
  3. 在留資格変更許可申請の提出(地域の入管局へ)
  4. 審査(1〜3か月)
  5. 結果通知・新しい在留カードの受領

6. 不許可になりやすいケースとその回避方法

  • 専攻と無関係な職務での申請
    ➡ 会社業務との関連性を説明する補足資料を準備
  • 給与が低すぎる(年収200万円以下など)
    ➡ 日本人新卒と同等水準であることを提示
  • 会社が設立間もない・赤字決算
    ➡ 事業計画書や財務資料を補足提出

7. 留学ビザからの就労ビザ変更に関するQ&A

Q1. 専門学校を中退した場合でも就労ビザは取れますか?
→ 原則不可。ただし、特定技能や高度な実務経験があれば別の就労ビザを検討できます。

Q2. 卒業前に内定が出たらいつから申請できますか?
→ 卒業見込み証明書があれば申請可能です。

Q3. 内定取り消しになった場合はどうなりますか?
→ 新たな就職先を見つけて再申請が必要です。放置すると在留資格が失効する恐れがあります。


8. 専門家に依頼するメリット

ビザ申請は自分で行うことも可能ですが、専門家に依頼することで以下のメリットがあります。

  • 不許可リスクを下げられる
  • 書類作成や会社との調整がスムーズ
  • 入管への対応や追加資料提出を代行

9. まとめ

留学ビザから就労ビザへの変更は、就職活動の最終ステップであり、今後の日本でのキャリアに直結する重要な手続きです。
要件を満たしていても、書類の不備や説明不足で不許可となるケースは少なくありません。

確実に許可を得るためには、

  • 学歴と業務の関連性を明確にする
  • 安定した雇用契約を示す
  • 専門家のアドバイスを活用する

ことが成功のカギとなります。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法