【完全ガイド】「漁業」分野の特定技能2号とは?取得要件・メリット・注意点を徹底解説

はじめに

日本の水産業は高齢化や人手不足が深刻化しており、外国人材の活用は欠かせない課題となっています。その中で注目されているのが、特定技能制度です。とくに「漁業」分野では、2024年以降、特定技能2号への移行が可能となり、長期的な人材確保に大きな期待が寄せられています。

本記事では、「漁業」分野の特定技能2号について、取得要件・メリット・注意点を徹底解説します。


特定技能2号とは?

制度の概要

特定技能は、外国人が日本で働くための新しい在留資格で、特定技能1号特定技能2号の2段階があります。

  • 特定技能1号:16分野で認められ、在留期間は通算5年まで。家族帯同は不可。
  • 特定技能2号:現在は「建設」「造船・舶用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」「農業」「飲食料品製造」「外食業」「漁業」など11分野で認められ、在留期間の上限なし・家族帯同可能

漁業分野での特定技能2号

漁業は2024年に特定技能2号の対象に追加されました。これにより、外国人労働者が単なる一時的な労働力ではなく、日本の漁業を支える長期的な人材として活躍できる道が開かれました。


特定技能2号(漁業)の取得要件

1. 特定技能1号での就労実績

漁業分野で特定技能2号を取得するためには、まず特定技能1号として一定期間働くことが前提となります。具体的には、技能レベルや日本語能力が十分であることを示す必要があります。

2. 技能試験の合格

特定技能2号に移行するためには、漁業技能に関する試験に合格する必要があります。この試験は、漁労技術や漁船の安全運行に関する知識・技能が問われます。

3. 一定の就労経験

技能実習や特定技能1号での経験が考慮され、熟練した技能を有しているかが審査されます。

4. 在留資格変更許可申請

条件を満たした上で、入管に対して在留資格変更許可申請を行います。この際、所属する漁業組合や雇用主の協力も不可欠です。


特定技能2号(漁業)のメリット

1. 在留期間の上限なし

特定技能1号は最長5年までですが、特定技能2号は在留期間に上限がなく、更新を続ければ長期滞在可能です。

2. 家族帯同が可能

特定技能1号では認められていない配偶者や子供の帯同が可能となります。これにより、外国人労働者が安心して日本で生活基盤を築くことができます。

3. キャリアアップが可能

単純労働ではなく、熟練技能者として漁業分野の中核を担う人材として認められます。これにより、雇用主側も安定的な労働力を確保できます。

4. 永住申請への道

特定技能2号で長期間就労することは、将来的な永住申請の条件を満たす一助となります。外国人労働者にとって大きなメリットです。


特定技能2号(漁業)の注意点

1. 技能水準の高さが求められる

特定技能2号は「熟練技能者」として位置づけられるため、高度な知識・技術が求められます。1号から自動的に移行できるわけではなく、試験や審査を通過する必要があります。

2. 試験制度の整備状況

漁業分野の試験は新しい制度のため、実施回数や試験内容が不定期に変更される可能性があります。常に最新情報をチェックすることが重要です。

3. 受け入れ企業の責任

特定技能2号の受け入れにあたっては、雇用主にも責任が伴います。労働条件の遵守や生活支援が求められるため、受け入れ体制の整備が不可欠です。

4. 永住権取得には別途条件がある

特定技能2号で長期就労できるとはいえ、永住権取得には収入要件・納税状況・素行要件など、追加の条件を満たさなければなりません。


よくある質問(Q&A)

Q1. 特定技能1号から2号への移行はすぐできますか?

A. いいえ。一定の技能経験や試験合格が必要です。短期間での移行は難しい場合があります。

Q2. 家族を呼ぶ場合、必要な収入要件はありますか?

A. はい。帯同する家族を養える十分な収入があることが条件となります。生活保護に頼らず生活できることが必要です。

Q3. 永住申請は特定技能2号で可能ですか?

A. 可能ですが、永住権の取得には10年以上の在留歴や安定した収入など、別途条件が求められます。

Q4. 漁業分野で働く外国人はどんな仕事をしますか?

A. 主に漁船での漁労作業や、水揚げ・仕分け・出荷準備などに従事します。特定技能2号では、より高度な操業管理や技術を担います。

Q5. どこで試験情報を確認できますか?

A. 出入国在留管理庁の公式サイトや、水産庁・漁業関連団体のホームページで最新情報を確認できます。


専門家からのアドバイス

特定技能2号(漁業)は、日本の漁業の未来を支える重要な制度ですが、制度自体が新しく、情報が流動的です。専門の行政書士など詳しい専門家に相談することで、確実な手続きを進めることができます。


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参考リンク


まとめ

「漁業」分野の特定技能2号は、在留期間の制限がなく、家族帯同も可能という大きなメリットがあります。一方で、高度な技能が求められるため、誰でも簡単に取得できるわけではありません。試験や在留資格変更手続きには入念な準備が必要です。

日本の漁業を支える外国人材にとって、特定技能2号はキャリアアップと安定した生活を実現する大きなチャンスです。制度を正しく理解し、適切に手続きを進めていきましょう。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法