【完全ガイド】「航空」分野の特定技能ビザ更新手続きと必要書類まとめ


はじめに

日本の航空業界は、パイロットや整備士といった高度専門職だけでなく、地上業務(グランドハンドリング、航空機整備補助、旅客サービスなど)においても外国人材の受け入れが進んでいます。
特に 「特定技能ビザ(航空分野)」 は、慢性的な人材不足を補うために導入された制度であり、多くの外国人が日本の空港で活躍しています。

この記事では、特定技能ビザを「航空」分野で取得して働く方がスムーズに在留を継続できるよう、
・更新手続きの流れ
・必要書類の一覧
・注意点と不許可リスク
・よくある質問(Q&A)
を徹底解説します。

本記事は、信頼性の高い情報をお届けするため、出入国在留管理庁の公式情報や関連法令に基づき解説します。


1. 特定技能ビザ「航空」分野とは?

1-1 航空分野の対象業務

航空分野の特定技能1号では、以下のような業務が対象となります。

  • 空港グランドハンドリング業務(手荷物・貨物の搭降載、航空機牽引、給油など)
  • 航空機整備補助業務(整備士の指示に基づく部品交換・検査補助など)

旅客対応や専門的な整備業務そのものは「特定技能」の対象外ですが、空港運営に不可欠なサポート業務が認められています。

1-2 在留期間

特定技能1号は最長 1年/6か月/4か月ごとの更新 が可能で、通算 5年間まで 在留できます。
したがって、更新申請は在留継続のための重要な手続きです。


2. 「航空」分野 特定技能ビザの更新要件

更新申請では、単に期間を延長するだけではなく、次の要件を満たす必要があります。

2-1 就労継続の要件

  • 引き続き航空分野の適法な業務に従事していること
  • 受入機関(航空会社・空港関連企業)が法令遵守していること

2-2 技能試験・日本語試験

  • 初回取得時に必要な「技能試験」「日本語試験」を更新時に再受験する必要はありません。
  • ただし、技能水準を維持し続けていることが前提となります。

2-3 納税・社会保険

  • 所得税・住民税を適切に納付していること
  • 健康保険・厚生年金に加入していること

2-4 素行要件

  • 違反歴(交通違反・不法就労・不正行為)がないこと

3. 特定技能「航空」ビザ 更新手続きの流れ

更新は 在留期限の2〜3か月前から申請可能 です。

ステップ1|必要書類の準備

本人・受入機関双方が書類を準備します。

ステップ2|入管への申請

地方出入国在留管理局に「在留期間更新許可申請」を提出。

ステップ3|審査

通常 1〜3か月程度。受入機関の体制や本人の状況によって異なります。

ステップ4|結果通知

許可されれば、新しい在留カードが交付されます。


4. 更新に必要な書類一覧(航空分野)

4-1 本人が用意する書類

  • 在留期間更新許可申請書(様式)
  • パスポート・在留カード
  • 顔写真(4cm×3cm)
  • 住民票
  • 納税証明書(住民税の課税証明・納税証明)

4-2 受入機関が用意する書類

  • 雇用契約書の写し
  • 支援計画書(更新後も有効であることを確認)
  • 労働条件通知書
  • 受入機関の登記事項証明書
  • 法人税納税証明書

4-3 特定技能所属機関の体制証明

  • 法令遵守状況報告書
  • 外国人支援体制の継続証明

書類不備や不足があると審査が長期化し、不許可のリスクも高まります。


5. 更新時の注意点と不許可リスク

5-1 更新できないケース

  • 航空業務以外の仕事をしている
  • 受入機関が倒産・不法行為をしている
  • 納税義務を果たしていない
  • 虚偽の書類を提出した

5-2 実務上の注意点

  • 期限ギリギリではなく、2か月前に申請 しておく
  • 転職する場合は「変更申請」が必要で、単なる更新では不可

6. 更新申請後の生活・就労

申請中は 特例期間(みなし在留資格) が適用されるため、在留カードの期限が切れても合法的に働き続けられます。ただし、申請取下げや不許可になると即時帰国が必要となる場合があるので注意してください。


7. 永住・キャリアアップの可能性

航空分野で特定技能1号を続けていけば、特定技能2号への移行することが可能 です。
そのため、特定技能2号に移行することによって、原則10年在留の永住許可要件を充たすことが出来ます。


8. よくある質問(Q&A)

Q1. 航空分野の特定技能1号ビザは最長何年まで更新できますか?
A1. 通算5年間までです。それ以降は延長できません。

Q2. 更新申請中に働き続けることはできますか?
A2. はい。「みなし在留資格」により合法的に就労可能です。

Q3. 不許可になった場合はどうなりますか?
A4. 在留資格を失うため、速やかに帰国する必要があります。再申請も可能ですが難易度は高まります。

Q4. 永住申請は可能ですか?
A5. 航空分野の特定技能1号だけでは難しいですが、特定技能2号に移行し、在留要件を満たせば可能です。


まとめ

「航空」分野における特定技能ビザ更新は、単なる延長ではなく、適法な就労・納税・受入機関の体制維持 が求められます。
適切な準備を怠らなければ更新は可能ですが、期限管理や書類不備が最大の落とし穴です。

航空業界でのキャリアを継続したい外国人にとって、更新手続きは将来のキャリア形成に直結する重要なステップです。
不安がある場合は、入管業務に精通した行政書士に相談すること をおすすめします。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法