特定技能ビザを「航空」分野で取得するための要件とは?徹底解説【完全ガイド】

はじめに

日本の航空業界は、訪日外国人観光客の増加や物流需要の拡大に伴い、グランドハンドリング業務航空整備支援などの現場で人材不足が深刻化しています。
この課題に対応するため、2019年に新設された在留資格「特定技能」の対象分野に**「航空」**が加わりました。

この記事では、

  • 特定技能(航空分野)の対象となる業務内容
  • 在留資格を取得するための要件
  • 試験制度や日本語能力要件
  • 在留期間や家族帯同の可否
  • 他分野からの移行可能性

などを、最新情報を踏まえて詳しく解説します。


特定技能「航空」分野とは?

特定技能ビザは、日本で人手不足が特に深刻な産業分野に限定して認められる在留資格です。
そのうち「航空」分野は、主に空港や航空会社の地上業務を担うグランドスタッフ・整備補助員などを対象としています。

対象となる業務

国土交通省が定める「特定技能(航空分野)」の業務範囲は以下の通りです。

  1. グランドハンドリング業務
    • 手荷物・貨物の搭降載(積み込み・積み下ろし)
    • 航空機の地上移動補助
    • 客室清掃
    • 搭乗案内やゲート業務の補助
  2. 航空機整備補助
    • 整備士の補助業務(工具の準備、部品交換の補助など)

これらの業務は安全性に直結するため、一定の技能試験と日本語能力が求められています。


特定技能ビザ「航空分野」を取得するための要件

特定技能ビザを取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

① 技能水準の証明

航空分野では、以下の方法で技能を証明する必要があります。

  • 特定技能評価試験(航空分野技能測定試験)に合格すること
    出題範囲はグランドハンドリングや航空整備補助に関する知識・技能。
  • 技能実習2号を良好に修了していること
    航空分野の技能実習経験者であれば、試験免除で特定技能へ移行可能。

② 日本語能力水準

外国人労働者が日本の現場で安全に業務を遂行するため、一定の日本語能力が必要です。

  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)合格

を満たす必要があります。

③ 雇用契約要件

特定技能ビザを取得するには、日本国内の受入機関(航空会社やグランドハンドリング会社など)と雇用契約を結ぶ必要があります。

契約内容は以下を満たさなければなりません。

  • 日本人と同等以上の報酬水準
  • 社会保険加入義務を遵守
  • 適切な労働時間・休日の確保

④ 支援体制

受入機関は、外国人労働者の生活・就労支援を行う義務があります。
例:生活オリエンテーション、日本語学習支援、住居確保サポートなど。


特定技能「航空」分野の在留資格の特徴

在留期間

  • 在留期間は 1年、6か月、4か月 のいずれかで更新可能。
  • 通算で 最長5年間 まで在留できます。

家族帯同の可否

  • 特定技能1号では家族帯同は原則不可
  • ただし、将来的に特定技能2号が航空分野に拡大された場合、帯同が可能になる可能性があります。

移行の柔軟性

  • 航空分野から、他の特定技能分野へ移行することも可能。
  • 技能実習からの移行も広く認められているため、キャリアパスが明確です。

特定技能「航空」分野の取得プロセス

  1. 雇用先(航空会社・地上支援会社)を探す
  2. 技能試験・日本語試験に合格
  3. 雇用契約の締結
  4. 在留資格認定証明書(COE)の申請
  5. 入国・在留資格取得

航空業界では特に「技能実習から特定技能への移行」が多いため、すでに日本で働いている外国人にとってはスムーズなキャリアアップが可能です。


よくある質問(Q&A)

Q1. 航空分野の特定技能試験はどこで受けられますか?
A. 日本国内および一部の海外拠点で実施されています。国土交通省や試験実施機関の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

Q2. 日本語能力がN5でも取得できますか?
A. 原則としてN4以上が必要です。安全性が求められる業務のため、最低限の日本語会話力が必須です。

Q3. 家族を呼び寄せることはできますか?
A. 特定技能1号では不可です。ただし、特定技能2号に移行することで帯同が可能になります。

Q4. 航空分野から永住権を取得できますか?
A. 特定技能1号は「一時的な労働力確保」を目的とした資格であるため、直接永住申請はできません。ただし、将来的に特定技能2号に移行すれば、永住申請が可能です。


まとめ

  • 特定技能「航空」分野は、グランドハンドリング業務や整備補助が対象
  • 取得には 技能試験合格または技能実習修了、日本語N4以上 が必須
  • 在留期間は最長5年、家族帯同は不可
  • 航空業界の人材不足を背景に、今後ますます需要が高まる見込み

航空分野で働きたい外国人にとって、特定技能ビザは日本での就労機会を広げる重要な制度です。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法