特定技能ビザを「素形材産業」分野で取得するための要件|技能試験・協議会加入・企業条件を徹底解説
日本の製造業では、慢性的な人手不足を背景に、**「特定技能ビザ(製造業分野)」**による外国人材の受け入れが進んでいます。中でも、「素形材産業」(現:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野)は、特定技能制度の重要な対象業種の一つです。
本記事では、特定技能ビザを「素形材産業」分野で取得するための要件を、企業側・外国人側の条件に分けて詳しく解説します。
目次
特定技能「素形材産業」ビザとは?
特定技能ビザ(1号)は、一定の技能水準と日本語能力を有する外国人材が、日本の産業分野で就労できる在留資格です。素形材産業分野は、金属加工・鋳造・めっきなどの製造業務を含む分野で、現在は**「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」**として統合されています。
1. 企業側の要件(受入企業)
① 対象業種に該当すること
受け入れ企業は、日本標準産業分類に基づく対象業種に属している必要があります。
主な対象業種は以下の通りです:
- 鋳型製造業/鉄素形材/非鉄金属素形材製造業
- 機械刃物・作業工具・配管工事用附属品製造業
- 金属熱処理・めっき・アルミニウム陽極酸化処理業
- 電子部品製造業・プラスチック成形業・工業用模型製造業
また、直近1年間に製造品出荷額や売上実績があることも求められます。
② 製造業特定技能協議会への加入
企業は**「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」**への加入が必須です。
- 在留資格申請前にオンライン加入
- 外国人入国後4ヶ月以内にも再度報告・手続きが必要
③ 支援体制の整備
外国人材の生活支援が義務付けられています。
- 住居確保、銀行口座開設支援
- 日本語学習支援、日常生活相談
- 同一労働同一賃金の遵守(日本人と同等以上の給与)
支援は登録支援機関に委託可能ですが、費用が発生します。
2. 外国人側の要件
① 技能評価試験に合格
対象業務に応じた**特定技能評価試験(学科+実技)**の合格が必要です。
例:鋳造試験、機械加工試験、電気機器組立試験 など
② 日本語能力試験(JLPT N4以上)
JLPT N4以上、または国際交流基金「JFT-Basic」A2レベルに合格することが要件です。
③ 技能実習2号修了者は試験免除
技能実習2号を良好に修了した場合、試験が免除されます。ただし、同一業務区分への移行が条件です。
3. 対象となる業務区分(2025年時点)
製造業特定技能分野は拡大され、以下の区分が対象です:
- 鋳造・鍛造・ダイカスト・金属プレス加工
- 電気電子機器組立て、プリント配線板製造
- 金属表面処理(めっき・アルミ酸化処理)
- プラスチック成形、溶接、鉄工 など
Q&A(よくある質問)
Q1. 技能実習2号修了者でも試験は必要?
A:不要です。ただし、実習時の職種と一致する分野でのみ免除されます。
Q2. 協議会加入はいつ行う?
A:在留資格申請前に加入し、入国後4ヶ月以内に報告手続きが必要です。
Q3. 外国人への給与は低めに設定できる?
A:できません。日本人と同等以上が義務付けられています。
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参考リンク
まとめ
特定技能ビザ「素形材産業」分野の取得には、
・ 企業側:対象業種、協議会加入、支援体制整備
・ 外国人側:技能試験、日本語試験、または技能実習修了
といった条件を満たす必要があります。
人材不足が深刻な製造業では、特定技能ビザは即戦力人材を確保できる重要な手段です。企業は要件を満たした上で、早めの準備を進めることが重要です。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |