農業分野における特定技能1号と2号の違いとは?取得要件からキャリアアップまで徹底解説

2024年6月の制度改正により、ついに**農業分野も「特定技能2号」**の対象となりました。これにより、農業の現場で長期間安定的に働くための選択肢が広がっています。本記事では、農業分野における特定技能1号と2号の違いや取得要件、試験制度、キャリアアップの流れまで詳しく解説します。


1. 特定技能制度とは?

特定技能とは、日本の労働力不足を補うために2019年に創設された在留資格です。技能水準や在留期間に応じて**「1号」「2号」**に分かれています。

参考リンク:
出入国在留管理庁|特定技能制度


2. 農業分野で認められている特定技能の種類

2024年6月の法改正により、農業分野は特定技能1号・2号の両方が対象分野となりました。これにより、従来の最長5年までという制限が緩和され、長期的な就労や家族帯同が可能となる道が開けています。


3. 特定技能1号と2号の違い

比較項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで(更新制)無期限(更新可能)
家族の帯同原則不可可(配偶者・子ども)
必要な試験技能試験・日本語試験上位技能試験(熟練水準)
対象分野16分野介護以外の分野
永住への道原則不可条件次第で可能

4. 特定技能1号(農業)の取得要件

農業分野で特定技能1号を取得するには以下の要件が必要です:

  • 年齢:18歳以上
  • 日本語:日本語能力試験N4以上またはJFT-Basic合格
  • 技能:農業分野技能測定試験の合格
  • 雇用契約:農業法人や受入機関との直接雇用契約
  • 支援体制:受入機関による支援計画の策定と実施

詳細リンク:農業技能測定試験


5. 特定技能2号(農業)の新設について【2024年6月追加】

農業分野はこれまで「1号」までしか認められていませんでしたが、2024年6月の告示改正により正式に**「特定技能2号」**の対象分野となりました。

特定技能2号(農業)の主な特徴:

  • 熟練技能が求められる(具体的な試験基準は今後整備予定)
  • 在留期間の上限なし(更新可)
  • 配偶者・子供の帯同が可能
  • 永住申請への道も開ける

6. 技能実習からの移行方法

技能実習(第2号)を修了した外国人は、試験免除で特定技能1号へ移行可能です。今後は、1号での就労実績と評価によって、2号へのステップアップも可能となります。


7. 特定技能から永住・経営管理へのキャリアアップ

特定技能2号への移行により、以下のような長期的なキャリアパスが現実的になってきました:

  • 特定技能2号 → 永住申請(要件クリア)
  • 特定技能から「経営管理ビザ」への切替(農業法人設立など)

8. 申請の流れと必要書類

以下が申請の大まかな流れです:

  1. 日本語試験・技能試験に合格(または技能実習修了)
  2. 雇用契約を締結
  3. 受入機関が支援計画を作成
  4. 出入国在留管理局へ在留資格「特定技能」の申請
  5. 審査通過後、就労開始

関連記事:特定技能外国人支援計画とは?作成方法・支援内容・注意点を解説


9. 行政書士に依頼するメリット

特定技能の申請では書類不備や誤記による不許可リスクが多く、行政書士への依頼は以下の点でメリットがあります:

  • 書類作成の正確性
  • 在留資格更新・変更の支援
  • 支援計画の適法性確認
  • 企業側へのアドバイス

関連記事:特定技能ビザ申請を行政書士に依頼するメリットとは?【不許可を防ぐために重要な選択


10. よくある質問(FAQ)

Q1:農業分野で特定技能2号を取得すれば家族も来日できますか?
→ はい。要件を満たせば、配偶者や子どもを帯同可能です。

Q2:農業分野で永住申請は可能ですか?
→ 特定技能2号での在留実績があれば、永住申請の要件に近づくことができます。

Q3:試験の難易度はどれくらいですか?
→ 特定技能1号の試験は基礎的内容が中心。2号は今後熟練技能評価基準が整備される見込みです。


11. まとめ

農業分野における「特定技能1号・2号」の制度整備は、日本の農業の未来を支える重要な柱です。2024年の制度改正により、2号の導入で長期在留や永住も現実的な選択肢となりました。

適切な支援を受けながら、確実にステップアップしていくことが、外国人材にも企業にも大きなメリットをもたらします。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法