1, 日本で招聘人が用意する書類は何ですか?

 短期滞在ビザ申請は、日本にいる招聘人が外国人を日本に呼び寄せるという形で申請します。よって、日本側で招聘人が用意する必要がある書類もあります。下記の書類を用意し、外国の申請人に郵送することになります。なお、日本国内で発行された書類は、発効後3か月以内のものが有効となります。

「招聘人が用意する書類」

①招聘理由書(外務省のホームページからダウンロードできます。)
  招聘理由書では、招聘人(呼び寄せる者)が申請人(来日する外国人)を日本に招聘する目的を記載します。
②招聘理由に関する資料
 「親族訪問」
  日本人の戸籍謄本または全部履歴事項証明書の原本など
「その他の目的」
 メール交信履歴、手紙、写真、国際電話通話明細書など
③申請人名簿(外務書のホームページからダウンロードできます。)
 同時に2人以上招聘する場合、つまり申請人が2人以上いる場合に必要となります。
④滞在予定表(外務省のホームページからダウンロードできます。)
 申請人(外国人)が日本に入国してから出国するまでの間、日本での滞在予定をどのように過ごすのか日数分記入します。短期滞在は、15日、30日、90日のいずれかの滞在が認められています。
⑤身元保証書(外務省のホームページからダウンロードできます。)
 申請人(外国人)の金銭的な保障を、呼び寄せる日本側で行う場合に必要です。
⑥身元保証人による渡航費用支弁能力の証明に係る次の3種類の書類のうち、いずれか1点以上
・課税証明書又は納税証明書 ・確定申告書控の写し
・預金残高証明書 身元保証人が、申請人(外国人)が来日した際の金銭的保障ができることを証明する資料となります。招聘人が個人事業主の場合は、確定申告書控の写しを提出します。源泉徴収票は不可です。
⑦住民票
  世帯全員の続柄が記載されたもの。マイナンバーは入れないで下さい。
⑧在留カードの写し(裏表の両方)
 招聘人が外国人の場合に必要になります。
⑨パスポートの写し
 招聘人が外国人の場合に必要になります。

2,住民票は招聘人と身元保証人のそれぞれが必要ですか?

 短期滞在ビザは日本の招聘人が外国人を呼び寄せる形で申請するため、上記1⑦にあるように招聘人の住民票が必要書類になります。招聘人が身元保証人を兼ねる場合は、同一人物の住民票を2通用意する必要はありません。しかし、招聘人と身元保証人が異なる人物の場合は、それぞれの住民票を取得する必要があります。もっとも、招聘人と身元保証人が別人物である場合でも同一世帯の場合は、「世帯全員分の記載がある住民票」を提出するため1通で足りる場合もあります。

3,世帯全員分の記載がある住民票が必要ですか?

(1)世帯全員分の記載がある住民票が必要

 住民票には個人のみが記載された住民票と世帯全員記載の住民票がありますが、短期滞在ビザ申請で必要になる住民票は「世帯全員分の記載がある住民票」になります。たとえ一人暮らしで単身世帯であったとしても、世帯全員分の記載がある住民票が必要になります。自分ひとりの記載しかないからといって、個人のみを証明する住民票は取得しないで下さい。

(2)住民票の見方

 世帯全員分の記載がある住民票の場合は、「この写しは、世帯全員の住民票の原本と相違ないことを証明する。」との文言が住民票の下の方に記載されています。他方、個人のみ記載された住民票の場合は、「この写しは、住民票の原本と相違ないことを証明する。」との文言が住民票に記載されています。よって、住民票を取得した際には、「この写しは、世帯全員の住民票の原本と相違ないことを証明する。」との記載を確認して、世帯全員を証明する住民票か否か確認してください。

 住民票は市区町村役場で取得することができます。住民票は各自治体によって多少違いがある場合もあるので、「世帯全員分の住民票」を役場の担当者に希望してください。

3,「本籍」「世帯主氏名」「続柄」などが省略された住民票でも大丈夫ですか?

 短期滞在ビザ申請で必要となる住民票は、「すべての記載が網羅された住民票」が必要です。省略が認められるのは住民票コードとマイナンバー(個人番号)に限られます。「本籍」「世帯主氏名」「続柄」などが省略されて発行される住民票もありますが、この住民票は不可です。「本籍」「世帯主氏名」「続柄」などは申請する側が記載を求めないと、これらが省略された住民票が発行されてしまいます。住民票コードとマイナンバー以外はすべて記載された住民票が必要であることを役所の担当者に相談してください。

4,現住所の住民票が必要ですか?

 短期滞在ビザ申請で必要となる住民票は、もちろん現住所の記載がある住民票です。ところが、引っ越したばかりで住民登録を移していない場合や実家の住所に住民登録を置いている場合などで、現住所と住民票の記載の住所が異なる場合も珍しくありません。

 住民票は招聘人や身元保証人の現住所を証明することを目的として、提出が要求されています。よって、住民票と現住所が異なる場合は、大使館や領事館の審査官に虚偽申請との疑義を持たれる可能性があります。

 現住所と住民票記載の住所が異なる場合は、短期滞在ビザ申請前に現在居住している住所を管轄する市区町村に転入届を行うなどして、住民登録を移す必要があります。また、実家に住民登録を置いておく必要があるなど、住民票記載の住所と現住所が異なる合理的な理由がある場合は、別途その旨を説明した補足書類(住民票と現住所が違う理由を説明する書面)を作成して提出してください。

5,住民票が取れない場合でも招聘人になれますか?

 住民票は、日本国内に住所がない場合は取得することができません。よって、海外赴任者や海外大学に留学している留学生は、住民票を取得することができません。このような場合で、住民票を取得できない場合は招聘人や身元保証人になることができません。

 申請人である外国人と招聘人や身元保証人との間には何らかの関連性があることが必要になります。よって、海外赴任者が外国人婚約者と一緒に日本に帰国するため、外国人婚約者の短期滞在ビザが必要というような場合は、日本に居住する親族などに招聘人や身元保証人となる必要があります。この場合は、招聘人となる親族の住民票などを取得して、申請人である外国人の下に郵送し、大使館に提出してください。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法