1,登録支援機関とは何ですか?
特定技能外国人を雇用する場合には、受入機関は特定技能外国人支援計画を作成し、支援を実施していくことが義務づけられます。もっとも、この特定技能外国人への支援義務は外部機関との契約によって、その全部又は一部を委託することもできます。この外部委託を請け負う機関が登録支援機関となります。登録支援機関に支援計画の全部又は一部を委託した場合は、受入機関が果たすべき支援義務を実施しているものと見なされます。なお、支援責任者と支援担当者とを兼任しても問題はありません。
登録支援機関と認められるためには、出入国在留管理庁長官の登録を受ける必要があります。そして、登録を受けるためには基準を満たし、義務を果たしている必要があります。また、登録支援機関は委託を受けた支援業務を、さらに委託することは認められていません。登録支援機関としての登録は、基準を満たせば法人のみならず個人事業主も受けることができます。技能実習制度の監理団体や株式会社などの営利法人が、登録支援機関となっても問題ありません。
登録支援機関には、毎年の業務監査などはありません。しかし、出入国管理庁が、登録支援機関が適正に支援を実施しているか、報告・資料提出などの調査を行う場合は、これに協力する義務があります。
登録支援機関に支援を委託することを考えている場合は、法務省のホームページに掲載されている登録支援機関の一覧表によって探すことができます。
2,登録支援機関の業務は何ですか?
登録支援機関は、1号特定技能外国人に対して、在留中に安定的・円滑な活動を行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を、特定技能所属機関(特定技能外国人を雇用する受入機関)から委託を受けて、受入機関に代わって実施していくことを業務としています。なお、特定技能2号外国人への支援は義務ではありません。そして、登録支援機関は1号特定技能外国人支援計画(特定技能1号の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画)を作成し、当該計画に基づいて支援を実施していきます。
3,登録支援機関はどんな支援を実施しますか?
登録支援機関の1号特定技能外国人に対する支援は多岐に渡ります。具体的には、以下の事項について1号特定技能外国人支援計画を作成し実施していくことになります。
登録支援機関の支援内容 |
①事前ガイダンス ・雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請前又は在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明 ②出入国する際の送迎 ・入国時に空港等と事業所又は住居への送迎・帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行 ③住居確保 ・生活に必要な契約支援 ・連帯保証人になる・社宅を提供する等・銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等を案内・各手続の補助 ④生活オリエンテーション ・円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明 ⑤公的手続等への同行 ・必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助 ⑥日本語学習の機会の提供 ・日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等 ⑦相談・苦情への対応 ・職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応、内容に応じた必要な助言、指導等 ⑧日本人との交流促進 ・自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や、参加の補助等 ⑨転職支援(人員整理等の場合) ・受け入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供 ⑩定期的な面談 ・行政機関への通報 ・支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)面談し、労働基準法違反等があれば通報 |
4,登録支援機関の随時・定期の届出とは何ですか?
登録支援機関は、出入国在留管理庁長官に対する各種届出を、随時又は定期に行うことが義務付けられています。受入れ機関が、届出の不履行や虚偽の届出といった違反があった場合、指導・罰則の対象となります。また、登録支援機関についても、指導や登録の取り消し対象となります。
「随時の届出」 ・登録の申請事項の変更の届出 ・支援業務の休廃止または再開の届出 |
「定期の届出」 ・支援業務の実施状況等に関する届 |
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザの申請・取得サポート|ビザ申請サポートNavi東京 【加納行政書士事務所】 (visasupportnavi.net) 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |