特定技能ビザ(在留資格「特定技能」)で認められる在留期間はどのくらいですか?
目次
1,特定技能ビザとは、どんなビザですか?
(1)特定産業分野(14分野)
特定技能ビザとは、在留資格「特定技能」のことで就労ビザの1つで 特定技能制度は、日本経済における人手不足を背景に、人手不足が顕著な産業分野において、一定の専門性や技術を有し即戦力となりうる外国籍労働者を受け入れていくことを目的とした制度です。特定産業分野(14分野)では人手不足が深刻化しています。特定技能ビザは、この人手不足に対応し日本経済社会の持続可能性を維持していくことを目的としています。
特定産業分野 |
・介護 ・ビルクリーニング ・素形材産業 ・産業機械製造業 ・電気・電子情報関連産業 ・建設 ・造船・船用工業 ・自動車整備 ・航空 ・宿泊 ・農業 ・漁業 ・飲食料品製造業 ・外食業 |
(2)特定技能のカテゴリー
在留資格「特定技能」は「特定技能1号」と「特定技能2号」という2種類に分かれます。
特定技能1号 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能を有する業務に従事 |
特定技能2号 | 熟練した技能を要する業務に従事 |
「相当程度の知識または経験を必要とする技能」とは「特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準」の技能を意味します。「熟練した技能」は「相当程度の知識または経験を必要とする技能」以上の高度な専門性が認められる技術を意味します。なお、特定技能2号は、建設、造船・船用工業の2分野のみに認められていましたが、2023年から全14分野に拡大されました。
2,在留資格「特定技能」の在留期間はどのくらいですか?
特定技能ビザで認められる在留期間は1号と2号とで異なってきます。以下では各々について検討します。
(1)特定技能1号
①在留期間
認定や変更許可申請 | 認定や変更許可申請を行って初めて特定技能ビザを取得した場合は、1年、6月、4月のいずれかの在留期間が付与されます。 |
更新許可申請 | 在留資格を更新した際には、1年、6月、4月の在留期間が付与されます。 |
②在留期間の上限
1号特定技能ビザには在留期間の上限が定められており、通算で5年を超えて在留することはできません。つまり、在留期間の通算が5年に達した場合は、在留期間の更新は認められません。労働契約の期間に残りがあった場合でも、在留期間の通算が5年に達した場合は、在留期間の更新はできません。 在留期限内に、通産の在留期間が5年を超えた場合は、在留期限内は適法に在留することが認められます。例えば、通算で4年2月在留していた者が、更新申請で1年の在留が認められた場合、通算で5年2月在留することになりますが、超過した2か月については適法と認められ、在留期限まで在留することができます。不法滞在となることはありません。 |
③変更準備の特定活動ビザと在留期間
「特定技能1号」への変更を希望している場合は、現在の在留期限の満了日以降でも変更準備のために「特定活動ビザ(4月・就労可)」へ在留資格変更許可申請を行うことができます。例えば、在留期限の満了日までに変更申請に必要な書類が揃わないなど、変更申請の準備のために時間を要する場合などが該当します。 この特定活動ビザを取得した場合は、就労を予定している受入機関で就労しながら、特定技能ビザへの変更申請の準備ができます。もっとも、この特定活動ビザで在留した期間は、特定技能1号ビザで認められている上限通算5年の計算に含まれます。 |
(2)特定技能2号
①在留期間
認定や変更許可申請 | 認定や変更許可申請を行って初めて特定技能ビザを取得した場合は、3年、1年、6月のいずれかの在留期間が付与されます。 |
更新許可申請 | 在留資格を更新した際には、3年、1月、6月の在留期間が付与されます。 |
②在留期間の上限
特定技能2号ビザの場合は、1号と異なり、在留期間の通算上限はありません。特定技能1号から2号へ移行した場合は、通算上限がなくなります。よって、在留期間更新許可の要件を充足する場合は、何度でも更新することができます。原則10年以上在留その他の要件を充足した場合は、永住者ビザへの変更も可能となります。 |
③特定技能1号から2号への移行
特定技能1号を修了した者が、当然に特定技能2号に移行できるわけではありません。 2号特定技能外国人には「熟練した技能」が要求されます。「熟練した技能」は、1号特定技能外国人に要求される「相当程度の知識または経験を必要とする技能」以上の高度な専門性が認められる技術を意味します。そして、この技能水準については、分野別に実施される技能検定試験によって確認されます。この技能検定試験に合格し、熟練した技能を有することが確認された場合は、特定技能1号の期間中に特定技能2号に変更することも可能です。 |
3,特定技能1号と2号との在留期間の比較
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
必要とされる技能 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能 ↓ 「特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準」の技能 | 熟練した技能 ↓ 「相当程度の知識または経験を必要とする技能」以上の高度な専門性が認められる技術 |
在留期間 | 1年、 6月 、4月 | 3年 、1年、 6月 |
更新で付与される在留期間 | 1年、 6月、 4月 | 3年 、1年、 6月 |
在留の上限 | 通算で5年 | 上限なし |
認められる産業分野 | 14の特定産業分野すべて | 14の特定産業分野すべて |
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |