ロシア人との国際結婚はどうすれば良いですか?

1,婚姻手続は日本とロシアの両国でする必要がありますか?

 配偶者ビザは、日本国法及びロシア連邦法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とロシア人が国際結婚をする為には、日本国法及びロシアの家族法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。

 ロシアの婚姻年齢は家族法によって定められています。ロシアの家族法は男女ともに16歳以上と婚姻年齢を定めています。日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。また、日本の民法は女性のみ再婚禁止期間(100日)を定めていますが、ロシアの家族法は再婚禁止期間を規定していません。

 日本の婚姻手続とロシアの婚姻手続のどちらを先に行うべきか、は申請人がどちらの国に在住しているかによって異なります。ロシア人が既に何らかの中長期の在留資格をもって、日本に在留しているのであれば、先に日本での婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。日本の婚姻手続を済ませることによって、両国の婚姻手続を済ませたことになります。逆に日本人がロシアに在住しているのであれば、先にロシアで婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。

2,先に日本で結婚する場合はどうしますか?

 日本で先に婚姻手付きを行う場合は、以下のような流れになります。ロシアの場合は、日本で婚姻手続が有効に成立すれば、ロシアにおいても法律上有効な婚姻と見なされます。

 ロシアで婚姻証明をする場合は、日本の婚姻証明書に駐日ロシア大使館による認証を受けることによって、ロシアでの婚姻証明書として有効になります。

①ロシア人の婚姻要件具備証明書の取得      
駐日ロシア連邦大使館でロシア人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。なお、日本人婚約者がロシア大使館に問合せをしても、回答してもらえません。必要書類などの情報は、ロシア人以外の日本人の場合は回答してもらえません。問い合わせはロシア人婚約者がしてください。
「必要書類」
・婚姻要件適格証明書(ロシア国内で発行されるもの。大使館で取得する婚姻要件具備証明書とは異なります。)
・ロシア人のパスポート
・ロシア人の在留カード(取得している場合のみ)
②日本の婚姻手続駐日ロシア大使館で婚姻要件具備証明書を取得したら、日本の市区町村役場で婚姻届けを提出します。
「必要書類」
・婚姻届
・日本人の本人確認書類(パスポートや運転免許証)
・戸籍謄本(日本人の独身証明となります)
・ロシア人の婚姻要件具備証明書(日本語翻訳文付き)
・ロシア人のパスポート
・ロシア人の在留カード(取得している場合のみ)

3、先にロシアで結婚する場合はどうしますか?

 ロシアで先に婚姻手続を行う場合は、以下のような流れとなります。

①日本人の婚姻要件具備証明書の取得
法務局で日本人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。
「必要書類」
・日本人の戸籍謄本
・日本人の身分証明書(免許証やパスポート)
・認印
・ロシア人のパスポートの写し
②日本国外務省による認証(アポスティーユ認証)
取得した日本人の婚姻要件具備証明書に日本国外務省による認証を受けます。
アポスティーユ認証とは、外国で日本の官公庁や役所で発行された証明書などの書類を使用する場合に、当該書類に対して、外務省が真正な書類であることを認証するものです。
③駐日ロシア大使館による翻訳証明      
日本国外務省による認証を受けた婚姻要件具備証明書にロシア語翻訳文を付けて駐日ロシア大使館に提出してください。駐日ロシア大使館による翻訳証明を取得します。
④ロシア国内で婚姻手続            ↓ロシアの戸籍登録機関(ザックス)で婚姻手続を行います。
「必要書類」
・婚姻要件具備証明書
(日本国外務省による認証を受けたもの、駐日ロシア大使館による翻訳証明を受けたもの)
・日本人のパスポート
⑤在露日本国大使館で婚姻手続在露日本国大使館または日本の市区町村役場で日本の婚姻手続を行います。日本の婚姻手続は、ロシアでの婚姻成立後、3か月以内に行う必要があります。
「必要書類」
・婚姻届
・ロシアの婚姻証明書
・日本人のパスポート
・ロシア人のパスポート
・日本人の戸籍謄本 2通
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法