特定技能1号ビザを「造船・船用工業」分野で取得する為の要件は何でしょうか?

1,特定技能1号「造船・船用工業」とは、どんな制度でしょうか?

現在、造船・船用工業分野においては人手不足が深刻化しています。特定技能1号は、このような人手不足に対応するため、一定の専門性・技術性を持った外国人を受け入れることによって、介護分野の存続・発展を図り、日本経済や社会基盤の持続可能性を維持することを目的としています。

特定技能分野別運用要領(造船・船用工業分野)930004536.pdf (moj.go.jp)

2,造船・船用工業分野での1号特定技能外国人の受入見込数はどの程度でしょうか?

 造船・船用工業分野では、22,000万の人手不足が推計されています。この人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保によって、10,000人程度の人手の確保が期待されています。このような推計を受けて、造船・船用工業分野における、1号特定技能外国人の受入見込数は最大で13,000人とされています。またこれを受入見込数の上限として運用されていますので、過大な受入見込数とはなっていません。

3,特定技能「造船・船用工業」では、どんな業務に従事することができるでしょうか?

 特定技能「造船・船用工業」では、以下の主たる業務と関連業務に従事することが認められています。

(1)主たる業務

 特定技能「造船・船用工業」では、主たる業務として以下の6業務に従事することが認められています。

・溶接(手溶接、半自動溶接)

・塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)

・鉄工(構造物鉄工作業)

・仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機会組立仕上げ作業)

・機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)

・電気機器組立(回転電気組立作業、変圧器組立作業、配電盤、制御盤組立作業、開閉制御器組立作業、回転電機巻線制作作業)

(2)関連業務

 関連業務のみに専ら従事することは認められません。もっとも、主たる業務と合わせて付随的に従事する場合には、関連業務に従事することが認められます。関連業務として以下の業務に従事することが認められます。

・読図作業・作業工程管理

・検査(外観、寸法、材質、強度、非破壊、耐圧気密など)

・機器・装置・工具の保守管理

・機器・装置・運搬機の運転

・資材の素材管理・配置

・部品・製品の養生

・足場の組立・解体

・廃材処理

・梱包・出荷

・資材・部品・製品の運搬

・入出渠

・清掃 

4,特定技能「造船・船用工業」で外国人を雇用するための要件は何でしょか?

(1)外国人が特定技能「造船・船用工業」の在留資格を取得していること

特定技能「造船・船用工業」の在留資格を取得するための要件は以下の通りです。

A,技能水準(試験区分)

 主たる業務で、実施するものに対応する造船・船用工業分野特定技能1号試験に合格する必要があります。なお、溶接以外の5業種いついては、それぞれ対応する技能検定3級の合格によることも可能です。例えば、塗装の特定技能1号を取得したい場合には、「造船・船用工業分野特定技能1号試験(塗装)」または「技能検定3級(塗装)」のどちらかに合格すればよいということになります。

 2号特定技能外国人(溶接のみ)については造船・船用工業分野特定技能1号試験に加え、所定の実務経験を満たすことも必要となります。

B,日本語能力水準

 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験(N4以上)の合格が必要です。

C,主たる業務に関連する、所定の技能実習2号を良好に修了している者は、上記技能試験及び日本語試験が免除されます。

(2)直接雇用であること

 雇用形態はフルタイムの直接雇用に限られます。派遣雇用は認められません。

(3)受入機関に特に課す条件を満たしていること

A,受入対象機関であることの確認通知書の交付を受けること

 受入企業は所定の造船業・船用工業に該当する事業を営むものである必要があります。そして、実際に特定技能外国人の受入れを行う場合には、国土交通省より、受入対象機関であることの確認を受け、確認通知書の交付を受ける必要があります。

B,協議会の構成員であること

 受入企業は国土交通省が設置する造船・船用工業分野特定技能協議会に加入する必要があります。また、初めて造船・船用工業分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に上記協議会に加入し、加入後は上記協議会に対し必要な協力を行う必要がります。入国後4か月以内の加入を行っていない企業は特定技能外国人の受入れができず、その状態で特定技能外国人を就労させると不法就労助長罪に処せられます。

C,協議会に対し必要な協力を行うこと

 受入企業は、上記協議会に対し必要な協力を行わなければなりません。この協力を行わない企業は特定技能外国人の受入れができず、その状態で特定技能外国人を就労させると不法就労助長罪に処せられますのでご注意ください。

D,国土交通省に対し必要な協力を行うこと

 受入企業は国語交通省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行わなければなりません。この協力を行わない企業は特定技能外国人の受入れができず、その状態で特定技能外国人を就労させると不法就労助長罪に処せられます。登録支援機関に1号特定技能支援計画の全部の実施を委託する場合には、当該登録支援機関も受入企業と同様に、上記ABCのような条件を満たす必要があります。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法