特定技能ビザを「航空」分野で取得するための要件は何ですか?
目次
1,特定技能1号「航空」とは、どんな制度でしょうか?
現在、航空分野においては人手不足が深刻化しています。特定技能1号は、このような人手不足に対応するため、一定の専門性・技術性を持った外国人を受け入れることによって、航空分野の存続・発展を図り、日本経済や社会基盤の持続可能性を維持することを目的としています。
特定技能分野別運用要綱930004540.pdf (moj.go.jp)
2,航空分野での1号特定技能外国人の受入見込数はどの程度でしょうか?
航空分野では、2023年までに8,000人の人手不足が推計されています。この人手不足に対応するためには、特定技能外国人を受入れることは避けられないと考えられています。毎年1%の生産性向上や追加的な国内人材確保によって、5年間で6,000人程度の確保が見込まれていますが、なお8,000人の人手が不足すると見込まれています。このような推計に基づき、外食分野における受入見込数は、2023年までに最大22,00人とされています。またこれを受入れの上限としていますので、過大な受入見込数とはなっていません。
3,特定技能「航空」では、どんな業務に従事できますか?
特定技能「航空」では、以下の主たる業務と関連業務に従事することが認められています。
(1)主たる業務
特定技能「航空」では①空港グランドハンドリング②航空機整備といった業務に従事することが認められています。特定技能ビザを取得するためには、それぞれ対応する技能評価試験に合格する必要があります。
①航空グランドハンドリング
・航空機地上走行支援業務
・手荷物・貨物取扱業務
・手荷物・貨物の航空機搭降載業務
・航空機内外の清掃整備業務
②航空機整備
・運航整備
・機体整備
・装備品・原動機整備
(2)関連業務
関連業務のみに専ら従事することは認められません。もっとも、主たる業務と合わせて付随的に従事する場合には、関連業務に従事することが認められます。特定技能「航空」の関連業務としては、以下の業務が挙げられます。
・事務作業
・作業場所の整頓整理・清掃
・積雪時における作業場所の除雪
4、特定技能「航空」で外国人を雇用するための要件は何ですか?
(1)外国人が特定技能「航空」の在留資格を取得していること
在留資格とは、外国人が日本に在留し、一定の活動を行うことができる資格をいいます。
特定技能「航空」の在留資格を取得する為の要件は以下の通りです。
ア、技能水準(試験区分)
従事する業務に応じて、①特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)又は②特定技能評価試験(航空分野:航空機整備)に合格する必要があります。
イ、日本語能力水準
①国際交流基金日本語基礎テスト又は②日本語能力試験(N4以上)のどちらかに合格する必要があります。
ウ、なお、航空グランドハンドリング職種・航空機地上支援作業に係る第2号技能実習を良好に修了した者は、上記アの航空分野:空港グランドハンドリングの試験と上記イの試験が免除されます。
(2)直接雇用であること
フルタイムの直接雇用に限られます。派遣雇用は認められません。
航空分野において1号特定技能外国人を派遣し、又は派遣された者を受入れた場合には、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります。
(3)受入機関に対して特に課す条件を満たしていること
受入機関一般に課される条件のほか、特定技能「航空」において特に課される条件は以下の通りです。
ア、事業者又は事業場が所定の要件を満たしていること
(ア)空港グラントハンドリング
受入企業は所定の法律等に基づき空港管理者により営業を行うことが認められた者であって、空港グランドハンドリングを営む者でなければなりません。
(イ)航空機整備
受入企業は所定の法律による国土交通大臣の認定を受けなければなりません。
当該受入企業から業務の委託を受けた者も同様の認定を受けることが必要です。
イ、協議会の構成員であること
受入企業は、国土交通省が設置する航空分野特定技能協議会に加入する必要があります。特に、航空分野の特定技能外国人をはじめて受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に協議会に加入しなければなりません。
協議会に加入せずに特定技能外国人を就労させた場合には、不法就労助長罪に処されます。
ウ、協議会に対し必要な協力を行うこと
受入企業は、上記イの協議会に対し、必要な協力を行わなければなりません。
協議会に対し必要な協力を行わない場合には、不法就労助長罪に処されます。
エ、国土交通省に対し必要な協力を行うこと
受入企業は、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行う必要があります。
国土交通省に対し必要な協力を行わない場合には、不法就労助長罪に処されます。
オ、登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託する場合には、当該登録機関が所定の要件を満たしていること
受入企業が、1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には、当該登録支援機関も受入企業と同様に上記イ、ウ、エの条件を満たしている必要があります。
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |