特定技能ビザ取得の為に受入企業が満たすべき要件は何でしょうか？

１，受入企業が満たすべき要件は何でしょうか？
２，①労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
３，②1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
４，③１年以内に受入機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
５，④欠格事由（5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等）に該当しないこと
６，⑤特定技能外国人の活動内容にかかる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えておくこと
７，⑥外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入機関が認識して雇用契約を締結していないこと
８，⑦受入機関が違約金を定める契約等を締結していないこと
９，⑧支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと
１０，⑨労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者である他、派遣先が①～④の基準に適合すること
１１，⑩労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
１２，⑪雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
１３，⑫報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
１４，⑬分野に特有の基準に適合すること（分野所轄省庁の定める告示で規定）

１，受入企業が満たすべき要件は何でしょうか？

特定技能外国人を受け入れるためには、受入企業は以下の１３の要件を充足している必要があります。

①労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

②１年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

③１年以内に受入機関の責めに帰すべき事由事由により行方不明者を発生させていないこと

④欠格事由（５年以内に出入国・労働法令違反がないこと等）に該当しないこと

⑤特定技能外国人の活動内容にかかる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えておくこと

⑥外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入機関が認識して雇用契約を締結していないこと

⑦受入機関が違約金を定める契約等を締結していないこと

⑧支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと

⑨労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者である他、派遣先が①～④の基準に適合すること

⑩労働保険関係の成立の届出等の措置を講じていること

⑪雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること

⑫報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

⑬分野に特有の基準に適合すること（分野所轄省庁の定める告示で規定）

２，①労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

　特定技能外国人を受け入れる企業は、労働関係法令や社会保険関係並びに租税関係法令を遵守していなければなりません。社会保険や税金に未納がある場合には、特定技能外国人を受け入れる前に納付している必要があります。

３，②1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

　特定技能雇用契約の締結の日の１年以内に、特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないことが必要です。つまり、会社側の都合で離職させていないことが求められています。さらに、締結前１年以内のみならず、特定技能雇用契約を締結した後も、非自発的離職者を発生させないことが要求されています。人材不足に対処することを目的とする特定技能制度の趣旨に反すると考えられています。

４，③１年以内に受入機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと

　特定技能外国人の受入企業が、法令違反や基準に適合しない行為（例えば、雇用契約で定められた賃金の支払いを行っていない場合、１号特定技能外国人支援計画を実施していない等）を行っていた期間に、特定技能外国人が行方不明になっていないことが要求されています。契約締結前１年以内のみならず、特定技能雇用契約を締結した後も行方不明者を出すことは認められません。

５，④欠格事由（5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等）に該当しないこと

　欠格事由とは以下の場合などが該当します。この場合、特定技能外国人を受け入れることができません。

　・「禁固以上の刑に処せられた者」といった欠格事由に該当せず法令を遵守していること

　・技能実習生を受け入れていた際に実習実施者として実習認定を取り消された場合に、当該取消日から５年を経過していない者（取り消さ　　　　　　　　れた法人の役員であった者も含む）

６，⑤特定技能外国人の活動内容にかかる文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えておくこと

　「活動の内容に係る文書」には次の事項が記載されていなければなりません。

　①特定技能外国人の管理簿

　A,特定技能外国人の名簿

　必要的記載事項

・氏名

・国籍・地域

・生年月日　　

・性別

・在留資格

・在留期間

・在留期間の満了日

・在留カード番号

・外国人雇用状況届出の届出日

B,特定技能外国人の活動状況に関する帳簿

必要的記載事項

・活動（就労）場所（派遣形態の場合、派遣先の氏名又は名称及び住所）

・従事した業務の内容

・雇用状況（在籍者、新規雇用者、自発的離職者、非自発的離・職者、行方不明者）に関する内容

・労働保険（雇用保険及び労災保険）の適用状況

・社会保険（健康保険及び厚生年金保険）の加入状況

・安全衛生（労働災害及び健康診断を含む）の確保状況

・特定技能外国人の受入れに要した費用の額及び内訳

・特定技能外国人の支援に要した費用の額及び内訳

・休暇の取得状況（一時帰国休暇の取得状況を含む）

②特定技能雇用契約の内容

③雇用条件

④特定技能外国人の待遇に係る事項が記載された書類（賃金台帳等）

⑤特定技能外国人の出勤状況に関する書類（出勤簿等）

７，⑥外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入機関が認識して雇用契約を締結していないこと

　特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収や財産の管理並びに違約金に関する契約を締結させられている場合があります。特定技能外国人の受入企業が、保証金の徴収等の事実を認識して特定技能雇用契約を締結していないことが必要です。

８，⑦受入機関が違約金を定める契約等を締結していないこと

　特定技能外国人の受入企業が、特定技能外国人が退職した場合に違約金を定める契約を締結していないことが必要です。

９，⑧支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと

　　１号特定技能外国人支援計画の実施に必要な費用（義務的支援に関するもの）を、特定技能外国人に直接又は間接に負担させることは認められていません。１号特定技能外国人を支援するために必要な費用は、受入企業が負担すべきものとされています。

１０，⑨労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者である他、派遣先が①～④の基準に適合すること

　特定技能外国人を派遣社員として雇用する場合、まず派遣元である企業が受入機関としての要件を充足している必要があります。さらに、派遣先企業においても、①労働及び社会保険並びに租税関係の法令順守②非自発的離職者を出していないこと③行方不明者を出していないこと④欠格事由に該当しないこと、が必要です。

１１，⑩労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること

　特定技能外国人の受入企業が労災保険の適用事業者である場合には、労災保険に関する保険関係の成立の届出を履行している必要があります。特定技能外国人への労働者災害補償保険の適用を確保することを目的としています。

１２，⑪雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること

　特定技能外国人を受け入れる企業の事業の安定性と継続性が求められています。特定技能外国人との間の特定技能雇用契約を、継続的に確実に履行することが可能な体制として財産的基盤を有している必要があります。

　赤字決算や債務超過をしている場合は、公認会計士や中小企業診断士といった企業評価能力を有する専門家である第三者が作成した鑑定評価書の提出が必要となります。特に特定技能ビザ申請の直近２期連続して赤字決算している場合は、慎重に判断されることになります。

１３，⑫報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

　特定技能外国人への報酬の支払は、報酬支払方法として預金口座の振込であることを説明し、当該外国人の同意を得て、預金口座への振込により行う必要があります。特定技能外国人への報酬の支払を確実かつ適正なものとすることを目的としています。

１４，⑬分野に特有の基準に適合すること（分野所轄省庁の定める告示で規定）

　特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることが必要です。