技術人文知識国際業務の申請理由書には何を書けば良いのでしょうか?

1,技術人文知識国際業務ビザ申請に、申請理由書は必要でしょうか?

 技術人文知識国際業務ビザの申請において、申請理由書の提出は必須ではありません。しかし、無事に許可を取得する為には必要となると思います。特に、雇用理由書は非常に重要となります。採用した外国人が、在留資格「技術人文知識国際業務」の許可要件を充足している、という事を疎明するために必要となります。

 技術人文知識国際業務ビザ申請においては、許可要件を充足していることを立証する資料の収集や提出が必要となります。例えば、最終学歴の卒業証明書、成績証明書、会社の登記事項証明書、決算報告書、取引明細、実績といった立証資料です。そして、申請理由書においては、これらの提出資料が、技術人文知識国際業務の許可要件の充足性の立証において、どのような意味を有するのか、どのように許可要件を充足しているのか、を説明していくことが重要です。特に雇用理由書では、採用後に従事する業務内容を説明し、学歴等の申請人能力との関連性から、雇用理由を説明していくことが重要と思われます。

 以上から、技術人文知識国際業務ビザの申請において、申請理由書の作成提出は必要と思います。

2,申請理由書には何を書けば良いのでしょうか?

 申請理由書に関し、入管庁が用意したフォーマット等はなく、申請理由書の書き方などは、入管庁は案内していません。そこで、申請理由書には何をどのように書けばよいのか、を解説いたします。

 申請理由書に書くべき特に重要事項は、①会社概要②申請人の経歴③申請人の採用理由④雇用後に従事する申請人の職務内容の4点だと思います(他にも書くべきことはありますが、特に重要な点として)。これらの事項を、外国人を採用する側すなわち企業目線で書く必要があります。法人印は不可欠ではありませんが、有れば良いと思います。

①会社概要

 まず、申請人である外国人を採用する企業の概要を説明します。主な事業内容は何か、従業員は何名か、店舗や支店は何処にどれだけあるか、資本金はいくらか、売上等の業績、今後の事業展開、会社として社会貢献の目標等です。会社がどんな会社か、何をしているのか、入管に説明します。

②申請人の経歴

 次に、申請人の経歴を説明します。申請人はどのような学校を卒業しているのか、どのような実務経験を積んでいるのか、どのような資格を有しているか、などです。申請人が現在留学生の場合は、留学生としての活動も審査の項目となりますので、出席率や成績なども説明します。留学生として頑張っているとアピールします。これらの事項を通して、申請人は、どのような知識・技能・能力を有しているのかを入管に説明します。

③申請人の採用理由

 申請の経歴で説明した、最終学歴や専攻そして申請人の能力や知識を採用後従事する予定の業務と関連付けます。申請人を採用する会社では、当該業務に従事する人員を募集しており、申請人が大学等で身につけた能力が、従事する予定の業務において十分に発揮されることが期待できる、ことを説明していきます。また、許可取得後は、卒業を待って就職するのか、即就職するのか、説明することも必要です。

④雇用後に従事する申請人の職務内容

 採用後に申請人が従事する予定の業務内容をできるだけ具体的に説明します。③申請人の採用理由を補う形で記載します。

 技術人文知識国際業務では、申請人が従事する予定の業務に十分な業務量(1日8時間、週40時間)があるか否かも審査の対象となります。したがって、従事する業務内容は1つでは足りないと思います。従事する業務内容は複数記載しておくことが良いと思います。しかし、記載した業務内容は技術人文知識国際業務に該当する業務内容である必要があります。単純作業は技術人文知識国際業務に該当しないので、業務として記載できません。そもそも、単純作業は不法就労となる危険性があります。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法