【介護分野】特定技能ビザの必要書類と注意点を完全解説
日本の高齢化社会で人手不足が深刻な介護分野で、外国人を受け入れるための在留資格として「特定技能1号」があります。本記事では、
- 必要書類
- 申請手続きの流れ
- 注意すべきポイント
- よくあるQ&A
を完全網羅します。
目次
1|特定技能「介護」とは?制度のポイント
**特定技能ビザ(介護分野)**は、日本で介護業務に従事するための在留資格です。2019年に制度化され、介護現場の人材不足解消を目的に設けられました。
介護分野は技能実習終了者でも試験免除があり、実務経験者にとって取得しやすい在留資格でもあります。
介護分野では、以下の業務が対象です:
- 利用者の入浴・食事・排せつの介助
- レクリエーション補助
- 機能訓練の補助などの付随業務
在留資格のポイント
- 在留期間:6か月〜2年(更新可能、通算5年まで)
- 家族帯同:不可(特定技能1号)
- 永住申請:原則不可
- 技能・日本語試験合格が必須
2|在留資格「特定技能」申請の前提条件
申請にあたっては、以下の条件を満たす必要があります。
技能試験
介護分野独自の介護技能評価試験に合格していること。
※技能実習2号を良好に修了した場合、試験免除のケースあり。
日本語能力
下記いずれかの合格証明書が必要:
- **国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)**合格
- 日本語能力試験(JLPT N4以上)合格
さらに介護日本語評価試験の合格が必要です。
3|必要書類一覧(初回申請・変更申請)
申請類型ごとに「申請人」「所属機関」「分野別」書類が存在します。主な必要書類は以下の通りです。
A. [申請人(外国人)に関する書類]
| 書類 | 説明 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請書 | 標準申請書(正式様式)※印刷要領あり |
| 写真(顔写真) | 規格に沿った証明写真 |
| パスポート(写し) | 旅券の写真・査証ページ |
| 介護技能評価試験 合格証明書 | 試験合格を証明 |
| 日本語資格の証明書 | JFT-Basic または JLPT N4以上 |
| 介護日本語評価試験合格証 | 介護分野用日本語試験 |
| 健康診断書 | 出国後3か月以内発行のもの |
| 無犯罪証明書 | 居住国等で発行された証明書 |
※提出書類が外国語の場合は日本語翻訳を添付する必要があります。
B. [所属機関(受入企業)に関する書類]
| 書類 | 説明 |
|---|---|
| 受入れ機関概要書 | 会社情報・介護施設の概要 |
| 特定技能雇用契約書 | 外国人と締結した労働契約書 |
| 就業条件明示書・労働条件通知書 | 労働条件を明示 |
| 社会保険・労働保険加入証明 | 健康保険等の加入を証明 |
C. [介護分野に関する追加書類]
| 書類 | 説明 |
|---|---|
| 介護技能評価試験合格証書写し | 技能試験合格証明 |
| 介護日本語評価試験合格証書写し | 日本語試験証明 |
| 日本語資格証明(JFT/JLPT)写し | 上記の資格証明 |
| 技能実習2号修了証明書(免除ケース) | 試験免除の場合に必要 |
※書類内容は申請形式(在留資格認定証明書交付・変更申請・更新)によって追加書類が求められることがあります。審査中に追加資料を求められるケースもあります。
4|申請時の重要な注意点
① 提出書類は「最新かつ完全な状態」で提出
在留管理局は、書類不備・古い証明書である場合、審査遅延・不受理・最悪却下の可能性があります。
健康診断書・無犯罪証明書は発行日から3か月以内が基本要件です。
② 外国語文書は必ず「日本語翻訳」を添付
外国語の書類には、申請人または翻訳者による**日本語訳(署名付き)**を添付する必要があります。翻訳がないと審査できない場合があります。
③ 合格証明は原本または写しの提出
技能・日本語試験の合格証明が実務上の審査根拠となるため、写しでも可ですが正確な証明書を提出しましょう。
④ 手数料・郵送の注意
申請書類は、必要な手数料と記載ミスがないか再チェックが必須です。提出後の修正・追加は審査遅延につながります。
5|受入機関(企業側)の要件
介護分野で特定技能外国人を雇用する企業は、以下要件を満たす必要があります。
介護分野における特定技能協議会への加入
受入事業所は「介護分野協議会」のメンバーとなり、所属機関証明書の提出が必要です。
日本人介護職員数制限
外国人介護職員は、日本人等の常勤介護職員数以内の人数しか受け入れ不可の制限があります。
法令遵守と支援義務
受入企業は、生活・就労面での支援を計画的に実施し、支援実績を残す必要があります。支援計画書の提出・適切な支援が義務付けられます。
6|更新・変更・在留資格変更について
在留資格の更新
特定技能1号は「更新申請」によって在留期間を延長可能です。更新には、
- 在職継続
- 社会保険・労働保険加入証明
- 前回申請書類の更新版
が必要です。
在留資格変更
他の在留資格(留学・技能実習)から特定技能1号に変更する場合は、所属機関書類に加えて、技能・日本語試験の合格証明等が必要です。変更申請の詳細は出入国在留管理庁ガイドラインをご参照ください。
7|よくある質問(Q&A)
Q1. 特定技能ビザは永住申請できますか?
→ 原則できません。 特定技能1号は永住申請不可です。別の在留資格(技能・専門職等)に変更する必要があります。
Q2. 家族の帯同はできますか?
→ 家族帯同は不可です。扶養条件を満たしても同伴不可となっています。
Q3. 技能実習2号修了者は試験免除ですか?
→ 同分野かつ良好修了者の場合、技能及び日本語試験免除となることがあります。詳細は公式要領をご確認ください。
Q4. 提出書類は返却されますか?
→ 原則返却不可です。重要書類はコピーを保存してください。
8|関連記事・参考リンク
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参考リンク
まとめ
介護分野の**特定技能ビザ(特定技能1号)**は、外国人介護士の受け入れを通じて介護現場の人材不足を補う重要な制度です。必要書類の準備と注意点を正確に理解し、書類不備や申請ミスを防ぐことで、スムーズな申請につながります。
しっかり準備して、申請成功へ進みましょう!
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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