特定技能ビザの分野別必要書類を徹底解説|出入国在留管理庁公式要領対応
【出入国在留管理庁公式情報に基づく完全解説】
目次
はじめに
特定技能ビザ(在留資格「特定技能」)は、日本国内で深刻化する人手不足を背景に創設された在留資格で、一定の専門性・技能を有する外国人材の就労を可能にする制度です。
特定技能ビザの申請では、「共通で必要な書類」に加え、従事する産業分野ごとに追加で提出しなければならない書類が存在します。これを理解せずに申請すると、不許可や追加資料要請の原因になります。
本記事では、出入国在留管理庁の公式資料
- 特定技能運用要領
- 特定技能在留資格公式サイト
を根拠として、産業分野別に必要となる書類の考え方・具体例・注意点を、実務目線でわかりやすく解説します。
1.特定技能ビザとは?制度の基本整理
特定技能ビザには以下の2種類があります。
■ 特定技能1号
- 在留期間:通算5年まで
- 家族帯同:不可
- 日本語能力・技能試験:原則必須
- 支援計画:必須
■ 特定技能2号
- 在留期間:更新制限なし
- 家族帯同:可
- 技能水準:より高度
- 支援計画:不要
現在、特定技能制度では 16分野 が対象とされており、それぞれ所管省庁・技能試験・提出書類が異なります。
2.特定技能ビザ申請における書類構成の全体像
特定技能ビザの申請書類は、次の3つに分類できます。
(1)外国人本人に関する書類(全分野共通)
- 在留資格認定証明書交付申請書(または在留資格変更許可申請書)
- 写真(規定サイズ)
- パスポート写し
- 履歴書
- 技能試験合格証明書
- 日本語能力試験合格証明書(該当者)
- 健康診断書
- 雇用契約書の写し
これらは どの産業分野であっても原則必須 となる基本書類です。
(2)受入機関(雇用企業)に関する書類(共通)
- 法人登記事項証明書
- 決算書類
- 納税証明書
- 労働条件通知書
- 雇用契約書
- 特定技能外国人支援計画書(1号)
(3)【重要】産業分野ごとに必要な追加書類
ここが本記事の核心部分です。
特定技能制度では、分野別運用要領 が定められており、分野ごとに追加書類が課されます。
3.産業分野別|特定技能ビザの必要書類一覧と解説
【介護分野】
介護分野では、次の書類が必須です。
- 介護技能評価試験 合格証明書
- 日本語能力試験(N4以上)または介護日本語評価試験 合格証明書
ポイント
介護分野は「対人業務」が中心となるため、日本語能力が厳格に審査されます。
技能実習修了者であっても、日本語要件を満たしていない場合は不許可リスクがあります。
【外食業分野】
- 外食業技能測定試験 合格証明書
注意点
調理補助だけでなく、接客・衛生管理を含む業務内容であることを、雇用契約書や業務説明書で明確にする必要があります。
【農業分野】
- 農業技能測定試験 合格証明書
補足
耕種農業・畜産農業で試験区分が異なるため、業務内容と合格試験の整合性が重要です。
【建設分野】
建設分野は、特定技能の中でも最も書類が多い分野です。
- 建設分野特定技能受入計画書
- 国土交通省への認定書類
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)登録情報
重要ポイント
建設分野では、出入国在留管理庁だけでなく、国土交通省の審査も必要になります。
この手続きを怠ると、入管審査に進めません。
【製造業分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連)】
- 分野別技能測定試験 合格証明書
実務上の注意
製造業は業務区分が細分化されており、
「実際の業務内容」と「試験区分」が一致していないと不許可になります。
【宿泊業分野】
- 宿泊業技能測定試験 合格証明書
フロント・接客・客室管理など、宿泊業務全般に従事することが求められます。
【自動車整備分野】
- 自動車整備技能測定試験 合格証明書
【その他分野(航空、ビルクリーニング、飲食料品製造業 等)】
各分野ごとに定められた 技能測定試験合格証明書 が必要です。
4.産業分野別書類の確認方法(公式)
分野ごとの必要書類は、出入国在留管理庁が公表している
「特定技能 在留資格申請に係る提出書類一覧・確認表(分野別)」
で確認できます。
公式サイト
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html
5.よくある質問(Q&A)
Q1.分野ごとの書類は省略できますか?
いいえ。分野別書類は 法令・運用要領に基づく必須書類 で、省略はできません。
Q2.技能実習修了者でも追加書類は必要ですか?
はい。技能実習修了者であっても、分野ごとに定められた要件を満たすことを示す資料が必要です。
Q3.書類が外国語の場合はどうすればいい?
すべて 日本語訳の添付が必須 です。翻訳者の氏名を明記することが推奨されます。
6.行政書士等の専門家に相談すべきケース
- 建設分野・複雑な製造業分野
- 業務内容と試験区分の判断が難しい場合
- 過去に不許可歴がある場合
まとめ
特定技能ビザの申請では、
「共通書類+産業分野別追加書類」 の理解が不可欠です。
特に産業分野別書類は、
- 試験区分
- 業務内容
- 所管省庁要件
が密接に関係しており、形式的な書類提出だけでは許可されません。
必ず公式情報を確認し、正確な書類準備を行いましょう。
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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