特定技能の届出管理チェックリスト|受入れ機関が必ず守るべき随時・定期届出の全要件【保存版】

特定技能(1号・2号)の外国人を受け入れる企業は、入管法に基づく「届出義務」を厳格に守らなければなりません。
特定技能制度では、

  • 随時届出(14日以内)
  • 定期届出(3か月ごと)
  • 変更届出(変更が生じたとき)

が義務付けられており、届出漏れ=不適正受入れとして、
受入れ停止・特定技能の更新不許可・新規受入れ停止 に直結します。

本記事では、受入れ機関が実務で必ず使用できる届出管理チェックリストをわかりやすく解説します。


この記事でわかること

  • 特定技能の届出制度とは?
  • 受入れ機関が提出すべき 随時届出・定期届出 の内容
  • 実務で使える 届出漏れ防止チェックリスト
  • よくある不許可・指導事例
  • 届出の作り方・提出方法
  • 専門家がすすめる管理体制の作り方
  • Q&A(よくある質問)

1.特定技能の届出制度とは?受入れ企業が必ず守るべき法的義務

特定技能制度では、外国人本人の就労状況・生活状況の適正管理が徹底されているため、受入れ企業は、法務省が定める届出を期限内に提出する義務があります。

根拠

  • 出入国管理及び難民認定法(入管法)
  • 法務省入国在留管理庁「特定技能制度運用要領」

2.特定技能の届出の種類|随時届出・定期届出・変更届出

【1】随時届出(変動があったら14日以内)

14日以内厳守。届出漏れは即「不適正受入れ」扱い。

届出が必要な主なケース

No届出が必要な事由
1外国人の退職・解雇
2従事する業務内容の変更
3就労場所の変更(店舗異動など)
4外国人の住所変更
5給与額の変更
6支援委託契約の変更/解除
7受入れ機関の名称・所在地の変更
8受入れ企業の代表者変更

【2】定期届出(3か月ごと)

3か月に1回、必ず提出する定期報告。

定期届出の提出内容

書類内容
1特定技能外国人の活動状況報告
2適正な労働条件・労働時間の証明(給与台帳等)
3支援実施状況報告(1号のみ)
4住居・生活状況の報告
5受入れ機関の経営状況の報告(必要な場合)

3.特定技能届出の提出方法|電子申請が必須級

現在は 在留申請オンラインシステム での提出が主流。
郵送も可能ですが、遅延リスクが減るため電子申請を推奨します。


4.特定技能届出の管理チェックリスト(実務で使える保存版)

以下は 実際の企業がそのまま使える形で構成したチェックリストです。


【A】受入れ機関の法的要件チェック

✔ 特定技能所属機関の基準を全て満たしている
✔ 労働保険・社会保険に適正加入
✔ 外国人の雇用契約がフルタイムで適正
✔ 法令違反(労基法違反・社保未加入)がない
✔ 過去に不適正受入れの指導を受けていない


【B】随時届出チェックリスト(14日以内)

人事変更・退職

✔ 外国人が退職した
✔ 解雇/契約解除があった
✔ 就労時間の大幅変更
✔ 給与額の変更
✔ 夜勤導入 → 変更届が必要

勤務地・業務内容の変更

✔ 店舗移動
✔ 工場ラインの変更
✔ 業務内容の追加・変更
職務内容の変更は必ず届出が必要

外国人本人の変更

✔ 日本国内での住所変更
✔ 電話番号・緊急連絡先の変更
✔ 賃貸契約の名義変更

会社側の変更

✔ 社名変更
✔ 代表者変更
✔ 所在地変更(本店移転)


【C】定期届出チェックリスト(3か月ごと)

労働条件の継続確認

✔ 賃金が「日本人と同等以上」になっている
✔ 給与台帳で支払い遅延なし
✔ 残業代が適正に支払われている
✔ 労働条件通知書の変更は届出済み

支援状況(1号)

✔ 日本語学習サポートを実施
✔ 生活支援(銀行・携帯・市役所同行)を実施
✔ 住居確保の状況を確認
✔ 転居希望があれば支援済み

本人状況

✔ 出勤状況に問題なし
✔ 日本語能力向上の推移確認
✔ 健康状態に問題なし


5.届出漏れで起きる重大リスク

リスク①

受入れ停止(最長5年)

一度受入れ停止になると、企業は 新規の特定技能外国人の受入れが禁止されます。

リスク②

特定技能外国人の更新不許可

届出漏れがあると、外国人本人が責任を負う形で更新不許可になることもあります。

リスク③

法務省の立入調査・改善命令

労基法違反、社保未加入、届出不履行があると調査の対象になります。


6.届出管理をラクにする運用体制の作り方

① 企業内で「届出担当者」を固定する

人事・総務に1名以上の管理者を置く。

② 外国人とLINE/WhatsAppで連絡グループ作成

住所変更・転職意向等の変化に即気づける。

③ 勤怠管理システムと連携

労働時間の逸脱があれば即異常検知。

④ 支援委託の実績報告書をテンプレ化

誰でも提出できる状態に。

⑤ 行政書士など専門家の継続サポートを受ける

最もミスが多いのが「随時届出の提出忘れ」。
専門家が入ると大幅にリスクが減る。


7.特定技能の届出に関するQ&A

Q1. 届出は何日以内に提出すればいい?

随時:14日以内、定期:3か月ごと です。


Q2. 店舗移動だけでも届出が必要?

必須です。
特定技能は「活動場所」の裏付けが必要なため、店舗移動は提出必須。


Q3. 給与変更(1万円程度)でも届出が必要?

必要です。
給与は特定技能の核心要件であるため、小幅でも必ず届出ます。


Q4. 定期届出は3か月を過ぎても提出できる?

できますが、遅れ=不適正受入れと判断され指導リスクがあります。


Q5. 支援委託の変更時はどうする?

委託契約書を添付して 変更届 を提出します。


8.まとめ|特定技能の届出管理は「提出漏れゼロ」が絶対条件

特定技能制度において、届出管理は 企業の信用に直結する最重要義務です。

特に随時届出は期限が短く、提出漏れが最も多いポイントです。
この「届出管理チェックリスト」を使用することで、

  • 届出漏れゼロ
  • 労務リスクゼロ
  • 更新不許可の防止
  • 受入れ停止リスクの回避

が実現できます。


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参考リンク

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
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