特定技能ビザ(1号・2号)の在留期間はどのくらい?|2号は“11分野”で無期限更新OK|永住との関係も専門家が徹底解説
結論:特定技能の在留期間は、1号と2号でまったく異なります。
- 特定技能1号:累計最長5年(延長不可)
- 特定技能2号:上限なし・無制限で更新可能(11分野)
この記事では最新の制度改正(2号の11分野化)を踏まえて、
在留期間・更新回数・上限・永住への影響 まで、行政書士の実務レベルで詳しく解説します。
目次
1|特定技能とは?1号と2号で在留期間が異なる理由
■ 特定技能とは
深刻な人手不足の分野で就労できる在留資格。
外国人が技術試験・日本語試験に合格することで取得できます。
■ 在留期間が異なる理由
- 1号=一定技能(受入期間は限定)
→ 累計5年で終了 - 2号=熟練技能(長期活躍を前提)
→ 在留期間の上限なし
制度上、1号は「期間限定」、2号は「長期的な受入」を意図しています。
2|特定技能1号の在留期間|6ヶ月・1年・1年6ヶ月・2年(累計5年まで)
法律上、特定技能1号で認められる在留期間は以下の通り。
- 6か月
- 1年
- 1年6か月(分野により)
- 2年(分野により)
■ 実務では「1年 or 6ヶ月」が最も多い
とくに初回は慎重に審査されるため、短めの期間が付与される傾向があります。
■ 1号は累計5年まで
特定技能1号は 通算5年 を超えることができません。
例:
1年+1年+1年+1年+1年=5年 → これで終了
更新回数は自由ですが、合計5年を超えると必ず在留終了 となります。
■ 5年を使い切ったらどうする?
次のいずれかになります。
- 特定技能2号に在留資格変更(該当11分野のみ)
- 別ビザへ変更(技人国・配偶者・定住者など)
- いったん帰国
3|特定技能2号の在留期間|上限なし(11分野で無制限更新OK)
特定技能2号は、以下の点で1号と大きく異なります。
■ 在留期間の種類
- 6か月
- 1年
- 3年
- 5年
■ 累計の上限なし
更新を続ければ 無期限で日本に滞在できます。
これは、2号が「永住に近い扱い」であるためです。
■ 特定技能2号の対象分野(2025年時点:11分野)
政府方針により、2号は以下の 11分野 が対象です。
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 素形材産業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊
- 航空
- 農業・漁業(分野統合のため、国の資料で両方含め11分野扱い)
※制度改正により“製造業”が横断化し、対象分野として統合扱いされています。
■ 家族帯同が可能
2号は以下が帯同できます。
- 配偶者
- 子ども
しかも 配偶者は就労も可能。
4|特定技能1号「5年上限」の計算方法|ミスしやすいポイント
① カウントは「有効期間」で行う
- 正:在留カードの満了日まで
- 誤:許可日から計算
② 海外に出てもカウントは止まらない
帰国中でも在留期間のカウントは進みます。
③ 技能実習の期間は含まれない
技能実習2号・3号の期間は5年に影響しません。
5|1号 → 2号への変更条件(最新11分野対応)
2号に変更できるのは、2号対象11分野に従事している場合のみ。
■ 主な条件
- 対象分野で就労している
- 熟練技能評価試験(2号試験)に合格
- 企業が受入要件を満たしている
- 適正な雇用・社会保険加入・税金滞納がない
6|在留期間更新の必要書類と審査ポイント
■ 必要書類(例)
- 在留期間更新許可申請書
- 雇用契約書
- 支援計画書
- 税証明(課税証明書+納税証明書)
- 社会保険加入証明
- 給与台帳
- 業務経歴書
■ 審査ポイント
- 待遇が適正か
- 分野ごとの基準に適合か
- 失踪リスクがないか
- 社会保険未加入・未払いがないか
不備があると 在留期間が短くなる(6か月)」ケースも増えています。
7|特定技能の在留期間と永住申請の関係
■ 特定技能1号のままでは永住不可
累計5年で終了+家族帯同不可。
■ 永住への現実的ルート
特定技能2号 → 永住申請(10年在留で可能)
永住の主な条件:
- 日本在留10年以上
- 就労ビザで通算5年以上活動
- 税金・社会保険を適切に納付
- 年収要件を満たす(生活保護にならない)
- 素行善良性(交通違反も影響)
2号は無期限で居住できるため、永住への道が開かれています。
8|よくあるQ&A
Q1. 特定技能1号で最初から2年もらえる?
→ 実務では 1年 or 6ヶ月が一般的。
Q2. 特定技能1号の5年を超えたらどうなる?
→ 2号に移行できなければ、日本を離れる必要があります。
Q3. 特定技能2号は本当に無制限?
→ はい。更新上限はありません。
Q4. 2号の11分野は今後増える?
→ 政府方針では「さらなる拡大を検討」とされています。
Q5. 特定技能2号は永住申請しやすい?
→ 1号と比べて圧倒的に有利。
(在留上限なし+家族帯同可のため、長期的な就労が可能)
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参考リンク
まとめ|特定技能の在留期間は“1号=5年上限・2号=無期限”
| 区分 | 在留期間 | 家族帯同 | 永住 | 分野数 |
|---|---|---|---|---|
| 1号 | 累計5年まで | × | 不可 | 12分野 |
| 2号 | 上限なし(無制限) | ○ | 可(要件あり) | 11分野 |
1号は「期限つき」、2号は「長期滞在が前提」のビザです。
特に2025年時点では 2号の11分野化により、永住ルートとして非常に有力 になっています。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

