特定技能ビザと家族帯同|1号・2号の違いと最新16分野・11分野の完全解説

外国人が日本で就労するための在留資格の一つに「特定技能ビザ」があります。技能実習制度の次のステップとして注目されるこの制度ですが、多くの方が気になるのは「家族を日本に呼べるのか?」という点です。本記事では、最新の制度改正(2025年時点)を踏まえ、特定技能ビザでの家族帯同の可否、対象分野の最新情報、そして将来的な展望について詳しく解説します。


1. 特定技能ビザとは?

「特定技能ビザ」とは、深刻な人手不足が続く産業分野で外国人材を受け入れるために、2019年4月に創設された在留資格です。技能実習制度と異なり、労働力確保を主な目的としており、即戦力として外国人が日本企業で就労することが可能です。

出典:出入国在留管理庁|特定技能制度


2. 特定技能1号と2号の違い

特定技能には 1号2号 の2種類があります。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間1年・6か月・4か月ごと更新(最長5年)無期限で更新可能
就労分野16分野11分野
技能水準試験または技能実習2号修了高度な技能試験に合格
家族帯同原則不可可能(配偶者・子供)

3. 特定技能1号で家族帯同はできる?

結論から言うと、特定技能1号では家族帯同はできません。つまり、配偶者や子供を「家族滞在ビザ」で呼び寄せることは認められていません。

理由

  • 1号は「一時的な就労」を想定しているため
  • 最長5年間の在留に制限されているため
  • 技能実習制度の延長的な性格が強いため

そのため、特定技能1号で日本に滞在する間は、原則として単身赴任となります。


4. 特定技能2号で家族帯同は可能?

はい、可能です。

特定技能2号では、配偶者や子供を「家族滞在ビザ」で帯同することができます。さらに、在留期間の上限がなく、永住権取得への道も開かれている点が大きなメリットです。

特定技能2号での家族帯同条件

  • 本人が特定技能2号の在留資格を持っていること
  • 安定した収入があること(家族を養えるだけの生活基盤)
  • 配偶者や子供の身分関係を証明する戸籍や婚姻証明書等の提出

5. 特定技能の対象分野(最新情報)

特定技能1号:16分野

2025年現在、特定技能1号の対象は以下の 16分野 です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 製造業(工業製品製造業:素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業の統合)
  4. 建設
  5. 造船・舶用工業
  6. 自動車整備
  7. 航空
  8. 宿泊
  9. 農業
  10. 漁業
  11. 飲食料品製造業
  12. 外食業
  13. 林業(2024年追加)
  14. 自動車運送業(2024年追加)
  15. 鉄道(2024年追加)
  16. 木材産業

特定技能2号:11分野

2023年の制度改正により、特定技能2号の対象は 建設・造船から拡大し、現在は11分野 になっています。

  1. 建設
  2. 造船・舶用工業
  3. 自動車整備
  4. 航空
  5. 宿泊
  6. 農業
  7. 漁業
  8. 飲食料品製造業
  9. 外食業
  10. ビルクリーニング
  11. 製造業(工業製品製造業)

※ 介護分野は 特定技能2号の対象外 です。


6. なぜ特定技能1号では家族帯同が認められていないのか

1号は「人手不足を一時的に補う」ことを目的にしているため、長期的な在留や定住を前提としていません。そのため、以下の理由から家族帯同が認められていません。

  • 在留期間に5年の上限があるため
  • 日本での永住を前提としていないため
  • 家族帯同を認めると社会保障や教育の問題が生じるため

7. 永住や他ビザへの移行による家族帯同の道

特定技能1号から直接家族帯同はできませんが、以下の方法で将来的に可能になります。

  • 特定技能2号に移行して家族帯同を認めてもらう
  • 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)に変更して家族帯同する
  • 日本人配偶者ビザや永住者ビザを取得して帯同可能にする

8. Q&A(よくある質問)

Q1: 特定技能1号のままでも、短期滞在で家族を呼ぶことはできますか?

A1: 観光ビザや短期滞在ビザでの呼び寄せは可能ですが、長期的な帯同は不可です。

Q2: 特定技能2号に移行するにはどうすればいいですか?

A2: 一定の就労経験や試験合格が必要です。詳細は出入国在留管理庁のガイドラインをご確認ください。

Q3: 家族帯同ビザで呼べる範囲は?

A3: 配偶者と子供のみです。両親や兄弟は対象外です。


9. まとめ

  • 特定技能1号では家族帯同は不可。
  • 特定技能2号なら家族帯同が可能。
  • 特定技能1号から2号へ移行することで、永住申請や定住の可能性も広がる。
  • 最新の対象分野は1号で16分野、2号で11分野。

ポイントは「どの分野で、どの号の特定技能を持つか」によって家族帯同の可否が変わるということです。将来的に家族と一緒に日本で暮らしたい方は、2号への移行や永住申請を見据えたキャリア設計が必要です。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法