偽装結婚と配偶者ビザ申請|不許可リスクと入管が確認するポイント【完全ガイド】
目次
はじめに
日本人と外国人が結婚すると、多くの場合「日本人の配偶者等ビザ」を申請して日本での生活を始めます。しかし、**偽装結婚(在留資格目的だけの結婚)**が社会問題となっており、出入国在留管理庁(入管)は配偶者ビザ申請に対して非常に厳しい審査を行っています。
実際に、真実の結婚であっても、入管に「偽装結婚の疑いがある」と判断されれば不許可となるケースもあります。この記事では、偽装結婚と判断される典型例、不許可リスク、入管がチェックする審査ポイント、許可を得るための対策を詳しく解説します。
1. 偽装結婚とは?
偽装結婚とは、実態として婚姻関係が存在しないにもかかわらず、在留資格の取得・更新や金銭のために結婚届を提出する行為を指します。日本の入管法では、偽装結婚を不法就労助長や不正在留と同等に扱い、厳しい処罰の対象となります。
- 外国人側の目的:日本での就労・永住権取得
- 日本人側の目的:報酬の受け取り、ビザ取得協力
- 実態:同居していない、生活実態がない、短期間で離婚など
入管はこうした不正を防止するため、配偶者ビザ申請において徹底的に調査を行います。
2. 偽装結婚の典型例
偽装結婚と判断されやすい事例には以下のようなものがあります。
- 実際には別居している
- 互いの言語が通じず、意思疎通が困難
- 交際期間が極端に短いまま結婚
- 婚姻費用の支払いと金銭授受が証拠として存在
- 結婚の経緯や出会いについて説明が不自然
- 日本人配偶者が過去に複数回、外国人と結婚・離婚を繰り返している
3. 偽装結婚と判断された場合のリスク
万一、入管から「偽装結婚」と判断されると、深刻な結果を招きます。
- 配偶者ビザ不許可
→ 在留資格が得られず、日本で生活できない。 - 強制退去・入国禁止
→ 偽装結婚が悪質と認定された場合、退去強制の対象となり、5年間の再入国禁止処分を受けることもある。 - 刑事罰
→ 虚偽婚姻の幇助は、日本人配偶者側も刑事罰の対象となる可能性あり。
4. 入管が確認する審査ポイント
入管は以下の観点から、結婚が真実かどうかを確認します。
(1) 交際・結婚の経緯
- 出会いの場所や時期
- 交際期間と交際実態(写真・SNS・旅行履歴など)
- プロポーズや結婚に至った自然な経緯
(2) 生活実態
- 同居の有無
- 生活費の分担
- 電話・メッセージ・送金記録など
(3) 家族・親族の認識
- 両家が婚姻を承知しているか
- 結婚式や親族挨拶の有無
(4) 日本人配偶者の状況
- 職業・収入の安定性
- 過去の外国人との婚姻歴
関連記事:日本人の配偶者ビザの身元保証書の書き方と記入例を徹底解説
5. 配偶者ビザを許可されるための対策
真実の結婚であっても、十分な立証をしなければ「偽装結婚の疑い」とされてしまいます。以下の対策が重要です。
- 写真や通信記録の提出
- 旅行や日常生活の写真
- LINEやメールの履歴
- 婚姻の経緯を丁寧に説明
- 申請書や質問書で、出会いから結婚までの流れを詳細に記載
- 同居実態の証明
- 賃貸契約書や住民票に同居の記録を残す
- 安定した収入の証明
- 日本人配偶者の源泉徴収票・確定申告書
- 行政書士のサポートを活用
- 専門家による書類作成・立証補強
6. 偽装結婚と配偶者ビザに関するQ&A
Q1. 真実の結婚なのに不許可になることはありますか?
A. はい。証拠や説明が不十分だと「偽装の疑い」と判断される場合があります。十分な資料を準備しましょう。
Q2. 別居婚の場合でも配偶者ビザは取れますか?
A. 可能ですが、別居の理由(仕事・留学など)を合理的に説明し、定期的な交流を証明する必要があります。
Q3. 収入が少ない場合は不許可になりますか?
A. 収入が低いと「生活基盤が不安定」と見なされるリスクがあります。必要に応じて親族の援助証明を添付することも有効です。
7. 専門家に依頼するメリット
配偶者ビザ申請は一見シンプルに見えて、実は入管の視点を意識した高度な立証作業が必要です。
行政書士などの専門家に依頼することで、以下のメリットがあります。
- 入管に伝わりやすい書類作成
- 偽装結婚の疑いを回避するための立証補強
- 不許可リスクがある場合の事前アドバイス
関連記事:日本人の配偶者ビザ申請を行政書士に依頼するメリットとは?
まとめ
偽装結婚は重大な法令違反であり、配偶者ビザ申請の大きな不許可理由となります。入管は 結婚の真実性・生活実態・収入の安定性 を細かく確認しています。
真実の結婚であっても、証拠が不十分であれば「偽装結婚の疑い」とされる可能性があるため、写真・通信履歴・生活証明・婚姻経緯の詳細な説明が必須です。
配偶者ビザ申請を成功させるためには、専門家のサポートを受けながら、徹底的に準備することが重要です。
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参考リンク
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |