単純労働ができるビザ一覧|在留資格と取得条件を徹底解説

はじめに

日本で働くための在留資格(ビザ)は多くの種類がありますが、ほとんどの就労ビザは高度な専門知識や技術を必要とし、いわゆる「単純労働」は認められていません
しかし、一定の条件を満たせば単純労働が可能な在留資格も存在します。この記事では、最新の制度改正も踏まえ、「単純労働ができるビザ」の種類と取得条件を詳しく解説します。


1. 「単純労働」とは?

日本の入管法では、単純労働という言葉は法律上の用語ではありませんが、一般的には以下のような業務を指します。

  • 工場でのライン作業
  • 介護現場での身体介助
  • 清掃業務
  • 飲食店の接客・配膳
  • 農業・漁業の現場作業

これらは通常の就労ビザ(例:技術・人文知識・国際業務)では認められていませんが、特定の在留資格であれば可能です。


2. 単純労働が可能な主な在留資格

2-1. 特定技能1号

2019年に創設された在留資格で、特定産業分野における人手不足を補う目的があります。
単純労働を含む現場作業が可能です。

対象分野(2025年8月時点)

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 木材産業
  • 林業
  • 自動車運送業

※参考:2024年より「外食業」「建設」など11分野では特定技能2号へ移行可能になりました。

詳細はこちら → 出入国在留管理庁:特定技能制度


2-2. 技能実習

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的としており、工場・農業・漁業などでの単純作業も可能です。
ただし「人手不足対策」ではなく「技能移転」が目的のため、在留期間は原則最長5年で更新不可。

関連リンク → 外国人技能実習機構


2-3. 永住者・定住者

「永住者」や「定住者」の在留資格があれば、就労制限は一切なく単純労働も可能です。
例:コンビニのアルバイト、清掃業務、工場作業など。


2-4. 家族滞在ビザ(資格外活動許可取得後)

家族滞在ビザを持つ外国人配偶者や子どもは、資格外活動許可を得ることで週28時間以内の単純労働が可能です。


3. 単純労働目的で来日できないビザ

  • 技術・人文知識・国際業務ビザ
  • 高度専門職ビザ
  • 経営管理ビザ

これらは高度な専門業務が対象であり、現場作業や単純作業は認められません。


4. よくある質問(Q&A)

Q1. 特定技能ビザと技能実習はどう違いますか?
A. 技能実習は技能移転が目的で在留期間が限定されますが、特定技能は人手不足分野での労働力確保が目的で、更新可能です。

Q2. 観光ビザで単純労働できますか?
A. できません。観光ビザでの就労は法律違反であり、強制退去の対象になります。

Q3. 永住申請前に単純労働経験は影響しますか?
A. 適法に就労していれば問題ありませんが、資格外活動の無許可就労はマイナス評価になります。


5. まとめ

単純労働は原則として日本の就労ビザでは認められていませんが、**特定技能・技能実習・永住者・定住者・家族滞在(資格外活動許可付)**などでは可能です。
制度は頻繁に改正されるため、申請前に最新情報を確認することが重要です。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法