介護分野の特定技能1号と介護ビザの違いとは?取得要件からキャリアアップまで徹底解説

日本で外国人が介護職として働くための主な在留資格には「特定技能1号(介護分野)」と「介護ビザ(正式名称:在留資格「介護」)」があります。この2つは混同されがちですが、取得要件・在留期間・永住への道筋・キャリアアップなど、さまざまな点で大きな違いがあります。

本記事では、それぞれの特徴をわかりやすく比較し、あなたに最適な選択肢を導くための情報を提供します。


1. 特定技能1号(介護分野)とは?

「特定技能1号」は、一定の技能と日本語能力を持った外国人に対して就労を認める在留資格で、介護分野も対象の1つです。

◆ 主な取得要件

  • 介護技能評価試験に合格
  • 介護日本語評価試験 または 日本語能力試験(N4以上)に合格
  • 「介護福祉士養成施設修了者」や「EPA介護福祉士候補者として4年間在留歴あり」は試験免除

詳しくはこちら:特定技能1号ビザを「介護」分野で取得するための要件とは?〜技能試験・日本語試験・免除条件も徹底解説〜

◆ 特徴

  • 在留期間は最大5年(更新可能)
  • 家族の帯同は原則不可
  • 永住申請は原則不可

2. 介護ビザ(在留資格「介護」)とは?

「介護ビザ」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人に対して発給される在留資格です。高度人材に分類され、在留資格「技術・人文知識・国際業務」と同レベルの扱いです。

◆ 主な取得要件

  • 日本国内の介護福祉士養成施設を卒業
  • 国家試験に合格して介護福祉士資格を取得
  • 就職先の介護施設と雇用契約を締結

◆ 特徴

  • 在留期間は1年~5年(更新可、更新に上限なし)
  • 家族の帯同が可能(要件を満たせば「家族滞在」)
  • 永住申請の対象になりうる

3. 特定技能1号と介護ビザの違い比較表

項目特定技能1号(介護)介護ビザ(在留資格「介護」)
必要資格技能評価試験、日本語試験介護福祉士国家資格
在留期間最長5年(通算)制限なし(更新可)
家族の帯同不可可(条件あり)
永住申請原則不可(就労ビザ変更が必要)可能(条件あり)
キャリアアップ制限ありリーダー職等へ進める

4. どちらを目指すべき?キャリアアップの観点から解説

◆ 短期で働きたいなら → 特定技能1号(介護)

  • 日本語がまだ不十分でも受験できる
  • まずは現場経験を積むには最適
  • 後に介護福祉士を目指す道も開ける

◆ 長期的に働きたいなら → 介護ビザ

  • 国家資格が前提のため即戦力として評価される
  • 昇進や賃金アップも見込める
  • 永住や家族の呼び寄せも視野に入る

5. 永住への道は?

◆ 特定技能からの永住は可能?

直接の永住申請は原則できませんが、以下の流れなら可能性があります:

  1. 特定技能 → 介護福祉士資格取得
  2. 在留資格「介護」へ変更
  3. 日本在留10年(就労5年)以上 → 永住申請可

関連記事:【永住につながる?】介護ビザから永住権を取得するための条件とは


6. よくある質問(FAQ)

Q. 特定技能1号は5年後に帰国しないといけませんか?

はい。原則として在留は通算5年までです。ただし介護福祉士の資格を取得し、ビザを変更すれば継続就労可能です。

Q. 介護福祉士を取れば自動でビザが変わりますか?

いいえ。資格取得後に「在留資格変更許可申請」を出す必要があります。


7. まとめ

ポイント特定技能1号(介護)介護ビザ
取得ハードル低め(試験合格)高め(国家資格)
将来性・安定性限定的長期就労に最適
キャリアアップ・永住申請の可能性制限あり可能

**短期的に介護現場で働きたい方は「特定技能1号」、長期的に介護職としてキャリアを築きたい方は「介護ビザ」**を目指すのが一般的です。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法