特定技能外国人との雇用契約に関する注意点は何ですか?
目次
1,特定技能外国人との雇用契約は、どうすれば良いですか?
特定技能外国人と雇用契約を締結する際には、特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援契約の基準等を定める基準に適合している必要があります。具体的には、雇用契約には、特定技能外国人が行う就業先での活動の内容及びこれに対する報酬その他の雇用関係に関する事項の他、特定技能雇用契約の期間が満了した外国人の出国を確保するための措置その他当該外国人の適正な在留に資するために必要な事項が適切に定められる必要があります。
また、雇用契約での特定技能外国人の待遇は、日本人と同等以上の内容である必要があります。つまり、外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設(社員住宅、診療施設、保養所、体育館など)の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをすることは認められません。
2,雇用契約の注意点は何ですか?
特定技能外国人と雇用契約を締結するに当たっては、以下の7点について注意を払う必要があります。以下では、各々について検討します。
(1)業務内容の注意点
特定技能外国人が従事する業務内容として、①特定技能外国人が勤務する産業分野に属する相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能を要する業務であること、又は②当該分野に属する熟練した技能を要する業務であることが必要です。
①については、1号特定技能外国人は、相当程度の知識または経験を必要とする技能として、分野別運用方針及び分野別運用要領で定める水準を満たす技能を要する業務に従事させるものである必要があります。②については、2号特定技能外国人は、熟練した技能として分野別運用方針及び分野別運用要領で定める水準を満たす技能を要する業務に従事させるものである必要があります。
(2)労働時間の注意点
特定技能外国人の所定労働時間は、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等でなければなりません。特定技能外国人の所定労働時間は、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であることが求められています。
(3)報酬等の注意点
契約上の特定技能外国人に対する報酬の額は、日本人が同等の業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であることが求められています。外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをすることは禁じられています。
(4)有給休暇の注意点
雇用契約内容は、特定技能外国人が一時帰国を希望する場合に、必要な有給休暇を取得できる内容である必要があります。つまり、特定技能所属機関は、事業の適正な運営を妨げる場合等業務上やむを得ない事情がある場合を除いて、特定技能外国人から一時帰国の申出があった場合は、有給休暇を取得することができるように配慮することが求められています。特定技能外国人が、既に労働基準法上の年次有給休暇を全て取得している場合でも、一時帰国を希望する申し出があった場合は、追加的な有給休暇や無給休暇を取得することができるように配慮することまで望まれています。
(5)派遣の場合の注意点
特定技能外国人を労働者派遣等の対象とする場合は、派遣の期間が定められている必要があります。労働者派遣法又は船員職業安定法に基づき、特定技能外国人を派遣労働者として雇用する場合は、派遣先並びに派遣の期間が定められていることが要求されています。
(6)帰国費用の注意点
特定技能雇用契約の終了後に、特定技能外国人が帰国に要する費用を支出することができない場合は、特定技能所属機関が当該帰国に要する費用を負担する必要があります。また、特定技能雇用契約の終了後の出国が円滑になされるように必要な措置を講じることが必要となります。
特定技能雇用契約の終了後の帰国費用については、原則としては特定技能外国人本人負担とされています。しかし、特定技能外国人が帰国費用を支出できない場合は、出国が円滑になされる措置が講じられることが求められ、特定技能所属機関が帰国費用を負担することが要求されます。
(7)健康状態その他の生活状況把握のための必要な措置の注意点
特定技能所属機関は特定技能外国人の健康状態その他の生活状況を把握するために必要な措置を講じなければなりません。特定技能外国人が日本で安定的に就労活動に従事できるように上記措置を講じることが求められています。
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |