特定技能登録支援機関の業務とは?役割・義務的支援10項目を行政書士が徹底解説

はじめに

2019年に創設された「特定技能制度」は、日本の深刻な人手不足を背景に、一定の技能を持つ外国人を受け入れるための制度です。
この制度の中で重要な役割を担うのが 登録支援機関 です。

特定技能1号外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、外国人が日本で安定して働き生活できるよう 支援計画を作成し、生活支援を行う義務 があります。
しかし企業自身で支援体制を整えることが難しい場合、登録支援機関に支援業務を委託することが可能です。

この記事では、入管制度の実務を踏まえながら

  • 登録支援機関とは何か
  • 登録支援機関の具体的な業務
  • 義務的支援10項目
  • 企業が委託するメリット
  • 登録支援機関の義務・注意点

などを 行政書士実務レベルで分かりやすく解説します。


登録支援機関とは

登録支援機関の定義

登録支援機関とは、
特定技能外国人の支援業務を企業に代わって行う機関です。

特定技能1号外国人を受け入れる企業は、外国人が日本で円滑に働き生活できるようにするための 「1号特定技能外国人支援計画」 を作成し、その計画に基づいて支援を行う必要があります。

この支援は

  • 受入企業が自社で行う
  • 登録支援機関へ委託する

いずれかの方法で実施できます。

つまり登録支援機関とは

外国人の生活・就労支援を専門的に行う外部機関

という位置付けになります。


登録支援機関の主な役割

登録支援機関の役割は大きく次の3つです。

① 特定技能外国人の生活支援

外国人が日本で生活するためのサポートを行います。

  • 住居の確保
  • 銀行口座開設
  • 行政手続
  • 生活オリエンテーション

② 就労環境のサポート

外国人が職場に適応できるように支援します。

  • 労働条件説明
  • 職場相談
  • トラブル対応

③ 日本社会への適応支援

外国人が地域社会で生活できるよう支援します。

  • 日本語学習支援
  • 地域生活情報の提供
  • 行政窓口案内

このように、登録支援機関は

外国人労働者の「生活」「仕事」「社会生活」すべてを支える役割

を担っています。


登録支援機関の業務(義務的支援10項目)

特定技能制度では、
支援計画に含めるべき 義務的支援10項目 が定められています。

登録支援機関は、企業から委託を受けた場合、これらの支援を実施します。

以下、実務に沿って詳しく解説します。


① 事前ガイダンス

外国人と雇用契約を結んだ後、入国前に以下の内容を説明します。

主な説明内容

  • 労働条件
  • 活動内容
  • 入国手続
  • 日本での生活
  • 保証金徴収の有無

ガイダンスは

  • 対面
  • オンライン
  • テレビ電話

などで行うことができます。


② 出入国時の送迎

外国人が入国した際には

  • 空港送迎
  • 住居への移動支援

を行います。

また帰国時にも

  • 空港への送迎
  • 出国確認

などの支援が必要です。


③ 住居確保・生活契約支援

外国人が日本で生活するためには

  • 住居契約
  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • 携帯電話

などの契約が必要になります。

登録支援機関はこれらの契約をサポートします。


④ 生活オリエンテーション

外国人が日本で生活するために必要な情報を説明します。

主な内容

  • 日本の法律
  • ゴミ出しルール
  • 災害時の対応
  • 医療機関の利用方法
  • 公共交通機関

このオリエンテーションは

最低8時間以上

行う必要があります。


⑤ 公的手続への同行

外国人が行政手続きを行う際の支援を行います。

  • 住民登録
  • マイナンバー
  • 国民健康保険
  • 年金

外国人にとって行政手続は非常に難しいため、重要な支援業務です。


⑥ 日本語学習の機会提供

登録支援機関は外国人に対し

  • 日本語教室
  • 日本語教材
  • eラーニング

などの情報提供を行います。


⑦ 相談・苦情対応

外国人からの相談に対応する体制を整える必要があります。

主な相談内容

  • 職場トラブル
  • 給与
  • 生活問題
  • 人間関係

相談は

母国語または理解できる言語

で対応する必要があります。


⑧ 日本人との交流促進

外国人が地域社会に適応できるよう

  • 地域イベント
  • 交流会
  • 地域団体

などの情報提供を行います。


⑨ 転職支援(受入企業の都合による場合)

企業の事情で雇用契約が終了した場合

登録支援機関は

  • 新しい職場探し
  • 求人紹介

などの支援を行います。


⑩ 定期面談・行政機関への通報

登録支援機関は

  • 外国人
  • 企業

双方と定期的に面談を行います。

また

  • 法令違反
  • 不適切な労働環境

などを発見した場合は

入管へ報告する義務

があります。


登録支援機関の義務

登録支援機関には以下の義務があります。

① 入管への届出

登録支援機関は

  • 定期届出
  • 随時届出

を入管に提出する必要があります。

② 支援計画の適切な実施

支援業務を適切に行わない場合

  • 登録取消
  • 業務停止

などの行政処分の可能性があります。


登録支援機関を利用するメリット

企業が登録支援機関を利用するメリットは大きく3つあります。

① 企業の負担を軽減できる

外国人支援は

  • 多言語対応
  • 行政手続
  • 生活支援

など専門性が必要です。

登録支援機関を利用すれば

企業の人事負担を大きく減らせます。


② 外国人の定着率が向上

生活支援が充実すると

  • 離職率低下
  • 職場定着

につながります。


③ 入管リスクを減らせる

支援義務を適切に履行しないと

  • 特定技能受入停止
  • 不許可

の可能性があります。

登録支援機関を利用することで

入管コンプライアンスを確保できます。


登録支援機関と監理団体の違い

よく混同される制度として

技能実習の監理団体

があります。

違いは次の通りです。

制度支援機関
特定技能登録支援機関
技能実習監理団体

また登録支援機関は

外国人の紹介は原則できません
(職業紹介事業の許可が必要)


行政書士が解説する実務ポイント

特定技能制度では

支援計画の質

が非常に重要です。

実務では次のポイントが審査に影響します。

① 多言語支援体制

  • 母国語対応
  • 通訳体制

② 支援責任者の経験

  • 外国人支援経験
  • 労務知識

③ 定期面談の記録

入管は

  • 面談記録
  • 支援実績

を重視します。


Q&A(よくある質問)

Q1 登録支援機関は必ず必要ですか?

必須ではありません。

企業が

  • 支援体制
  • 多言語対応

を整えている場合は自社支援も可能です。


Q2 登録支援機関の費用はいくら?

相場は

月2〜3万円 / 人

程度です。


まとめ

特定技能制度において登録支援機関は

外国人労働者の生活と就労を支える重要な存在

です。

登録支援機関の主な業務は次の通りです。

  • 支援計画の実施
  • 生活支援
  • 就労支援
  • 相談対応
  • 定期面談
  • 入管への届出

特に重要なのは

義務的支援10項目

です。

特定技能外国人を受け入れる企業は、制度を正しく理解し、適切な支援体制を整えることが必要です。

外国人雇用は今後さらに拡大すると考えられるため、

  • 登録支援機関
  • 行政書士
  • 企業

が連携しながら、外国人が安心して働ける環境を整えることが重要です。

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参考リンク

 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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