特定技能ビザ更新で受入れ機関が原因で不許可になる場合|受入れ機関側の審査基準を解説


1. はじめに

在留資格「特定技能」は、日本で外国人が就労し続けるための資格であり、原則として1年ごとの在留期間更新が必要です(他資格同様)。この更新審査では、申請者本人だけでなく、その受け入れ機関の適格性・活動状況も審査対象となります。

しかし、どのような「受入れ機関側の事情」で更新が否認になるのかは実務者でも意外と知られていません。本記事では、法務省/出入国在留管理庁の制度要旨に基づき、更新不許可の要因と防止策をわかりやすく解説します。


2. 特定技能ビザ更新とは

特定技能は「在留資格」

在留資格「特定技能」は15 の分野で労働者を受け入れる制度で、在留期間は最大5 年でも、1~年/6 か月/4 か月など継続的な更新が必要です。

更新とは、簡単に言えば 日本での活動がルールどおり継続できているかを審査する手続きです。更新を申請し、入管が内容を確認し、適格と判断されれば許可されます。


3. 審査で見る「受入れ機関側の要件」

更新時の審査では、個人の就労状況だけでなく、次のような「受入れ機関側要件」も審査されます。

  • 受入れ契約の適法性
  • 社会保険・労働保険等の加入・納付状況
  • 受入れ機関・担当者の素行・法令遵守状況
  • 適切な支援実施(支援計画・支援記録等)
  • 届出義務の履行(届出漏れ・虚偽の届出が無い)

なお、在留資格申請時に所属機関関連資料の提出は2025 年 4 月以降原則不要となりましたが、審査官の判断で追加提出を求められる場合があります。


4. 更新を不許可にする受入れ機関側の主な原因(実務)

以下のケースでは、更新が不許可(否認)となる可能性が非常に高くなります。


① 社会保険・税金未納

受入れ機関が厚生年金、健康保険料、法人税等を適切に納付していない場合は不許可となる重大な要因です。これらは労働法令違反と判断され、更新審査の合否に直接影響します。

対策:
更新前に納税証明・社会保険料の証明を整える。


② 受入れ機関側の素行不良

役員や支援担当者の犯罪歴や法令違反等により、受入れ機関自体の適格性が損なわれている場合も更新否認となる恐れがあります。

対策:
受入れ機関の内部コンプライアンス(コンプライアンス遵守体制)強化を。


③ 届出の未履行・虚偽

特定技能所属機関は労働状況、支援計画の変更、受入れ困難などの事情発生時に随時届出・定期届出を行う義務がありますが、これを怠ると在留審査で不利益になる可能性があります。

対策:
届出期限・内容に注意し、制度改正にも即時対応。


④ 契約書と実態が異なる

給与・労働日数・休日などの契約条件と実際の労働内容に明らかなズレがある場合、入管は更新を否認するリスクが高くなります。

対策:
契約内容と実務実態を一致させる。


⑤ 支援記録の不備

特定技能制度は支援計画に基づく支援実施が義務化されていますが、記録の欠落や説明責任不足があると更新審査で不利になります。

対策:
支援計画に基づく記録・証拠を体系的に保存。


5. 最新ルール・届出義務と更新審査との関係

2025 年度の制度改正で「届出様式の変更」や「所属機関関連書類の提出不要化」などの運用改善が行われましたが、根本的な審査基準のポイントは変わっていません

特に以下のような改正があります:

  • 2025/4 以降、所属機関関連書類の原則不要化(ただし審査で求められる可能性あり)
  • 定期届出の見直しと対象範囲拡大

6. 実務的チェックリスト(申請前)

項目チェック
納税証明・社会保険加入証明
契約書と実績の一致
支援計画の記録
届出の履行状況
登録支援機関の適格性
経営者・担当者の法令遵守

7. Q&A


Q1. 受入れ機関の倒産で更新は無理ですか?

A:必ずしも不許可とは限りません。ただし、その後の就労先が確実であり、法令要件を満たす条件に切り替えて更新申請する必要があります。


Q2. 支援記録が一部欠落しています。更新できますか?

A:ケースによりますが、入管が追加説明を求める可能性が高いです。早めに整備・説明文書を用意しましょう。


Q3. 契約書の条件が実情と変わってしまった場合は?

A:変更内容を明文化して双方署名の新契約書を作成する必要があります。実態とのズレは審査で不利になります。


8. まとめ

結論として、特定技能ビザ更新は「受入れ機関側の事情」で不許可になる可能性があります。
特に以下がポイントです:

  • 税金・社会保険の未納
  • 届出漏れ・虚偽
  • 契約実態との不一致
  • 支援計画・支援記録の管理不備
  • 受入れ機関の素行不良や法令違反

これらは入管の審査官が評価する主な観点であり、更新を確実にするためには継続的な体制整備が不可欠です。

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参考リンク

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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