特定技能「農業」は断続的な在留が可能|繁忙期だけ働ける外国人材活用を徹底解説

1. 特定技能「農業」とは

特定技能「農業」は、2019年に創設された在留資格「特定技能1号」の対象分野の一つで、日本の農業分野における深刻な人手不足を補うことを目的としています。

対象となる業務は、

  • 耕種農業(野菜・果樹・穀物など)
  • 畜産農業(養豚・養鶏・酪農など)

で、現場作業に直接従事する労働が認められています。

参考リンク:
出入国在留管理庁|特定技能制度
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html


2. 農業分野の深刻な人手不足と外国人材

農業分野では、

  • 高齢化
  • 後継者不足
  • 季節変動が激しい労働需要

といった構造的問題があり、日本人労働者のみでの人材確保が極めて困難です。

特に、繁忙期(収穫期・出荷期)に人手が集中して必要になる点は、他産業にはない農業特有の課題です。

この課題を解決するため、特定技能「農業」では、他分野にはない柔軟な在留制度が設けられています。


3. 特定技能「農業」の最大の特徴|断続的な在留が可能

特定技能「農業」の最大の特徴は、
「断続的な在留(季節就労)」が認められている点です。

これは、

  • 農繁期のみ就労
  • 農閑期には一時帰国
  • 再度来日して就労

といった働き方が、制度上明確に認められていることを意味します。


4. 「断続的な在留」とは何か?

断続的な在留とは、
在留期間中に継続して日本に滞在し続ける必要がなく、就労期間と帰国期間を繰り返すことができる在留形態です。

通常の就労ビザでは、

  • 雇用が継続していること
  • 生活基盤が日本にあること

が前提ですが、農業分野では、
**「農業は季節産業である」**という実態を踏まえ、特例的に認められています。


5. なぜ農業分野だけ断続的在留が認められるのか

理由は主に以下の3点です。

  1. 農繁期・農閑期の差が極端に大きい
  2. 通年雇用が難しい経営体が多い
  3. 技能実習制度だけでは人手不足を補えない

これらを踏まえ、
「必要な時期に、必要な人材を、適法に受け入れる」
という制度設計がなされています。

参考リンク:
出入国在留管理庁|特定技能(農業分野)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/agriculture.html


6. 断続的在留が可能な具体的ケース

ケース①:収穫期のみ就労

  • 3月~6月:日本で就労
  • 7月~9月:帰国
  • 10月~12月:再来日

ケース②:複数年にわたる季節就労

  • 毎年同じ農家で繁忙期のみ就労
  • 在留資格は有効期間内で管理

※ 在留資格そのものが消滅するわけではなく、再入国許可制度の活用が前提となります。


7. 雇用契約・在留管理上の注意点

断続的在留を行う場合、以下が重要です。

  • 雇用契約書に就労期間を明記
  • 農閑期の報酬未払い期間の整理
  • 再入国許可の取得
  • 支援計画に帰国期間を明示

特に、在留資格の更新時に就労実績が不明確だと不利になるため、
適切な書類管理が不可欠です。


8. 技能実習・特定技能(他分野)との違い

区分断続的在留転職人権保護
技能実習原則不可原則不可制限あり
特定技能(農業)可能可能強化
特定技能(他分野)原則不可可能強化

農業分野だけが、制度上明確に「断続的在留」を想定しています。


9. 特定技能「農業」の取得要件

外国人側

  • 特定技能評価試験(農業)合格
  • 日本語能力試験N4以上(または同等)

※ 技能実習2号修了者は試験免除あり


10. 受入れ企業側の要件

  • 適正な雇用契約
  • 同一労働同一賃金
  • 労働関係法令の遵守
  • 支援体制の確保(自社 or 登録支援機関)

11. 登録支援機関の役割

断続的在留では、

  • 生活支援
  • 出入国管理サポート
  • 帰国・再来日時の調整

など、通常以上に支援業務が重要になります。


12. メリット・デメリット

メリット

  • 繁忙期だけ人材確保可能
  • 人件費の最適化
  • 外国人側も母国との往復が可能

デメリット

  • 在留管理が複雑
  • 書類不備による不許可リスク
  • 支援体制の負担増

13. よくある質問(Q&A)

Q1. 農閑期に日本に滞在し続けてもいいですか?

A. 制度上は可能ですが、就労実態がない期間が長い場合、更新時に不利になる可能性があります。

Q2. 断続的在留でも在留期間は通算されますか?

A. はい。特定技能1号の通算5年には含まれます。

Q3. 再入国許可は毎回必要ですか?

A. はい。原則として再入国許可(みなし再入国含む)が必要です。


14. まとめ

特定技能「農業」は、
日本の在留資格制度の中でも極めて柔軟な制度設計がなされており、
断続的な在留が可能である点は、農業経営者・外国人双方にとって大きなメリットです。

一方で、

  • 在留管理
  • 契約内容
  • 支援計画

を誤ると、不許可・更新拒否のリスクもあります。
制度理解と専門家の関与が不可欠です。


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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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