【建設分野】特定技能ビザの書類要件と CCUS(建設キャリアアップシステム) の実務対応
建設業における労働力不足課題の解消策として導入された 特定技能ビザ は、建設分野でも多くの外国人労働者を受け入れています。
このページでは、書類要件・実務対応・よくある Q&A を詳しく解説します。
目次
特定技能ビザとは?(建設分野の概要)
特定技能ビザ は、日本で深刻な人手不足が続く産業分野において、一定の技能を有する外国人を受け入れるための在留資格制度です。
建設分野は 特定技能1号・2号 両方で申請可能な分野であり、分野内でも細分化された職種で活用されています。
書類要件一覧(申請者・企業それぞれ)
1)基本的な申請書類
出入国在留管理庁の標準的な申請書類(COE・在留資格変更含む)は以下の通りです。
申請者側(外国人本人)
- 在留資格認定証明書申請書/在留資格変更許可申請書
- 顔写真(規定サイズ)
- 健康診断書・診断報告書
- 技能試験合格証明書(土木・建築等の特定技能評価試験)
- 日本語試験合格証明(JLPT N4 など)※免除条件あり
- パスポートおよび住民票等の身分証明書類
企業側(受入企業)
- 雇用契約書(労働条件明示)
- 支援計画書(生活・就業支援を含む)
- CCUS 登録関連情報(事業者 ID・技能者 ID)
※ 在留資格の申請には、基本書類に加えて業種・申請内容に応じた補足書類が必要です。
CCUS(建設キャリアアップシステム)とは?
CCUS(建設キャリアアップシステム) とは、建設技能者の資格情報・就業履歴を登録・蓄積する国交省主管のシステムです。技能・経験に応じた処遇改善や、技能者のキャリア形成を支援する仕組みです。
CCUS の実務対応(申請と登録の流れ)
1)事業者側の対応
建設分野で特定技能外国人を受け入れる際は、企業として以下を行います。
- 建設業許可の取得
特定技能外国人を雇用するには建設業許可が必須です。 - CCUS 事業者登録
建設キャリアアップシステムへ事業者情報を登録します。 - 技能者(外国人本人)の CCUS 登録支援
外国人技能者本人も CCUS に登録し、技能者 ID を取得する必要があります。 - 受入報告書提出(国交省)
入国後 原則1ヶ月以内 に CCUS の技能者 ID を明らかにした報告書を提出します。
CCUS の書類要件(実務で用いる提出書類)
建設分野の特定技能2号へ移行する、あるいは実務経験を証明する際に、CCUS 登録が重要です。
実務経験証明に必要な書類
実務経験証明書 の提出は、特定技能2号などで必要な場合があります。
- CCUS における レベル判定結果通知書(レベル3 以上)
- CCUS の就業日数が確認できる画面キャプチャ
- 建設分野に対応する別紙・経歴証明書など
※ レベル判定を受けない場合は、CCUS の就業日数の表示画面の写し + 経歴証明書 を添付します。
特定技能 1 号・2 号の違いと実務ポイント
| 項目 | 特定技能 1 号 | 特定技能 2 号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算 5 年まで | 更新上限なし |
| 家族帯同 | 不可 | 条件により可能 |
| 日本語要件 | あり | 原則なし※一部条件あり |
| 実務経験 | 試験合格程度 | 班長・職長レベルの実務経験必要 |
※2号では「複数技能者を指導・現場管理する能力・実務経験」が求められます。
よくある Q&A
Q1. CCUS 登録は必須ですか?
はい。 建設分野の特定技能ビザでは、CCUS への本人および事業者登録が原則必要です。
Q2. CCUS の技能レベルはどのように判定されますか?
CCUS では、技能者の経験や資格を基に レベル評価(レベル3 以上など) を行い、特定技能2号申請時の実務要件として活用されます。
Q3. 日本語試験は必須ですか?
特定技能 1号では原則必要 ですが、技能実習を良好に修了している場合、免除されるケースもあります。
Q4. 特定技能申請後の報告義務はありますか?
はい。受入開始後、受入報告書の提出・定期報告 など、入管・国交省への報告が必要です。
関連記事・参考リンク
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参考リンク
まとめ
建設分野の特定技能ビザは、入管申請書類の正確な準備と CCUS の実務対応が合致して初めて審査通過につながる制度です。
企業側・外国人労働者側それぞれが 書類要件・登録要件・報告要件 を理解し実務に落とし込むことが重要です。
必要書類の整理・CCUS の運用フローの理解は、申請ミスによる不承認リスクを減らすうえで必須です。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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