特定技能の随時届出とは?提出が必要な変更事項・提出書類一覧まとめ|専門家が完全解説
目次
【結論】随時届出とは、特定技能外国人に関する重要な変更を行った際に、法務省へ速やかに届け出る制度です。
提出漏れは不許可リスク・指導対象となるため、受入企業は必ず理解しておく必要があります。
本記事では
・随時届出の対象となる変更事項
・具体的な提出書類一覧
・提出期限
・よくあるミスと注意点
・定期届出との違い
・実務ポイント
まで、分かりやすく網羅的にまとめます。
1. 【基礎知識】特定技能の随時届出とは?
随時届出とは、特定技能外国人や受入企業に関する重要事項に変更が生じた際に、出入国在留管理庁へ随時提出しなければならない届出です。
特定技能制度では、外国人の生活支援や労働条件の適正性を確保するため、
企業(受入れ機関)・登録支援機関に厳格な届出義務が課されています。
随時届出の目的は以下のとおりです。
随時届出の目的
- 外国人が適切な環境で働いているか把握するため
- 不適正な雇用や人権侵害を防ぐため
- 労働条件の変更が制度違反にならないか確認するため
- 企業側の不正(書類上の条件と実態の違い)を防ぐため
もし届出が漏れると、
・改善指導
・受入停止
・更新不許可
・登録支援機関の登録取消
など大きな不利益が生じるため、確実に提出する必要があります。
2. 随時届出が必要な「変更事項」一覧(網羅)
随時届出の対象となる変更事項は、非常に多岐にわたります。
ここでは、受入企業が特に注意すべき項目を整理します。
(1)外国人本人に関する変更
氏名・国籍・住所の変更
在留カード情報が変わった場合は必須。
在留資格・在留期限の変更/更新結果
在留期限更新・特定技能2号への変更など。
勤務先部署・勤務地の変更
複数事業所がある場合とくに要注意。
業務内容の変更
「分野が変わる変更」は原則NG、随時届出が必要。
給与額・給与体系の変更
最低賃金・同等報酬の原則から逸脱しないかの確認が入る。
雇用契約内容の変更
勤務時間・休日数・残業時間・社会保険など。
支援計画の変更
生活支援を誰が担当するか、支援内容の見直し等。
(2)受入れ機関(企業)側の変更
会社情報の変更
- 商号
- 代表者
- 電話番号
- 住所
- 取締役の変更
労働保険・社会保険加入状況の変更
未加入は重大違反。
法人番号・事業所の新設・閉鎖
特に飲食・介護など複数店舗の場合は注意。
(3)登録支援機関の変更(支援委託の変更)
登録支援機関を新たに委託/委託解除する際
新委託先の概要も提出する必要あり。
(4)その他重要事項
解雇・退職・行方不明
必須届出。遅れは重大違反。
出国・死亡
速やかな届出が必要。
3. 随時届出に必要な提出書類一覧(完全版)
変更の種類によって必要書類は異なりますが、代表的な書類を一覧化します。
(1)共通書類
- 随時届出書(様式第3号)
- 変更後の契約書の写し
- 変更理由書(任意だが提出推奨)
- 支援計画の変更書(必要な場合)
(2)本人情報の変更時
- 新旧在留カードのコピー
- 住民票(住所変更時)
(3)雇用条件変更時
- 新旧の雇用契約書
- 給与変更の説明資料
- 就業規則の該当箇所(必要に応じて)
(4)会社情報が変わる場合
- 履歴事項全部証明書
- 変更登記事項の写し
- 事業所写真(住所変更時)
(5)支援委託先の変更時
- 新規登録支援機関の登録番号
- 支援委託契約書
- 新支援計画
(6)退職・解雇・行方不明
- 退職届・解雇通知の写し
- 行方不明の場合は事実経過報告
4. 随時届出の提出先・方法・提出期限
提出先
出入国在留管理庁(特定技能制度担当)
※地方出入国在留管理局でも受理
提出方法
- オンライン提出(推奨)
- 郵送
- 持参(要確認)
提出期限
変更が生じて14日以内
(遅れると指導対象)
5. 随時届出と「定期届出」の違い
| 項目 | 随時届出 | 定期届出 |
|---|---|---|
| タイミング | 変更があった都度 | 四半期ごと(3ヶ月に1回) |
| 内容 | 契約・住所・支援体制などの“重要変更” | 支援実施状況・労働条件の報告 |
| 法的義務 | 必須 | 必須 |
| 提出期限 | 14日以内 | 四半期末から30日以内 |
6. 届出漏れのリスク|指導・不許可・受入停止の可能性
随時届出を怠ると、企業・外国人双方に重大な影響があります。
(1)改善指導・改善命令
悪質と判断されると指導対象。
(2)更新不許可・特定技能の受入停止
届出義務の履行は審査項目。
(3)登録支援機関の登録取消
支援業務に重大な瑕疵があると判断される。
(4)労働基準法違反として問題化
給与変更の未届出はとくに危険。
7. 実務ポイントとよくあるミス
① 変更の「軽微」と「重要」の判断を誤る
例:部署の名称変更程度でも届出が必要なケースがある。
② 本人住所変更の届出遅れが多い
特にシェアハウスでの移動時。
③ 給与変更は必ず「根拠資料」を添付
最低賃金の改定が理由の場合は説明資料が必要。
④ 支援計画変更書を忘れがち
支援する担当者が変わるだけでも届出対象。
⑤ 外国人本人とコミュニケーション不足
変更事実を会社が把握できないことが原因に。
8. よくある質問(Q&A)
Q1. 随時届出は誰が提出しますか?
A. 受入れ機関(企業)または登録支援機関が代行します。
外国人本人は提出しません。
Q2. 転職の場合は随時届出が必要ですか?
A. はい。退職時・新しい企業での契約締結時両方必要です。
Q3. 届出を提出しないとどうなりますか?
A. 受入停止や更新不許可につながり、重大なリスクがあります。
Q4. オンライン申請は使った方が良いですか?
A. 提出漏れ防止・履歴管理の観点でオンラインが最適です。
Q5. 登録支援機関を変更したい場合は?
A. 委託契約を結んだうえで、支援計画と委託内容を必ず届出します。
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10. 参考リンク
11. まとめ
随時届出は、特定技能外国人を受け入れる企業にとって“最重要の法的義務”です。
提出漏れは重大なリスクを伴うため、
変更が発生したら14日以内に必ず届出することが必要です。
本記事を参考に、
「何が随時届出の対象なのか」「どの書類が必要なのか」
を整理し、安定した外国人雇用体制を構築してください。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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