【完全ガイド】飲食業の店舗管理・マーケティング・営業・財務で働ける就労ビザとは?|技術・人文知識・国際業務ビザの活用法
目次
はじめに:ホールやキッチン以外の「飲食業キャリア」も就労ビザの対象に
飲食業界といえば、ホールスタッフやキッチンスタッフといった現場職を思い浮かべる方が多いですが、
店舗運営、経営企画、マーケティング、財務、営業など管理・企画系の職種でも外国人が活躍できる場面は増えています。
しかし、これらの職種に従事する場合、単純労働を伴う業務ではないことを明確にし、
在留資格(就労ビザ)の要件に合致することが重要です。
この記事では、飲食業の店舗管理・マーケティング・営業・財務などの職種で働く際に取得できる可能性がある
代表的な就労ビザ「技術・人文知識・国際業務ビザ」を中心に、審査のポイントや注意点を徹底解説します。
1.飲食業で就労ビザが認められる職種の範囲
就労ビザは、「高度な専門的知識を必要とする業務」に該当する場合のみ許可されます。
飲食業においても、現場作業中心の業務ではなく、経営や企画、管理の立場にある場合は在留資格が認められるケースがあります。
代表的な在留資格は次の通りです:
| 在留資格 | 主な対象職種 | 備考 | 
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 経営企画、マーケティング、店舗管理、営業企画など | 大卒または職務経験10年以上が必要 | 
| 経営・管理 | 飲食店の経営者・オーナー・法人代表など | 投資や経営を伴う立場 | 
| 特定技能(外食業) | 調理、配膳、店舗オペレーションなど | 一定の技能試験に合格が必要 | 
今回のテーマである「店舗管理・マーケティング・営業・財務」は、
**「技術・人文知識・国際業務ビザ」**が最も適用される範囲です。
2.店舗管理・企画・マーケティング職に最も多い「技術・人文知識・国際業務」ビザとは?
「技術・人文知識・国際業務」ビザ(通称「技人国ビザ」)は、
外国人が専門知識を活かして日本の企業で働くための代表的な在留資格です。
主な業務例(飲食業の場合)
- 店舗経営戦略の立案
- 売上分析や経営改善
- マーケティング・広告企画
- 海外店舗展開やインバウンド営業
- 外国人スタッフの教育・通訳・採用支援
- 財務・人事・経営企画業務
許可のポイント
入管は、「単純労働でないか」を厳しく見ています。
たとえば店舗管理職であっても、
「実際にはキッチンで調理している」「レジ対応が多い」などの場合は不許可の可能性が高くなります。
3.職種別の就労ビザ該当性の解説
(1)店舗管理職
- 主な業務:複数店舗の売上・人材・品質管理、経営分析、改善提案
- ポイント:現場作業をせず、経営判断やマネジメント業務中心であれば「技人国ビザ」対象。
- 不許可リスク:「シフト作成や現場監督が中心」「自分も接客を行う」場合は、単純労働と判断されやすい。
(2)営業職
- 主な業務:企業や取引先への営業企画、海外市場の開拓、販売戦略の立案
- 適用ビザ:技人国ビザの「人文知識」分野に該当。
- 要件:大学で経営・商学・マーケティング・国際関係などを専攻していると有利。
(3)財務・経理職
- 主な業務:決算書作成、コスト管理、財務分析、予算策定
- 適用ビザ:「人文知識」分野。経済・会計・経営系学部出身者が対象。
- 注意点:単なるデータ入力や経理補助では対象外。
 →「専門的判断を伴う業務」であることが必要。
(4)マーケティング・広報職
- 主な業務:販促戦略、広告制作、SNS運用、海外向けプロモーション
- 適用ビザ:「国際業務」分野に該当するケースが多い。
- ポイント:外国語スキルや国際的な感性を活かした職務であることが条件。
4.学歴・職務経験の要件
「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、
以下のいずれかを満たす必要があります。
| 区分 | 要件 | 
|---|---|
| 学歴要件 | 大学または短大で業務に関連する分野を専攻して卒業していること | 
| 職歴要件 | 関連する職務経験が10年以上あること(通訳・デザイン等は3年以上) | 
たとえば、「経営学部卒」で店舗管理や営業・財務に従事する場合は要件を満たします。
5.実務での注意点と不許可になりやすいケース
不許可になりやすい事例
- 店舗運営業務の多くが接客・レジ業務中心
- 職務内容が曖昧で、「経営分析」などの専門性が書かれていない
- 履歴書や学歴が業務内容と関連していない
- 給与水準が日本人管理職より著しく低い
審査を通すためのコツ
- 職務内容書に「経営戦略」「分析」「マネジメント」などの専門用語を明記
- 雇用契約書には「勤務場所:本社(企画部門)」など明記し、現場常駐を避ける
- 学歴や職務経歴書で専門性との関連性を明確にする
6.「特定技能」「経営・管理」ビザとの違い
| 在留資格 | 主な対象 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 企画・管理・マーケティング職 | 学歴または経験が必要、単純労働NG | 
| 経営・管理 | 経営者・オーナー | 投資・設立が条件、経営責任あり | 
| 特定技能(外食業) | 調理・接客スタッフ | 技能試験合格が必要、現場中心 | 
7.よくある質問(Q&A)
Q1.店長職は「技術・人文知識・国際業務」で許可されますか?
→ 現場業務中心の店長は不可ですが、複数店舗の統括や売上分析など経営企画業務が主なら許可される場合があります。
Q2.飲食業の営業職で外国人を雇いたい場合は?
→ BtoB営業(法人向け取引)や海外市場開拓など専門的な営業活動であれば許可対象になります。
Q3.調理も少し手伝う場合は不許可ですか?
→ 主たる業務が現場作業と判断されると不許可になります。また、少し手伝うだけでも原則はNGです。
Q4.留学生が飲食企業の本部で就職したい場合は?
→ 専攻内容(経営・経済・国際関係など)が職務に関連すれば「技人国ビザ」での就職が可能です。
8.まとめと関連リンク
飲食業で「店舗管理」「営業」「マーケティング」「財務」などの業務を行う場合、
単純作業ではなく「知識・分析・企画」を軸とした職務であることを明確にすれば、
**「技術・人文知識・国際業務ビザ」**での許可が十分可能です。
ビザの可否は実際の業務内容の説明力で大きく左右されます。
職務記述書や雇用契約書の作成には専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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参考リンク
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|  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 | 

