【完全ガイド】飲食業で働ける就労ビザとは?特定技能・技能・特定活動の違いを徹底解説
目次
1.飲食業で働ける就労ビザは何がある?
日本の飲食業界は深刻な人手不足が続いており、外国人材の雇用が急速に進んでいます。
しかし、「飲食店で働ける就労ビザ」は限られており、どの在留資格でどんな仕事ができるかを正しく理解することが非常に重要です。
現在、飲食業で働ける主なビザは以下の3種類です。
| 在留資格 | 主な対象職種 | ポイント | 
|---|---|---|
| 特定技能(外食業) | ホールスタッフ、キッチン、調理補助など | 外食業分野に特化。日本語・技能試験が必要 | 
| 技能 | 外国料理専門調理師(例:中華・フランス・インド料理など) | 熟練技能者向け。調理技術や実務経験が必須 | 
| 特定活動(46号) | 留学生が卒業後、飲食業で就職 | 日本の大卒以上限定。新卒就職ルート限定 | 
それぞれのビザには取得要件や働ける仕事内容に明確な違いがあります。
次の章から、分かりやすく順に解説します。
2.特定技能(外食業)で働ける仕事内容と要件
(1)特定技能とは?
「特定技能」は2019年に新設された在留資格で、人手不足分野で即戦力となる外国人材の受け入れを目的としています。
飲食業(外食業)は特定技能16分野の1つであり、2024年からは特定技能2号にも拡大されました。
(2)対象となる仕事内容
外食業の特定技能で働ける業務は、以下の通りです。
- 調理業務(キッチンスタッフ、調理補助など)
- 接客業務(ホールスタッフ、レジ対応)
- 店舗管理(在庫管理、清掃業務)
ただし、経営・企画・管理などの業務は対象外で、現場業務中心です。
(3)取得要件
- 外食業技能測定試験に合格
- 日本語能力試験(N4レベル以上)合格
- 健康状態・素行が良好であること
- 受入れ企業が「登録支援機関」と契約していること
日本国内での技能実習2号修了者は、試験免除で特定技能1号へ移行できます。
(4)在留期間と更新
- 在留期間:1年、6か月、または4か月ごとに更新可
- 通算上限:5年(※2号取得で延長可能)
2024年からは「外食業」でも特定技能2号が解禁され、長期的な就労・家族帯同も可能になりました。
3.技能ビザで認められる飲食業の職種
(1)技能ビザとは?
「技能」は、熟練した技能を持つ職人に与えられる在留資格です。
飲食分野では、主に外国料理専門調理師が対象になります。
(2)該当する料理分野の例
- 中国料理
- フランス料理
- イタリア料理
- インド料理
- トルコ料理
- ベトナム料理 など
つまり、自国の料理を日本で専門的に提供する場合に取得できるビザです。
一般的な和食チェーン店やファストフード店では、このビザは使えません。
(3)主な要件
- 10年以上の実務経験(調理学校期間含む)
- 日本で外国料理を提供する店舗に勤務
- メニューが現地の伝統料理であること
(4)許可のポイント
- 「外国料理専門店」として明確な業態であること
- 店舗のメニュー、内装、雰囲気が外国文化を反映していること
- 調理人としての経験証明(勤務証明書・推薦書など)の提出
4.特定活動(46号)で飲食業に就けるケース
(1)特定活動46号とは?
「特定活動46号」は、日本の大学(大学院含む)を卒業した留学生が、日本語を活かして幅広い業務に従事できる制度です。
このビザにより、以前は不可能だった「飲食店勤務」も、一定条件で認められるようになりました。
(2)認められる職種例
- 店舗運営・接客(外国人観光客対応)
- 販売促進・メニュー翻訳
- SNS・海外向け広報業務
単純労働ではなく、日本語・異文化対応スキルを活かす業務であることが条件です。
(3)申請時の注意点
- 雇用契約書に「企画・接客・広報」など知識業務が含まれていること
- 日本の大卒で日本語検定N1取得の証明があること
- 会社側が国際的な事業展開をしていることが望ましい
5.留学生・家族滞在から飲食業で働く方法
(1)留学生アルバイト
留学生は「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内の飲食業アルバイトが可能です。
ただし、フルタイムで働くには就労ビザへの変更が必要です。
(2)家族滞在ビザで働く場合
家族滞在でも、資格外活動許可を得れば週28時間まで飲食業での就労が認められます。
ただし、主たる目的は「扶養を受ける」ことであるため、働きすぎると在留資格違反になる恐れがあります。
6.就労ビザ申請で不許可になりやすいポイント
飲食業ビザ申請で不許可となる主な理由は以下の通りです。
- 職務内容が「単純労働」と判断される
- 店舗の経営規模が小さく、雇用体制が不明確
- 申請人の日本語力・経歴が不足
- 受入れ企業が支援体制を整えていない
ビザの種類ごとに要件が異なるため、自分の経歴と職務内容を正確に一致させることが成功の鍵です。
7.許可を得るための実務的アドバイス
- 採用前に「どのビザで申請するか」を明確に決定する
- 事業計画書・雇用契約書に詳細な業務内容を記載する
- 登録支援機関や行政書士に相談してから申請する
8.よくある質問(Q&A)
Q1.飲食店のホールスタッフでもビザが取れますか?
→ はい、特定技能(外食業)で可能です。ただし、特定技能試験の合格が必要です。
Q2.ラーメン店や居酒屋で働く場合は?
→ 外食業分野に該当します。特定技能での就労が一般的です。
Q3.自国の料理を出すレストランを経営したい場合は?
→ 「経営・管理ビザ」が必要です。経営者として許可を得るには事業計画書が重要です。
Q4.留学生が卒業後に飲食業で働くことは可能?
→ 「特定活動46号」または「特定技能1号」への変更が可能です。
9.まとめ:目的に合ったビザ選択が成功のカギ
飲食業で働けるビザは多岐にわたりますが、自分の職種・学歴・経験に最も合った在留資格を選ぶことが重要です。
| 働き方 | 該当ビザ | 
|---|---|
| 飲食店の接客・調理補助 | 特定技能(外食業) | 
| 外国料理の専門調理人 | 技能 | 
| 留学生の新卒就職 | 特定活動46号 | 
正しいビザの選択と、的確な申請書類の準備によって、安定した就労・在留が可能になります。
飲食業のビザ申請は専門知識が必要なため、入管専門の行政書士に相談することをおすすめします。
参考リンク
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|  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 | 

