留学生が転学・退学する場合の在留資格の取り扱い【完全ガイド】

日本で大学や専門学校に在学中の留学生にとって、転学や退学は在留資格に直接影響する重要な問題です。ここでは、在留資格「留学」の基本ルール、転学・退学時の手続き、注意点、実務的な対応方法まで徹底解説します。


1. 留学ビザ(在留資格「留学」)とは

日本で学校に通う外国人に付与される在留資格のひとつが「留学」です。留学ビザを取得すると、日本国内で学校に通い、場合によっては週28時間以内のアルバイトが可能です。

在留資格「留学」を維持するためには、以下の条件が必要です。

  • 日本の大学、短期大学、専門学校、高等学校等に在学していること
  • 定期的に授業に出席していること
  • 生活費・学費を確保できること

詳細は出入国在留管理庁の公式ページも参照してください。

出入国在留管理庁|在留資格「留学」


2. 留学生が転学・退学する場合の在留資格の基本ルール

留学中に転学退学を行う場合、在留資格「留学」は自動的に維持されるわけではありません。出入国在留管理庁は「在学状況の変更」を重要視しており、学校の変更や退学は在留資格の更新・変更手続きに直結します。

転学・退学が影響する理由

  • 留学ビザは「特定の教育機関に在籍すること」が前提条件であるため
  • 転学・退学により学校の在籍情報が変わるため、在留資格の情報更新が必要
  • 手続きが遅れると、不法滞在や在留資格取り消しのリスクがある

3. 学校を転学する場合の手続き

3-1. 転学手続きの基本

留学生が学校を転学する場合は、転入予定の学校に新たに在学証明を発行してもらい、出入国在留管理庁に届け出る必要があります

必要書類例

  1. 転入先学校の入学許可書
  2. 転学前の学校の在学証明書
  3. パスポート・在留カード
  4. 住所変更届(必要に応じて)

3-2. 在留資格更新・変更の流れ

  1. 現在の学校で転学手続きを完了
  2. 新しい学校から在学証明書・入学許可証を取得
  3. 出入国在留管理庁に転学届(所属機関変更届)または在留資格変更手続きを提出
  4. 必要に応じて在留期間更新申請

ポイント:転学先の学校での手続きが完了していない場合、在留資格は維持されますが、滞在の根拠となる学校情報が更新されないため、将来の在留資格更新や卒業後の就労ビザ申請に影響する可能性があります。


4. 学校を退学する場合の在留資格の取り扱い

退学の場合は、転学と異なり在留資格「留学」が無効になる場合があります

4-1. 退学後の猶予期間

出入国在留管理庁では、退学後、次の選択肢が無い場合、原則として30日以内に出国する必要があります。ただし、次のケースでは在留資格を変更できる場合があります。

  • 新しい学校に入学予定がある場合(在留資格「留学」継続)
  • 就労ビザや家族滞在ビザなど、別の在留資格に変更する場合

4-2. 退学時の手続き

  1. 学校で退学手続きを完了
  2. 出入国在留管理庁に退学届を提出
  3. 必要に応じて在留資格変更申請

注意点

  • 何も手続きをしないで放置すると不法滞在扱いになる
  • 在留期間が残っていても、学校在籍が無い場合は更新不可

5. 在留資格変更や在留期間更新の必要性

転学・退学後は、在留資格の変更や在留期間の更新が必要です。特に注意すべきは以下のケースです。

ケース必要手続き
転学してすぐ新しい学校に在籍転学届・在留期間更新申請
退学して次の学校未定在留資格変更申請 or 30日以内出国
留学から就労へ変更在留資格変更申請(技術・人文知識・国際業務など)

重要:手続きの遅延は不法滞在のリスクがあるため、必ず学校と出入国在留管理庁の両方に確認してください。


6. 不利益を避けるための注意点

留学生が転学・退学する際、以下の点に注意することでリスクを避けられます。

  1. 在籍状況の変更は必ず学校に報告する
  2. 退学後は速やかに出入国在留管理庁に届出・相談
  3. 転学先の入学許可を確定させてから手続きを行う
  4. 在留資格変更や更新申請は期限内に行う
  5. 無断でアルバイトを続けない(在留資格違反のリスク)

7. Q&A:よくある質問

Q1. 転学すると在留資格は自動で更新されますか?

A1. いいえ。転学後も在留資格「留学」は維持されますが、出入国在留管理庁に届け出る必要があります。届出を怠ると、将来の更新申請や卒業後の就労ビザに影響する可能性があります。

Q2. 退学した場合、どれくらい日本に滞在できますか?

A2. 原則として退学後30日以内に出国、または別の在留資格に変更する必要があります。猶予期間中に手続きを行わないと不法滞在扱いになります。

Q3. 退学しても次の学校が決まっていなければどうすればよいですか?

A3. 出入国在留管理庁に相談し、次の学校が決まるまで短期滞在に変更するなどの方法を検討してください。

Q4. アルバイトは継続できますか?

A4. 学校に在籍していない場合、留学ビザの資格外活動許可は無効となるため、アルバイトはできません。

Q5. 在留資格変更申請はどこでできますか?

A5. 最寄りの出入国在留管理局で手続きが可能です。必要書類や手数料については公式ページを確認してください。

出入国在留管理庁|在留資格変更申請


8. まとめ・参考リンク

留学生が転学・退学する場合、在留資格「留学」の維持・変更が重要です。以下のポイントを押さえましょう。

  • 転学は学校情報の更新が必要
  • 退学は在留資格の失効や不法滞在のリスクがある
  • 期限内に出入国在留管理庁へ届け出・申請する
  • アルバイトや生活費は在留資格に応じて適切に管理する

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
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「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
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