【完全ガイド】大学留学のための留学ビザ申請に必要な書類一覧と注意点
目次
1.留学ビザ(在留資格「留学」)とは
日本の大学へ正規留学する外国人が必要とする在留資格が「留学」です。
このビザは、日本の法務省入国管理局(出入国在留管理庁)が管轄し、**「教育機関において学習を行う目的」**で入国・滞在するために付与されます。
留学ビザの対象は次のような教育機関です:
- 大学(学士・修士・博士課程)
- 短期大学
- 専門学校(専修学校専門課程)
- 日本語学校(大学進学準備課程など)
本記事では特に、**「大学留学」**に焦点を当てて、必要書類や審査のポイントを詳しく解説します。
2.大学留学で必要な主な書類一覧
大学への留学ビザ申請には、**入管法施行規則別表第一(四)**に基づく提出書類が求められます。
大学留学の主な書類は以下の通りです。
書類名 | 提出者 | 内容・目的 |
---|---|---|
在留資格認定証明書交付申請書 | 学校/申請人 | 留学目的・滞在計画を申請する主文書 |
写真(4cm×3cm) | 申請人 | 3か月以内に撮影されたもの |
パスポート(写し) | 申請人 | 顔写真ページと有効期限記載ページ |
入学許可書(大学発行) | 大学 | 入学が正式に認められた証明書 |
授業料・学費納入証明書 | 大学/申請人 | 支払い能力の確認 |
経費支弁書 | 経費支弁者(本人・家族等) | 学費・生活費を負担する者を証明 |
残高証明書 | 銀行等 | 経費支弁能力の裏付け資料 |
最終学歴証明書 | 申請人 | 高校・大学など前教育機関の卒業証明書 |
成績証明書 | 申請人 | 学習履歴の確認資料 |
履歴書 | 申請人 | 学歴・職歴・留学目的を明記 |
日本語能力証明書 | 申請人 | JLPT・EJU・大学独自試験など |
課税証明書・所得証明書(経費支弁者) | 支弁者 | 年収・納税実績の確認 |
身元保証書 | 大学または保証人 | 在学中の生活支援・帰国保証等を明示 |
大学によっては、追加で「留学理由書」や「学習計画書」の提出を求められる場合があります。
3.各書類の詳細と作成ポイント
(1)入学許可書
大学が正式に入学を認めた証明書です。原本または大学発行のコピーを提出します。
※入学予定の学部・課程、入学年月日が明記されていることを確認してください。
(2)経費支弁書・残高証明書
留学生活の資金計画を裏付ける最重要書類です。
主なポイントは以下です:
- 支弁者が親族の場合:申請人との関係(父、母など)を明確に記載。
- 支弁者が本人の場合:自分名義の貯金残高証明書を提出。
- 必要資金目安:年間150〜200万円(学費・生活費込み)
- 残高証明書は英文可、発行から3か月以内のもの。
(3)日本語能力証明書
大学の授業は基本的に日本語で行われるため、次のいずれかの証明が望まれます。
- 日本語能力試験(JLPT)N2以上
- 日本留学試験(EJU)日本語科目の得点証明
- 日本語教育機関の修了証明書(6か月以上)
(4)最終学歴証明書・成績証明書
母国の高校や大学を卒業していることを証明します。
日本語または英語の翻訳文を添付し、公印または翻訳者署名を入れると信頼度が高まります。
(5)経費支弁者の所得証明書
支弁者(親など)が十分な経済力を持つことを証明します。
例:
- 給与所得者 → 源泉徴収票、課税証明書
- 自営業者 → 所得税申告書控、納税証明書
4.学費・生活費の証明方法
留学ビザ審査では、「安定的な資金源」が極めて重要です。
以下の3パターンで示すことができます。
① 親族が支弁者
- 経費支弁書
- 銀行残高証明書
- 所得・課税証明書
② 奨学金を受給する場合
- 奨学金受給証明書(日本政府・大学・財団など)
- 支給額・支給期間の明記が必要。
③ 自己資金
- 自分名義の預金残高証明
- 収入がある場合は職歴証明書を添付。
ポイント:
入管は「留学中に経済的困窮に陥らないか」を厳しく審査します。
資金の出所(親の職業・収入など)も明確に説明しましょう。
5.入管審査で重視されるポイント
大学留学ビザで特に重視されるのは次の3点です。
- 学習目的が明確か
「なぜ日本で学ぶのか」を論理的に説明できること。 - 資金計画が現実的か
滞在期間中の学費・生活費が確保されていること。 - 過去の在留状況に問題がないか
過去の短期滞在歴や不法滞在の有無も確認されます。
6.留学ビザ申請の流れ(COE申請から在留カード取得まで)
大学留学ビザの申請は、主に以下の流れで進みます。
- 大学への入学申請・合格
↓ - 大学が「在留資格認定証明書(COE)」を代理申請
↓ - COE交付(通常1〜2か月)
↓ - 在外日本大使館・領事館でビザ申請
↓ - 入国・在留カードの交付
COEは入国管理局が発行する「留学目的を認定した証明書」で、在留資格申請の第一段階です。
詳細は:出入国在留管理庁公式サイト
7.よくある不許可事例とその対策
不許可理由 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
経費支弁能力の不足 | 残高・所得証明が不足 | 残高証明を十分に、支弁者の職業・収入明記 |
日本語能力不足 | JLPT証明なし | N2レベル以上または大学の面接証明添付 |
書類の不備・矛盾 | 申請書・支弁書の内容不一致 | 申請前に大学・専門家で内容確認 |
虚偽申請 | 虚偽書類提出・説明不足 | 事実を明確に説明、証拠書類添付 |
「不許可後の再申請」は6か月の待機期間が生じることもあるため、最初から専門家(行政書士・大学国際課など)に相談するのが安全です。
8.【Q&A】留学ビザ申請でよくある質問
Q1. 留学ビザの申請時期はいつが良いですか?
A. 入学時期の約3〜6か月前に大学が在留資格認定証明書(COE)を申請します。早めの準備が必要です。
Q2. 残高証明は誰名義でも良いですか?
A. 原則、支弁者(親など)または本人名義のみです。親戚名義は避けましょう。
Q3. 英文書類でも大丈夫ですか?
A. はい、日本語または英語であれば受理されます。その他の言語は日本語訳を添付してください。
Q4. 留学中にアルバイトはできますか?
A. 「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間まで可能です(学校長の許可が必要)。
Q5. COEが発行されたら必ずビザが取れますか?
A. ほとんどのケースで許可されますが、過去の在留違反などがあると拒否される可能性があります。
9.まとめ:正確な書類準備が留学ビザ許可の鍵
大学留学のための留学ビザ申請では、**「資金証明」「学習目的」「書類の整合性」**が審査の3本柱です。
どれか1つでも欠けると、審査が長引いたり不許可になることがあります。
特に経費支弁関係の書類は、**「どのような資金で留学生活を維持できるか」**を入管が細かく確認するため、正確・詳細な説明が不可欠です。
大学の国際課や、留学ビザに強い行政書士へ早めに相談することをおすすめします。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |