就労ビザとは何か?外国人が日本で働くために必要な在留資格を徹底解説


1.就労ビザとは何ですか?

「就労ビザ」とは、外国人が日本で働くために必要な在留資格の総称です。
正式には「就労を目的とする在留資格」と呼ばれ、法律上の名称は「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「技能」「特定技能」などに分類されます。

つまり、「就労ビザ」という単体のビザは存在せず、職種や仕事内容に応じて該当する在留資格を取得する必要があります。

例:
・ITエンジニア → 技術・人文知識・国際業務
・会社経営者 → 経営・管理
・料理人(フランス料理シェフなど) → 技能
・介護・外食業など → 特定技能1号・2号

外国人が日本で報酬を得る活動をする場合、原則としてこれらの就労系ビザが必要です。


2.日本で働くために必要な在留資格の種類

日本の在留資格制度は、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」に基づいて運用されています。
在留資格は全部で約30種類あり、そのうち就労可能な資格は主に以下の通りです。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 経営・管理
  • 技能
  • 特定技能(1号・2号)
  • 介護
  • 教授・研究・医療・法律会計業務などの専門職
  • 高度専門職(1号・2号)

これらの資格を持つことで、日本の企業で報酬を得て働くことが合法的に可能となります。


3.就労ビザの主な種類と特徴

ここでは、代表的な就労ビザを分かりやすく整理します。

(1)技術・人文知識・国際業務

大学・専門学校卒業者などが対象。
ITエンジニア、通訳、マーケティング担当など、ホワイトカラー職種が中心。

主なポイント

  • 学歴または職歴が必要(大卒・専門卒、または10年以上の実務経験)
  • 雇用契約先の業務内容と本人の専攻・経歴が一致していること

関連記事:技術・人文知識・国際業務ビザの申請要件と審査ポイント【完全ガイド】


(2)経営・管理ビザ

外国人が日本で会社を設立して経営する場合に必要なビザ。

主な要件

  • 事業の実体があること(オフィス確保・開業資金500万円以上など)
  • 事業計画が実現可能であること
  • 常勤職員を雇用していること(または同等の事業規模)

(3)技能ビザ

外国料理のシェフ、外国建築の職人、宝飾職人など、熟練技能を必要とする職種向け。

主な要件

  • 10年以上の実務経験
  • 専門的な技能を活かす仕事であること

(4)特定技能ビザ(1号・2号)

日本で深刻な人手不足が生じている14分野(介護・外食・建設など)で働く外国人向けの資格。
技能試験と日本語試験(または技能実習経験)を通じて取得可能です。

特定技能1号

  • 現場作業中心
  • 最長5年の在留(家族帯同不可)

特定技能2号

  • 熟練技能を要する職種
  • 在留期間の更新制限なし・家族帯同可

4.就労ビザの申請手続きの流れ

ステップ①:在留資格認定証明書の交付申請

海外在住者が日本企業で就労する場合、まず「在留資格認定証明書」を地方出入国在留管理局に申請します。

ステップ②:日本の入国管理局の審査

申請から約1〜3か月で審査が行われ、問題なければ証明書が交付されます。

ステップ③:ビザ発給申請(日本大使館・領事館)

証明書を添付して、現地の日本大使館で就労ビザを申請します。

ステップ④:入国・在留カード交付

日本入国時に在留カードが発行され、就労が開始できます。


5.就労ビザ申請に必要な書類一覧

主な提出書類は次の通りです(在留資格ごとに異なります)。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 雇用契約書の写し
  • 会社登記簿謄本
  • 会社案内・パンフレット
  • 職務内容説明書
  • 学歴証明書または職歴証明書
  • 申請人のパスポート・写真
  • 納税証明書・決算書(経営・管理ビザの場合)

参考: 出入国在留管理庁公式情報:在留資格認定証明書交付申請


6.不許可になりやすいケースと注意点

就労ビザ申請は、形式上の要件を満たしていても「不許可」になることがあります。
代表的な理由は次のとおりです。

  • 学歴や職務内容が一致していない
  • 会社の経営実態が不十分
  • 雇用契約の内容が不明確
  • 給与水準が日本人と比べて不当に低い
  • 申請書類の不備・虚偽

ポイントは、「在留資格該当性」と「基準適合性」の両方を満たすことです。
専門家による事前チェックで不許可リスクを大幅に減らせます。


7.就労ビザと他の在留資格(永住・配偶者等)との違い

就労ビザは、特定の活動に限定される資格です。
一方で、「永住者」や「日本人の配偶者等」の在留資格は、活動制限がなく自由に就労できます。

在留資格就労制限在留期間主な特徴
就労ビザあり(職種限定)1〜5年職務変更時は在留資格変更が必要
永住者なし無期限どんな職業でも可
日本人の配偶者等なし1〜5年日本人配偶者と同等の権利

8.よくある質問(Q&A)

Q1:就労ビザの審査期間はどのくらいですか?
A:平均で1〜3か月です。企業規模や申請内容によって変動します。

Q2:転職した場合、就労ビザの変更は必要ですか?
A:職務内容や在留資格が変わる場合は「在留資格変更許可申請」が必要です。

Q3:就労ビザから永住申請は可能ですか?
A:可能です。原則10年以上(就労ビザで5年以上)在留し、安定収入・納税実績があれば申請できます。


9.まとめ|就労ビザ申請は「職務内容と資格の一致」が鍵

就労ビザは「どんな仕事をするか」によって適用される資格が異なり、申請内容の整合性が非常に重要です。
企業側・外国人側の双方で正確な理解が求められます。

不許可リスクを避けるためには、専門の行政書士に相談して事前チェックを受けることが最も確実です。


10.関連記事・参考情報

参考リンク:

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まとめコメント

就労ビザの申請は、「学歴・職務・契約内容」の整合性を重視した審査が行われます。
書類の一部不備でも不許可となるリスクが高いため、初回申請時は専門家のサポートを受けるのが安心です。

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法