タイ人の親族を日本に呼ぶには?必要なビザ・手続き完全ガイド

日本に住むタイ人の方から「タイにいる親族を日本に呼びたい」というご相談は非常に多くあります。
しかし、呼び寄せできる親族の範囲や利用できるビザは法律で明確に制限されており、申請を誤ると不許可になるリスクもあります。

この記事では、タイ人の親族を日本に呼ぶための現実的なビザの種類・条件・必要書類・手続きの流れを専門家視点で徹底解説します。


1. タイ人の親族を日本に呼ぶときの基本ルール

外国人を日本に呼び寄せる場合、**「どの立場で日本に滞在するか」=在留資格(ビザ)**を正しく選ぶことが大前提です。

  • 長期滞在を目的とする場合 → 配偶者ビザ/家族滞在ビザ/永住者の配偶者等ビザ
  • 短期訪問(観光・親族訪問など) → 短期滞在ビザ

呼べる範囲や期間は限られているため、状況に応じて最適なビザを選ぶ必要があります。


2.中長期滞在で 呼び寄せできる「親族」の範囲

日本の入管法では、呼び寄せ可能な「親族」は以下のとおりです。

  • 配偶者(夫・妻)
  • 子ども(未成年の子・特別養子を含む)
  • 一部の場合、親(扶養が前提/例外的な場合で非常に難しいです)

兄弟姉妹・祖父母・おじおば等は原則不可。


3. 実際に使える在留資格(ビザ)の種類

(1) 日本人の配偶者等ビザ

  • 日本人と結婚したタイ人配偶者が取得できるビザ
  • 長期的に日本で生活可能
  • 偽装結婚対策として、交際の経緯や同居実態の立証が重視されます

(2) 家族滞在ビザ

  • 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)や留学ビザを持つタイ人が、自分の配偶者・子を呼ぶ場合に利用
  • 親や兄弟は対象外
  • 生活費を賄える収入証明が必須

(3) 永住者の配偶者等ビザ

  • 永住者や日本人の子・配偶者が対象
  • 永住者と結婚したタイ人や、その子どもが日本で生活するために利用

(4) 短期滞在ビザ(親族訪問)

  • 親族を短期間日本に呼ぶ場合に利用
  • 滞在可能期間:15日/30日/90日
  • 招へい人(日本側)が身元保証書・招へい理由書を作成する必要あり
  • 親・兄弟・叔父叔母・祖父母も招聘可能

【例外】定住者・特定活動ビザが認められる特殊ケース

「親族呼び寄せ用のビザ」として使えるものではありませんが、例外的に認められる場合があります。

  • 定住者:日本人・永住者と離婚や死別した外国人配偶者が、子を養育するために残るケース
  • 特定活動:日本人の高齢の親を扶養するなど、人道的な特別事情がある場合

実務では極めて限定的なケースのみ対象となります。


4. 必要書類一覧

ビザの種類によって異なりますが、共通して以下が求められます。

  • 招へい人(呼ぶ側)の書類
    • 住民票
    • 在留カード(外国人の場合)
    • 収入証明(源泉徴収票、課税証明書)
    • 身元保証書
  • 呼ばれる親族の書類
    • パスポート
    • 戸籍謄本や出生証明書(親子関係・婚姻関係の立証)
    • 写真(4×3cm)

書類は日本語訳を添付する必要がある場合があります。


5. 具体的な手続きの流れ

  1. どのビザを選ぶかを決定
  2. 必要書類を準備(翻訳・公証を含む)
  3. 地方入管局に申請(在留資格認定証明書交付申請)
  4. 審査(約1〜3か月)
  5. 認定証明書をタイへ送り、現地日本大使館で査証申請
  6. 日本入国・在留カード取得

6. 不許可になりやすいポイントと回避策

  • 収入や生活基盤が不十分
  • 親族関係の立証資料が不足
  • 招へい理由があいまい(観光目的を偽装して長期滞在を狙っていると疑われる)
  • 偽装結婚・偽装扶養を疑われるケース

理由書を丁寧に作成し、証拠資料を十分に揃えることが不許可回避のカギです。


7. 行政書士に依頼するメリット

  • 書類不備や翻訳ミスを防げる
  • 不許可リスクを最小化できる
  • 複雑な事情(高齢の親を呼びたいなど)でも適切な戦略を提案してもらえる

8. よくあるQ&A

Q1. タイ人の両親を日本に呼んで同居できますか?
A. 原則不可。ただし、特別事情があれば特定活動ビザで検討されることがあります。

Q2. タイ人の兄弟姉妹を呼ぶことはできますか?
A. 中長期ビザでは一般的には不可能。短期滞在ビザに限定されます。

Q3. 観光で呼びたい場合はどうすれば?
A. 短期滞在ビザ(親族訪問)で申請可能。最長90日までです。


9. 関連記事・参考リンク


まとめ

タイ人の親族を日本に呼ぶためには、配偶者・子供・一部の親族に限って在留資格が認められています。
現実的に使えるのは、

  • 日本人の配偶者等ビザ
  • 家族滞在ビザ
  • 永住者の配偶者等ビザ
  • 短期滞在ビザ(親族訪問)

の4種類です。

中長期の在留資格で両親や兄弟を呼び寄せるのは原則困難で、例外的に親の場合に「特定活動ビザ」が検討される場合があるに過ぎません。
申請成功のカギは、適切なビザ選択・十分な立証資料・正確な書類作成にあります。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法