技術・人文知識・国際業務ビザから独立して経営管理ビザへ変更する方法【完全ガイド】


1.技術・人文知識・国際業務ビザと経営管理ビザの違い

技術・人文知識・国際業務ビザとは

「技術・人文知識・国際業務ビザ」は、日本で外国人が企業に雇用されて働くための在留資格です。主に以下の職種が対象となります。

  • ITエンジニア
  • 翻訳・通訳
  • 企画・マーケティング
  • 貿易業務 など

詳しくは在留資格「技術・人文知識・国際業務」(出入国在留管理庁)をご参照ください。

経営管理ビザとは

一方で「経営管理ビザ」は、自ら会社を経営・管理する立場の外国人に与えられるビザです。
つまり「雇われる側」から「経営する側」への転換を意味します。

主な要件

  • 事務所の確保
  • 500万円以上の出資(または同等の経営規模)
  • 事業の安定性と継続性

詳しくは在留資格「経営・管理」(出入国在留管理庁)をご覧ください。


2.技術・人文知識・国際業務ビザから独立するケースとは?

多くの外国人が最初は「技術・人文知識・国際業務ビザ」で日本企業に就職しますが、数年後に独立を考えるケースがあります。

典型的な独立パターン

  • ITエンジニアとして働いた後、自分の会社を設立
  • 貿易会社で経験を積んだ後、輸出入ビジネスを独立して開始
  • 翻訳・通訳者が、言語サービス会社を立ち上げ

つまり、技術・人文知識・国際業務ビザで培ったスキルや人脈を活かして起業する流れが一般的です。


3.経営管理ビザの基本要件

経営管理ビザへ変更するには、以下の要件を満たす必要があります。

(1)事務所の確保

  • バーチャルオフィスは不可
  • 実際に事業を行えるスペースである必要あり

(2)500万円以上の投資

  • 自己資金または投資家からの出資
  • 会社設立時に資本金として登記

(3)事業計画の明確性

  • 収益の見込みを説明できる計画書
  • 銀行口座開設や契約書も有力な証拠

(4)安定性と継続性

  • 継続して雇用を生むビジネスであること
  • 1名以上の日本人(または永住者等)の雇用も有利

4.ビザ変更の流れ(ステップごとの手続き)

技術・人文知識・国際業務ビザから経営管理ビザへは在留資格変更許可申請が必要です。

ステップ1:会社設立準備

  • 事業計画書の作成
  • 事務所契約
  • 出資金準備

ステップ2:会社設立

  • 定款認証
  • 法務局で登記
  • 銀行口座開設

ステップ3:経営管理ビザ申請

  • 入管に「在留資格変更許可申請」提出
  • 標準処理期間:2〜3か月

ステップ4:許可・在留カード更新

  • 許可が下りれば、在留カードに「経営・管理」と記載されます。

5.必要書類とポイント

  • 在留資格変更許可申請書
  • 事業計画書
  • 登記事項証明書
  • 事務所賃貸契約書
  • 出資金証明(銀行残高証明など)
  • 会社の定款
  • 雇用契約書(従業員がいる場合)

ポイント

  • 書類の整合性が非常に重要
  • 書類に矛盾があると不許可リスク大

6.よくある不許可理由と対策

不許可理由

  1. 資本金不足(500万円未満)
  2. 事務所が実態を伴っていない
  3. 事業計画に現実性がない
  4. 過去の在留状況が悪い(税金未納・違反歴)

対策

  • 投資額をしっかり確保
  • 事務所の写真や契約書で実態を証明
  • 実績ベースの売上見込みを提示
  • 税金・年金・保険をきちんと納付

7.経営管理ビザ取得後の注意点

  • 毎年の決算書提出で事業の実態を証明する必要あり
  • 更新時に赤字が続くと不許可のリスク
  • 在留資格外活動は制限あり(副業に注意)

8.専門家に依頼するメリット

  • 書類作成の不備を防げる
  • 事業計画書の説得力が増す
  • 不許可リスクを大幅に軽減

入管実務に精通した行政書士に相談することで、最短ルートでのビザ取得が可能になります。


9.関連記事


10.【Q&A】よくある質問と回答

Q1:技術・人文知識・国際業務ビザのまま起業できますか?
A1:会社経営を主活動にする場合は必ず経営管理ビザへ変更が必要です。

Q2:資本金500万円は必ず必要ですか?
A2:500万円未満でも従業員を雇用すれば認められる場合がありますが、実務上は500万円以上を準備する方が安全です。

Q3:会社設立前に経営管理ビザを取れますか?
A3:原則として会社設立後に申請します。ただし「4か月の経営管理ビザ(準備ビザ)」を利用できるケースもあります。

Q4:経営管理ビザから永住権は取れますか?
A4:可能です。安定した経営と継続した納税があれば永住申請の対象となります。


まとめ

技術・人文知識・国際業務ビザから経営管理ビザへ変更するには、事務所・資本金・事業計画・安定性が重要です。
独立を考える外国人にとって、これは大きなキャリアの転換点となります。

ただし不許可リスクもあるため、専門家のサポートを受けながら準備を進めるのが成功への近道です。

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法