外国人留学生のアルバイト条件と出席率|留学ビザ更新で不許可にならないために

1.留学ビザとは

在留資格「留学」とは、日本の大学、専門学校、日本語教育機関などで教育を受けることを目的に滞在するためのビザです。
このビザで滞在する外国人留学生は、学業が最優先であり、その補助的な範囲でのみアルバイト(資格外活動)が認められています。


2.留学中にアルバイトはできる?

(1)資格外活動許可とは

留学ビザでは自動的にアルバイトが認められているわけではありません。
**「資格外活動許可」**を入国管理局で取得することで、学業の支障にならない範囲でのアルバイトが可能となります。

  • 申請は在留カードを持参し、入管で申請書を提出
  • 新規入国時には空港で一括申請も可能

参考リンク:出入国在留管理庁|資格外活動許可について


(2)週28時間以内のルール

資格外活動許可を取得しても、原則として週28時間以内に制限されています。
ただし、春休みや夏休みなどの長期休暇期間は週40時間以内まで認められるケースがあります。


(3)禁止されている業種

風俗営業や賭博関連など、留学生が従事できない職種も存在します。例:

  • キャバクラ、ホストクラブ、ガールズバー
  • パチンコ店、ゲームセンターでの風俗関連業務
  • 深夜の接客を伴う飲食店勤務

違反が発覚すると、在留資格取消・退去強制処分の可能性があります。

関連記事:留学ビザで認められるアルバイトと資格外活動許可の取り方|留学生必見の完全ガイド


3.出席率の重要性

(1)90%以上の出席率が求められる理由

留学ビザの本来目的は「学業」であるため、出席率は極めて重要です。
入管は、出席率90%以上を学習意欲の基準とみなし、これを下回る場合は「学業が目的ではない」と判断されかねません。


(2)出席率が低下した場合のリスク

出席率が低い場合の主なリスクは以下の通りです。

  • ビザ更新が不許可になる
  • アルバイトが制限される
  • 学校から指導・退学処分を受ける可能性

特に日本語学校では「出席率80%未満」になると、次回の在留資格更新が極めて困難です。


(3)大学・専門学校・日本語学校ごとの基準

  • 大学・大学院:成績不良や出席不足が続くと「留年・退学」のリスク
  • 専門学校:授業ごとの出席率管理が厳格。80〜90%以上が求められる
  • 日本語学校:出席率が最も重視され、90%以上が事実上の必須条件

4.アルバイトと学業・出席率の両立のポイント

  • シフトを入れる前に授業スケジュールを確認する
  • 期末試験・中間試験の期間はアルバイトをセーブする
  • 出席率が危険水準になったらアルバイトを減らす
  • 学校がアルバイト先と連携している場合は、相談して調整する

5.留学ビザ更新時に必要な注意点

更新申請の際、入管は以下の点を重視します。

  • 出席率(90%以上が望ましい)
  • 学業成績や単位取得状況
  • 学費の納付状況
  • 収入・生活費の安定性(アルバイト収入に頼りすぎていないか)

出席率や成績が悪いと、「学業目的でない」とみなされ、更新不許可の可能性が高まります。


6.よくある質問(Q&A)

Q1.資格外活動許可なしでアルバイトしたらどうなりますか?
→ 不法就労となり、退去強制や再入国禁止の処分を受ける可能性があります。

Q2.週28時間を超えて働いたら?
→ オーバーワークは不法就労に該当し、在留資格取消のリスクがあります。

Q3.出席率が85%ですが更新は可能ですか?
→ ケースバイケースですが、90%未満は危険水準。学校の推薦状や理由書の提出が必要です。

Q4.長期休暇中はどれくらい働けますか?
→ 原則40時間以内。ただし、学業が始まれば再び28時間以内に戻ります。

Q5.奨学金や仕送りがある場合でもアルバイトは可能ですか?
→ 可能です。ただし、アルバイトは「補助的な収入」として扱われるため、学業を優先する必要があります。


7.まとめ

留学ビザでの滞在中にアルバイトをする際には、必ず資格外活動許可を取得し、週28時間以内のルールを守らなければなりません。
また、出席率90%以上を維持することがビザ更新の鍵となります。

アルバイトで生活費を補うことはできますが、留学ビザの本来目的は「学業」です。
そのため、アルバイトに偏りすぎず、学業と両立させることが重要です。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法