留学ビザ(在留資格「留学」)審査で重視される5つのポイント|資金・日本語力・学校選び完全解説


留学ビザ(在留資格「留学」)の審査ポイントを徹底解説。学習目的の適格性、経済的基盤、日本語力、在籍機関の信頼性など、許可・不許可を分ける要素を具体例と共に解説。再申請時の注意点も網羅。


1.留学ビザ(在留資格「留学」)とは

留学ビザ(在留資格「留学」)とは、日本の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、日本語教育機関などで教育を受けることを目的とした在留資格です。

出入国在留管理庁は次のように規定しています。

参考リンク: 出入国在留管理庁|在留資格「留学」

このビザを取得することで、中長期にわたって日本で学ぶことが可能になります。ただし「就労」ではなく「学習」が主目的であるため、原則としてアルバイトも週28時間以内と厳しく制限されています。


2.留学ビザ審査で重視される基本ポイント

留学ビザが許可されるかどうかは、以下のポイントを中心に審査されます。

(1)学習目的の明確性

留学の一番の目的は「日本での学習」です。

  • 学校で何を学ぶのか
  • 卒業後にどう活かすのか
  • なぜ日本を選んだのか

これらが合理的に説明できる必要があります。特に「就労目的の偽装留学」や「長期滞在が目的」と見なされると不許可の可能性が高まります。

(2)学費・生活費を支える経済的基盤

資金証明は審査の核心です。

  • 銀行残高証明
  • 仕送り予定者の収入証明
  • 奨学金証明

が求められます。年間で150万〜200万円程度を安定して確保できることが一般的な目安とされています。

(3)日本語能力のレベル

留学ビザの不許可理由の多くは「日本語力不足」です。

  • 日本語学校:N5〜N4レベル(入門)で可
  • 専門学校・大学:N2〜N1レベルが望ましい

出願時には、日本語能力試験(JLPT)や日本留学試験(EJU)のスコアが求められることがあります。

(4)在籍予定の教育機関の適格性

入管庁は、受け入れ先の学校の信頼性も審査します。
過去に「不法就労目的の留学生」を多く受け入れた実績がある学校はマイナス評価となる場合があります。

(5)過去の在留状況・素行履歴

  • 過去のオーバーステイ
  • 不法就労歴
  • 素行不良(税金未納など)

これらは大きなマイナス要素です。過去の記録はすべて入管に残っているため、隠すことはできません。


3.留学ビザの不許可になりやすいケース

典型的な不許可例は以下のとおりです。

  • 資金証明に不自然な点がある(直前に多額の入金など)
  • 日本語力が不足している
  • 学習計画が曖昧(卒業後の進路が不合理)
  • 受け入れ学校の管理体制が不十分
  • 過去に在留資格で問題を起こしている

関連記事:留学ビザが不許可になる理由と再申請のポイント|資金不足・目的不合理・日本語力不足の事例と対処法


4.留学ビザ審査を有利にするための対策

  1. 明確な志望理由書の提出
    「なぜ日本で学びたいか」を具体的に書く。
  2. 十分な資金証明
    少なくとも学費+1年間の生活費を証明する。
  3. 日本語力の強化
    JLPTやEJUの結果を提示。
  4. 信頼できる教育機関を選ぶ
    適正校リストに入っている学校を選択する。
  5. 誠実な過去の在留歴
    問題がある場合は、改善策を添付して申請する。

5.再申請時の注意点と改善方法

一度不許可になっても再申請は可能です。
ただし、不許可理由を改善しない限り許可は困難です。

例:

  • 「資金不足」で不許可 → 預金残高を安定させる
  • 「日本語力不足」で不許可 → JLPT合格証を追加

再申請では「改善された証拠資料」が最も重要になります。


6.よくある質問(Q&A)

Q1:留学ビザはアルバイトできますか?
A:週28時間以内で可能。ただし資格外活動許可が必要です。

Q2:家族を呼ぶことはできますか?
A:「家族滞在ビザ」で帯同可能。ただし十分な生活資金が必要です。

Q3:留学ビザから就労ビザに変更できますか?
A:卒業後、企業に就職すれば「技術・人文知識・国際業務ビザ」等へ変更可能です。

Q4:不許可になったらすぐに再申請できますか?
A:形式的には可能ですが、改善点を示さなければ再度不許可になります。


7.まとめ

留学ビザ(在留資格「留学」)の審査では、学習目的の明確性・経済的基盤・日本語力・学校の適格性・過去の在留履歴が重視されます。

特に「資金証明」と「日本語力」は不許可になりやすいポイントです。これらを事前に整え、誠実に申請すれば、許可の可能性を高めることができます。

関連記事も参考にしてください。

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法