永住者の親を持つ子供のビザ完全ガイド|永住・定住・配偶者等の違いと手続き

永住者の子供は「永住者」と「定住者」、「永住者の配偶者等」のどちらを取得すべきか?出生地、養子縁組、海外出生、家族滞在からの変更、永住者の配偶者等を含めて徹底解説。


はじめに

永住者の親を持つ子供が日本で暮らす場合、取得できる在留資格は状況によって異なります。

  • 日本で出生した子 → 「永住者」として資格取得可能
  • 海外で出生した子 → 「定住者ビザ」が基本
  • 養子縁組による子 → 「定住者ビザ」が原則
  • 来日時に家族滞在ビザ → 親が永住者取得後、「永住者の配偶者等」へ変更可能

出生地や年齢、養子縁組の有無、親の在留資格によってルートが変わるため、正確な理解が必要です。

本記事では、海外出生・養子・家族滞在からの変更も含むすべてのケースを整理し、手続きや注意点まで徹底解説します。


1.永住者の子供が取得できる在留資格

永住者の子供が取得できる主な在留資格は以下の通りです。

  1. 永住者
    • 日本で出生した場合に付与
  2. 定住者
    • 海外出生、養子縁組など
  3. 永住者の配偶者等
    • 親が永住者になった場合に、来日時に家族滞在ビザだった子供が変更申請可能
    • 海外出生の子は原則適用されない

2.「永住ビザ」と「定住者」、「永住者の配偶者等」の違い

項目永住ビザ(子供)定住者永住者の配偶者等
対象日本で出生した永住者の子海外出生、養子家族滞在ビザから変更する日本出生の子、永住者の配偶者
在留期間無期限1年・3年・5年(更新制)1年・3年・5年(更新制)
就労制限なしなしなし
永住申請不要将来的に可能将来的に可能
安定性高い更新が必要でやや不安定更新制で中程度

3.日本で出生した子供の場合

  • 親がすでに永住者の場合、出生時に自動的に「永住ビザ」を取得可能
  • 申請の流れ:
    1. 出生届提出
    2. 入管で「在留資格取得許可申請」
    3. 在留カード交付 → 永住者資格取得
  • 無期限で日本に在留でき、就労制限もなし

4.海外で出生した子供の場合

  • 「永住者の配偶者等」は原則不可
  • 取得可能なのは 定住者ビザ が基本
  • 日本で生活基盤や収入の安定を示せば、将来的に「永住者」への変更申請が可能

注意点

  • 未成年で申請する方が許可されやすい
  • 必要書類:出生証明書(現地)、親子関係証明、親の在留資格証明、翻訳文

5.養子縁組による子供の場合

  • 養子縁組で永住者の子となる場合も、原則「定住者ビザ」が付与される
  • 日本で出生していないため、自動的に永住資格は付与されない
  • 将来的に永住申請が可能

6.家族滞在ビザから永住者の配偶者等への変更

  • 子供が来日時に 家族滞在ビザ で日本に在留していた場合
  • 親が永住者資格を取得した後、「永住者の配偶者等」への在留資格変更が可能
  • 申請に必要な書類:
    • 親の永住資格証明(在留カードなど)
    • 親子関係を証明する書類(戸籍謄本・出生証明書など)
    • 現在の子供の在留カード
  • 就労制限はなし
  • 在留期間は更新制(1年・3年・5年など)

7.年齢制限・成人後の申請

  • 未成年(20歳未満・独身)のうちに申請する方が許可されやすい
  • 成人後に入国する場合は、定住者資格が中心
  • 成人後に永住申請する場合は、一定期間の在留実績と安定した生活基盤が必要

8.在留資格取得手続きの流れ

日本出生の子

  1. 出生届提出
  2. 入管で「在留資格取得許可申請」
  3. 在留カード交付 → 永住者資格取得

海外出生・養子・家族滞在ビザからの変更

  1. 養子縁組届や親子関係証明提出
  2. 入管で「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」
  3. 日本入国後、定住者ビザまたは永住者の配偶者等ビザ付与
  4. 将来的に永住申請可能

9.永住ビザ・定住者ビザ・永住者の配偶者等のメリット・デメリット

永住ビザ

  • メリット:更新不要、就労制限なし、生活安定
  • デメリット:出生以外では取得不可

定住者ビザ

  • メリット:海外出生や養子でも取得可能、将来的に永住申請できる
  • デメリット:更新制、安定性は永住に比べ低い

永住者の配偶者等

  • メリット:家族滞在から変更可能、就労制限なし
  • デメリット:更新制、安定性は中程度

10.行政書士に相談すべきケース

  • 海外出生の子供を呼び寄せる場合
  • 養子縁組による入国の場合
  • 家族滞在ビザから永住者の配偶者等へ変更する場合
  • 成人後に入国する場合

入管の判断は個別ケースにより異なるため、専門家への相談で不許可リスクを下げられます。


11.よくある質問(Q&A)

Q1. 日本出生の子供は必ず永住ビザを取得できますか?

  • 原則可能です。出生時に親が永住者なら、永住資格が付与されます。

Q2. 海外出生の子供は永住者の配偶者等を取得できますか?

  • 原則不可。定住者ビザで来日し、その後永住申請が一般的です。

Q3. 家族滞在ビザから永住者の配偶者等に変更できますか?

  • 親が永住者になった後に変更可能です。必要書類を整えて入管で申請します。

Q4. 定住者ビザから永住ビザに変更できますか?

  • 可能です。一定期間の在留実績と安定した生活基盤が必要です。

12.まとめ

  • 日本出生 → 永住ビザ取得が基本
  • 海外出生・養子 → 定住者ビザが原則
  • 家族滞在ビザ → 親が永住者になったら永住者の配偶者等へ変更可能
  • 永住者の配偶者等は更新制で就労制限なし、将来的に永住申請可能
  • 専門家への相談で書類準備・申請戦略を整えることが重要

関連記事

参考リンク

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法