帰化申請中の引っ越し|住所変更は審査にどう影響する?【完全ガイド】
目次
はじめに
日本国籍を取得するための「帰化申請」は、審査期間が長期に及ぶことが特徴です。一般的に申請から許可まで1年〜1年半ほどかかることもあり、その間に「転職」「結婚・離婚」と並んで多く相談されるのが「引っ越し(住所変更)」です。
「帰化申請中に引っ越しても大丈夫なのか?」
「住所変更が審査に不利になることはあるのか?」
この記事では、帰化申請中に引っ越しをする場合の手続きと審査への影響について詳しく解説します。行政書士としての実務経験をもとに、申請者が安心して対応できるようにまとめました。
1. 帰化申請における住所の重要性
帰化申請は「日本で安定的に生活していること」を証明するために、住所情報が非常に重要な役割を果たします。
- 生活の拠点がどこにあるか
- 住民票の記録と申請書の整合性
- 安定した居住環境を確保しているか
これらが審査の基準となるため、住所変更が発生した場合は必ず入管や法務局に届け出る必要があります。
2. 帰化申請中に引っ越す場合の手続きの流れ
(1)住民票の変更
引っ越しをしたら、まずは役所で転居届/転出入届を提出し、住民票の住所を変更します。
(2)法務局への届出
申請を行った法務局(国籍課)に「住所変更届」や「住民票」を提出する必要があります。
- 提出期限はなるべく早く(引っ越し後1〜2週間以内が望ましい)
- 書類の宛先は申請をした法務局
(3)必要書類の差し替え
すでに提出済みの書類に旧住所が記載されている場合は、新住所が反映された最新の住民票や身分証明書を再度提出しなければなりません。
3. 引っ越しが審査に与える影響
結論から言うと、引っ越しそのものは不許可理由にはなりません。
しかし以下のような場合は審査に影響を及ぼす可能性があります。
- 頻繁な引っ越しを繰り返す → 「生活基盤が安定していない」と判断される恐れ
- 家賃の滞納や転居理由が不明確 → 経済的な安定性に疑問を持たれる可能性
- 法務局への報告が遅れる → 信頼性の低下につながる
つまり「正しく手続きを行い、合理的な理由での引っ越しであれば問題なし」というのが実務上の結論です。
4. 引っ越し先が他県の場合の注意点(法務局の管轄変更)
住所が同じ都道府県内であれば、担当法務局は変わりません。
しかし、他県へ引っ越す場合は法務局の管轄が変わるため、以下の対応が必要です。
- 新しい住所地を管轄する法務局へ申請書類を移管
- 追加資料を改めて提出
- 担当官が変わるため、面談がやり直しになる可能性もある
その結果、審査期間が延びるリスクがある点には注意が必要です。
5. 住所変更に伴い再提出が必要になる書類一覧
引っ越し後に再度求められる可能性がある書類には以下があります。
- 最新の住民票(新住所が記載されたもの)
- 身分証明書(市区町村発行、住所地が変われば再取得)
- 納税証明書(自治体が変わった場合)
- 会社の在職証明書(勤務地や勤務先に変更がある場合)
- 賃貸契約書(住居の安定性を確認されることもある)
6. 帰化申請中の引っ越しでよくある質問(Q&A)
Q1. 引っ越しで帰化申請が取り消されることはありますか?
A. いいえ、正しく住所変更を届け出れば取り消されることはありません。
Q2. 法務局への連絡はいつすればいいですか?
A. 引っ越し後、住民票の住所変更が完了した時点で速やかに連絡しましょう。
Q3. 引っ越し先が遠方だと、審査はやり直しになりますか?
A. 他県の場合は担当局が変わり、審査が延びる可能性があります。
Q4. 一時的な仮住まいでも住所変更は必要ですか?
A. はい。住民票を移した場合は必ず届け出が必要です。
7. 専門家に相談すべきケース
- 頻繁な転居を予定している場合
- 引っ越し先が他県で、審査の遅延が心配な場合
- 住所変更に伴い追加書類が多く発生する場合
こうした場合は、帰化申請を多数扱っている行政書士に相談することでスムーズに進められます。
8. まとめ
- 帰化申請中に引っ越しても、手続きを正しく行えば不利になることはありません。
- 住民票の変更後は速やかに法務局へ連絡し、必要に応じて最新の書類を提出することが大切です。
- 他県への引っ越しは管轄が変わり、審査期間が延びる可能性があるため要注意です。
帰化申請は長期にわたる手続きだからこそ、ライフイベントが重なることもあります。安心して国籍取得を目指すためにも、引っ越しを予定している方は事前に準備を進め、必要に応じて専門家に相談すると良いでしょう。
参考記事
- 帰化申請中の結婚・離婚|配偶者の状況は審査に影響する?【完全ガイド】
- 帰化申請と海外出張・長期滞在|日本居住要件との関係【完全ガイド】
- 帰化申請中に転職は可能?不許可リスクと法務局への報告義務を徹底解説
参考リンク
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |