フィリピン人配偶者を日本に呼び寄せるための招へい手続き|短期滞在ビザ・配偶者ビザの完全ガイド


はじめに

日本人がフィリピン人と結婚した場合、日本で一緒に生活するためには、在留資格(ビザ) の取得が必要です。特に、フィリピンはビザ免除国ではないため、短期滞在ビザ(観光・訪問用)日本人の配偶者等ビザ(在留資格) を適切に申請することが不可欠です。

この記事では、フィリピン人配偶者を日本に呼び寄せる方法 を、行政書士の立場から詳しく解説します。

  • 招へい手続きの流れ
  • 必要書類のポイント
  • 短期滞在ビザと配偶者ビザの違い
  • 不許可を避けるための注意点
  • よくあるQ&A

まで網羅的にまとめていますので、これから申請を検討されている方はぜひ参考にしてください。


1.フィリピン人配偶者を日本に呼び寄せる方法は2種類

フィリピン人の配偶者を日本に呼ぶ方法は、大きく分けて以下の2つです。

1-1. 短期滞在ビザ(観光・訪問用)で呼ぶ

  • 招へい人(日本人)が、フィリピン人配偶者を一時的に招へいする手続き
  • 滞在期間は 15日、30日、90日 のいずれか。
  • 主に「結婚後すぐに一緒に過ごしたい」「両親へ紹介したい」場合に利用される。
  • ただし 就労は一切不可

1-2. 日本人の配偶者等ビザ(長期滞在用)で呼ぶ

  • 日本での生活を前提とした 在留資格「日本人の配偶者等」 の取得。
  • 滞在期間は 1年、3年、5年
  • 就労制限がなく、日本で自由に仕事ができる。
  • 夫婦として日本で長期的に生活する場合は必須。

短期滞在ビザは「一時的な招へい」、配偶者ビザは「長期的な呼び寄せ」と整理しておくと分かりやすいです。


2.短期滞在ビザでフィリピン人配偶者を呼ぶ手続き

2-1. 手続きの流れ

  1. 日本の招へい人が 招へい理由書・身元保証書 を作成
  2. 招へい人が 必要書類一式をフィリピンの配偶者へ送付
  3. フィリピン側で 日本大使館(マニラ)へ申請
  4. 審査(通常 1〜2週間)
  5. ビザ発給 → 入国

2-2. 必要書類

  • 招へい理由書(日本人作成)
  • 身元保証書(日本人作成)
  • 招へい人の住民票・印鑑証明書
  • 戸籍謄本(結婚が記載されているもの)
  • 配偶者のパスポート・写真
  • 航空券の予約確認書(場合による)

詳細は在フィリピン日本国大使館の案内も参照してください。
在フィリピン日本国大使館|査証

2-3. 不許可になりやすいケース

  • 招へい理由があいまい(「観光」だけでは弱い)
  • 経済的基盤が弱く、保証能力に疑問がある
  • 結婚が真実かどうか疑われる(偽装結婚対策)

3.配偶者ビザ(日本人の配偶者等)で呼ぶ手続き

3-1. 手続きの流れ

  1. 日本人配偶者が 入国管理局へ在留資格認定証明書(COE)の申請
  2. 証明書が交付されたら、フィリピンに郵送
  3. フィリピン人配偶者が 日本大使館へビザ申請
  4. ビザ発給 → 日本入国
  5. 入国時に 在留カード交付

3-2. 必要書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 夫婦の戸籍謄本・婚姻証明書(フィリピン発行のものは翻訳が必要)
  • 日本人配偶者の住民票・課税証明書・納税証明書
  • 夫婦の写真(結婚の実態を示すもの)
  • 経済的基盤を示す資料(勤務先の在職証明など)

3-3. 配偶者ビザの審査ポイント

  • 結婚の真実性(交際の経緯・写真・やりとりの記録)
  • 生活の安定性(収入・住居)
  • 過去の在留状況(不法滞在歴があると厳しい)

特にフィリピンは偽装結婚のリスクが高いと見なされやすいため、証拠資料の充実が重要です。


4.短期滞在ビザと配偶者ビザの違い【比較表】

項目短期滞在ビザ配偶者ビザ
滞在期間15日・30日・90日1年・3年・5年
就労可否就労不可就労可能
手続き招へい人が理由書作成、日本大使館で申請入管でCOE取得後、大使館で申請
主な目的一時的な滞在(観光・親族訪問)長期生活・夫婦として同居
不許可リスク招へい理由が弱い場合偽装結婚と疑われる場合

5.よくあるQ&A

Q1. フィリピン人配偶者を短期滞在ビザで呼んで、そのまま配偶者ビザに切り替えできますか?
原則できません。配偶者ビザは「在留資格認定証明書」を取得して入国する必要があります。

Q2. 短期滞在ビザと配偶者ビザを同時に申請できますか?
可能ですが、審査が混乱する恐れがあるため、目的に応じてどちらかを選ぶことをおすすめします。

Q3. 招へい理由書はどのように書けばいいですか?
「夫婦として一時的に日本で生活し、家族へ紹介するため」など、具体的かつ合理的に記載することが重要です。

Q4. 配偶者ビザの審査期間はどのくらいですか?
平均3か月程度ですが、ケースによっては半年以上かかることもあります。


6.不許可を避けるための注意点

  • 招へい理由を具体的に書く
  • 夫婦の写真ややりとり記録を提出して結婚の真実性を示す
  • 経済的に安定していることを証明する(収入・貯金)
  • 偽装結婚と疑われないように誠実に対応する

フィリピン人配偶者の場合、入管や大使館は特に「偽装結婚ではないか」を厳しくチェックします。


7.まとめ

  • フィリピン人配偶者を呼ぶ方法は「短期滞在ビザ」か「配偶者ビザ」
  • 短期滞在ビザは一時的な呼び寄せ、配偶者ビザは長期的な生活を前提
  • 配偶者ビザでは「結婚の真実性」と「生活の安定性」が最大の審査ポイント
  • 書類不備や説明不足が不許可の原因になるため、専門家に相談するのも有効

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法