行政書士が日本で働くための法律会計業務ビザ手続き【完全ガイド】

はじめに

日本で行政書士として働きたい外国人にとって、適切な在留資格を取得することは不可欠です。「法律会計業務ビザ(Legal and Accounting Services Visa)」は、行政書士や会計士などの法律・会計関連業務に従事する専門職向けの在留資格で、日本での活動を法的に保障します。

本記事では、法律会計業務ビザの取得条件、必要書類、申請手続きの流れ、注意点、よくある質問まで、実務レベルで詳しく解説します。


1. 法律会計業務ビザとは?

法律会計業務ビザは、以下の業務を行う外国人専門職向けの在留資格です。

対象業務

  • 行政書士業務(許認可申請書作成、契約書作成支援など)
  • 弁護士・司法書士の業務
  • 公認会計士・税理士の業務
  • その他、法律・会計業務に関連する専門的な活動

ビザの特徴

  • 期間:初回1〜3年、更新可能
  • 活動制限:法律・会計関連業務に限定
  • 家族帯同:原則可能(配偶者・子供も在留資格取得可)

2. 法律会計業務ビザの取得条件

法律会計業務ビザを取得するには、法律上の資格実務経験が必要です。

2-1. 必須資格

以下の資格のいずれかを有することが条件です:

  1. 弁護士
  2. 司法書士
  3. 行政書士
  4. 弁理士
  5. 公認会計士
  6. 税理士
  7. 社会保険労務士
  8. 土地家屋調査士
  9. 海事代理士
  10. 外国法事務弁護士
  11. 外国公認会計士

※資格の取得状況は日本語または英語の公式証明書で証明する必要があります。

2-2. 学歴・経験

  • 大学卒業または同等の学歴
  • 専門資格取得後の実務経験が3年以上あることが望ましい(職種によって異なる)

2-3. 企業・事務所の受け入れ条件

  • 日本国内で営業する行政書士事務所・会計事務所・法律事務所に雇用されること
  • 業務内容が法律会計業務ビザの範囲内であること

3. 必要書類一覧

法律会計業務ビザ申請には、以下の書類が必要です。

3-1. 基本書類

  1. 在留資格認定証明書交付申請書(申請者署名)
  2. 写真(縦4cm × 横3cm、3か月以内に撮影)
  3. パスポートのコピー
  4. 履歴書(学歴・職歴・資格を明記)

3-2. 資格証明書

  • 弁護士登録証
  • 行政書士登録証
  • 公認会計士資格証明書

※資格証明書の翻訳(日本語)が必要な場合があります

3-3. 雇用先関連書類

  • 雇用契約書
  • 事務所の営業証明書(登記事項証明書など)
  • 業務内容説明書(業務フロー・役割を詳細に記載)

3-4. その他必要書類

  • 経歴証明書(勤務先からの推薦状等)
  • 日本滞在計画書(業務開始日・勤務時間・活動内容)

4. 申請手続きの流れ

法律会計業務ビザの申請は、**在留資格認定証明書の取得 → 在留資格変更(又は新規入国)**の手順で行います。

4-1. ステップ1:在留資格認定証明書申請

  1. 必要書類を準備
  2. 入国管理局(地域ごとの地方出入国在留管理局)へ申請
  3. 審査(通常1〜3か月)
  4. 在留資格認定証明書の交付

4-2. ステップ2:日本入国

  • 在留資格認定証明書をもって、外国大使館・領事館でビザ申請
  • 入国後、在留カードを取得

4-3. ステップ3:在留資格更新

  • 初回1〜3年
  • 更新申請時には、雇用状況・実務状況の報告が必要

5. 申請の注意点

5-1. 偽装雇用に注意

  • 業務内容が法律・会計関連でない場合は許可されません
  • 虚偽申請は在留資格取消の対象

5-2. 資格未登録の場合

  • 外国資格のみでは、日本での登録が必須
  • 登録手続きに時間がかかる場合があります

5-3. 家族帯同

  • 配偶者・子供の帯同は可能ですが、生活費や住居の証明が必要です

6. 実務的ポイント

  1. 書類は日本語で提出
    • 英語書類は翻訳証明を添付
  2. 業務内容説明は具体的に
    • 「契約書作成支援」や「許認可申請書作成」など、細かく記載
  3. 雇用契約書は正規雇用推奨
    • 派遣やアルバイト形式は審査上不利

7. 参考リンク


8. よくある質問(Q&A)

Q1. 外国の資格でも法律会計業務ビザは取れますか?

A: 外国法律事務弁護士と外国公認会計士のみ可能ですが、日本での登録が必須です。例:外国の弁護士資格を持つ場合、日本の弁護士登録を経て申請します。

Q2. 初回申請はどのくらいで許可されますか?

A: 在留資格認定証明書申請から発行まで、通常1〜3か月程度です。

Q3. 雇用契約が短期でも申請できますか?

A: 初回は1年〜3年の契約が推奨されます。短期契約は更新審査で不利になる場合があります。

Q4. 家族を帯同できますか?

A: 配偶者・子供は帯同可能です。ただし、生活費・住居の証明が必要です。

Q5. ビザ更新で注意する点は?

A: 業務内容が変更されていないこと、勤務先が同じであること、滞納税や社会保険未加入がないことが重要です。


9. まとめ

法律会計業務ビザは、行政書士や会計士、弁護士業務に従事する外国人にとって、日本で合法的に働くための重要な在留資格です。

取得のポイント

  • 法律上の資格保持
  • 日本での登録・雇用契約
  • 実務経験や業務内容の明確化

正確な書類作成と手順の遵守が許可率向上のカギとなります。疑問点は早めに専門家(行政書士・入国管理局)に相談しましょう。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法